保良 雄 個展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」

会期:2026年2月13日(金)~15日(日)、20日(金)~22日(日)計6日間
会場:港北水再生センター(神奈川県横浜市港北区大倉山7-40-1)

BankART1929は、2004年の設立以来、横浜市の創造都市構想のもとでオルタナティブスペースを運営しながら、アートを通して都市や社会を再解釈する実践を重ねてきました。 2024年度をもって約20年にわたる施設運営契約を終えたBankARTは、拠点を持つことから一歩踏み出し、自ら都市の内部へと深く切り込む新たなフェーズへと活動の軸足を移しています。 
本展「TOTEM ORGA(H)/トーテムオルガ」は、そうしたBankART1929の新たな姿勢を明確に示す自主事業の第一弾として企画しました。アーティストと伴走しながら、都市や社会における既存の制度や不可視化された構造を批評的に捉え直す——その実践を、稼働中の都市基盤施設を会場とするかたちで具体化する試みです。

本展の会場となるのは、新横浜駅近くに位置する、横浜市の下水処理施設 港北水再生センターです。 横浜市は、近代日本における都市化と衛生行政の先駆的な事例の一つとして、明治期以降、下水道整備を段階的に進めてきました。港の開港と人口集中を背景に、感染症対策や生活環境の改善を目的として整備された下水道は、戦後の高度経済成長期を経て、現在では都市機能を支える不可欠なインフラとして発展しています。一般に下水処理施設は、街を浸水から守るための雨水排水や、家庭や都市活動から排出される汚水を集約し、物理的・化学的・生物学的な工程を経て、水を再生する役割を担っています。あわせてその過程で生じる汚泥は肥料や資材として再生・処理されます。こうした施設は、都市の表層からは見えない場所で常時稼働し続けながら、公共衛生の維持、水環境の保全、資源循環といった複数の機能を同時に支えています。

本展は、作家・保良雄の身体経験を起点に、存在の配置そのものを組み替える試みです。先天性障がいという立場から存在のあり方と向き合ってきた保良は、あらゆる存在を単一の水平軸上に並べ直す視点で物事を捉えてきました。タイトルに付された (H) は、トーテムの中心を一つに固定しないための記号として置かれています。会場となる港北水再生センターは、人間の排泄物を汚泥、再生水、資材へと変換する循環装置であり、「自然の循環を模した人工臓器」として社会の深部に位置しています。本展では、汚泥や再生水、微生物といった都市の内奥で脈打つ要素を、あくまでトーテムを構成する一部として再配置し、それらが織りなす関係性全体を通して、作動するトーテムの構造を示します。


【開催概要】

タイトル:保良雄 個展「TOTEM ORGA(H) /トーテムオルガ」
会期:2026年2月13日(金)〜15日(日)、20日(金)〜22日(日) 計6日間
会場:港北水再生センター(神奈川県横浜市港北区大倉山7-40-1)
   新横浜駅より徒歩19分、市営バスにて9分
   ※アクセス情報はこちらをご参照ください
観覧料:600円
観覧方法:事前申込のツアー形式(申込みサイトは2026年1月30日公開)

主催:BankART1929
共催:横浜市(下水道河川局・にぎわいスポーツ文化局)
協賛:株式会社ゴールドウイン、TOTO株式会社、三菱ケミカルインフラテック株式会社 ほか
助成:芸術文化振興基金、神奈川県マグカル展開促進補助金

問い合わせ:BankART1929  info@bankart1929.com  045-663-2812
展覧会特設サイト:https://bankart1929.com/yasuratakeshi/