港湾日和

横浜港は昔も今も移ろいゆく空間だ。ここに停泊している日本丸と氷川丸の過去と現在を再訪することで、歴史の鏡像がつなぎ合わされる。歴史的なイメージの象徴を、現在ここで入手することができるコラージュ素材を用いて組み合わせる。記憶をつなぎ合わせ、意味は変容し、景色は移り変わり、刻々と変化する時間の変化を経て、海の波のように歴史を横断していく。

🅘 横浜グランゲート(3/15より展示) + 横浜シンフォステージ(4月以降展示)
グランモールデッキ部分

横浜市西区みなとみらい5-1-1+横浜市西区みなとみらい5-1-2

みなとみらい21地区

窓から見える開港の詩

横浜開港の地近くに、明治時代に建てられた「開通合名会社」と「旧横浜居留地48番館」の2つの歴史的建造物がある。いずれの建物も関東大震災で大きく被災し、その残った部分が現在まで保存されている。図面や文献も手がかりにしながら、この2つの建物の歴史の形を描き出したてみたいと思った。歴史を旅するためのインターフェースとして「窓」をモチーフとし、昔の鉄製の窓の装飾や開港時の地図屏風の図柄などを現在の建物の窓枠に重ね合わせ、まわりの自然環境と変わりゆく時のながれ、過去と現在、現実と虚構の間の空間によって、この窓の中に時間を留めてみた。

🅙 横濱ゲートタワー・スタートギャラリー2+4
横浜市西区高島1-2-55横濱ゲートタワー1階(とちのき通り側)
8:00~23:00

みなとみらい21地区

吳 芊頤

ウー・チェンイー

1987年台中生まれ。国立台北芸術大学美術学部絵画科卒業後、国立台南芸術大学大学院造形芸術研究院修士取得。日常で起こる現象に焦点を当て、テープ素材を用いて、イメージを符号化、構築し、様々な建築空間に介入することで、意味合いを融合した作品制作を行う。近年の展覧会に「窓光」(跑攤芸術祭、1/2Room、彰化/台湾/2023)、「森の秘密」(台南ニューアートアワード/酔美空間/台南/2022)、「鶯歌芸術祭」(鶯歌陶芸館/新北市/台湾/2021)など。台北横浜交流事業今期滞在作家として作品を制作発表。