昨年末にBankART KAIKOにて、24時間アートテレビを開催しました。アートテレビとは私が企画、運営、出演するアートに関するトーク番組です。コンテンツとしては、私がパーソナリティを務めて、さまざまなゲストとの24時間リレー式のトークがメインになります。2023年に第1回をXのスペースでの音声配信のみで開催し、昨年は2回目として映像配信を含めたアートテレビとして開催しました。
昨年は会場を探していたところ、XでBankARTスタッフの津澤峻さんから連絡をもらい、年末にもかかわらず、KAIKOを貸していただけることができました。当初はトークの配信のみを考えていたのですが、広い展示スペースを使えるようになったので、急遽、アーティストによる1日限りの公開制作やパフォーマンス、展示も加わり、トークを超える広がりが生まれました。
どんな内容で、どんな雰囲気なのかということについて、2年連続で、勝手に24時間で起きたことを記事にまとめてくださったアートブロガーのよしてるさんのブログをご参照ください。アーカイブはYouTubeでもすべて公開中です。
24時間アートラジオ2023|トークで共同制作し耳に届ける美術の集合知をご紹介
https://yoshiteru-blog.com/24hour-art-radio2023/
24時間アートラジオ/テレビ2024|横浜からすべての場所へ届けるパフォーマンスアートのすべてを紹介
https://yoshiteru-blog.com/2024_24hour-art-radio-tv/
よしてるさんは、この企画を24時間にわたるさまざまなゲストとの対話を通して、リアルとヴァーチャルをかけ合わせて、美術にかかわる知を集結させる、パフォーマンスアートだと評してくださっています。
では、どんなひとが集まっていたのか。昨年までに参加された方を列挙してみます。
(漏れがあったらごめんなさい。)
長谷川祐輔
河野咲子
らち
森脇透青
布施琳太郎
小野まりえ
坂下剣盟
東武志
武本瑠香
齋藤恵汰
伊藤結希
石橋直樹
新谷健太
KOURYOU
伊藤允彦
三毛あんり
寺嶋孝佳
若林拓哉
小倉宏志郎
Yzm(Yズミ)
村上由鶴
植田将暉
小門晃
平形颯良
三田航平
渡辺俊夫
渡辺健一郎
今野恵菜
東孝彦(あづまっくす)
田中芙弥佳
柿崎大輔
岡田竜之助
芳賀菜々花
高口聖菜
こう見るといろいろな方が参加してくださっているのが分かりますが、もちろん参加してくれれば、どんな人でもよいというわけではなくて、テーマや地域性、時事性など、いろいろなバランスをみて、トークゲストは考えています。初回はルーマニアに民俗学の調査に訪れた学生(石橋さん)にも参加してもらいました。今年のゲストも含めると、総勢50名ほどの方が参加していただいたことになるので、自分でも驚いています。ゲストの皆さんにはこの場を借りて、改めて感謝申し上げます。
さて、今年は本家の24時間テレビにあわせて、アートの24時間テレビも夏に開催することにしました。場所は、6月に新宿にオープンしたばかりの「On」というアートスペースをお借りして開催します。
日程は8月29日11時から30日11時までの24時間トークリレーとなります。全ゲスト紹介はyoutubeで話しているので、ご興味ある方ははチェックしています。
全ゲスト紹介!24時間アートテレビ2025夏
https://youtu.be/Wh5eaEdhD1I?si=llnUrKPnCFBUORJa
トーク内容は話してみないとわかりませんが、いまはこんなイメージで進んでいます。
まずは昨年から美術評論家の塚田優さんとの共同主催で開催してきた「美術批評を読む」の出張編として美学研究者の村山正碩さんが西村清和について発表、つぎは、2019年の瀬戸内国際芸術祭から始まったEBUNEの航海録をKOURYOUさんにお聞きし、NHKのドキュメント72時間でも特集された奥能登の銭湯「あみだ湯」を営む新谷健太さんとは復興の現状をから公共性について考えます。大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンの石黒浩館の設計を担当された遠藤治郎さんにはアドホックネスというテーマのもとパビリオンの解説をしていただき、美術家の大岩雄典さんにはインスタレーション研究で訪れたドイツでの取材記をお聞きします。楊光耀さんとは都市計画の視点からいまの建築と日本について話し、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成でNY滞在中の半田颯哉さんにはNYのアートシーンについて、ロンドンでフランシス・ベーコンなどの美術史研究を続ける伊藤結希にはイギリスのビエンナーレ、展覧会の最新事情を現地から伝えていただきます。深夜帯には演劇や美術の特別ゲストが集まり、討論会が開かれます。そして終盤はアートボランティア歴20年を超える東孝彦(あずまっくす)さんによるいまのアートニュースななめ読みを、国立ハンセン病資料館で現在開催中の「戦争とハンセン病」展担当学芸員の吉國元さんには展覧会の意図や調査、画家としての活動についてお話を聞きます。またトーク以外の企画としてQuizKnockのアート担当でおなじみの志賀玲太さん(会場参加)、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さん、美術評論家のきりとりめでるさん、アート・アンプリファイアの吉田山さん作成のクイズを解くアートクイズ大会も開催します。
今年も戦後80年、万博の年にふさわしいトークあり、能登、大阪、ドイツ、NY、ロンドンなど、それぞれのローカルな話もある、よい24時間になると思っています。詳しくは、タイムスケジュールをご覧ください。

料金については、会場は当日券のフリーパスのみで、一般3000円、学生1500円(要学生証)、小学生以下無料です。
深夜の8月30日0-4時以外は入退場自由で、会場でトークをお聞きいただけます。
なお映像での配信は私の個人のYoutubeチャンネルから行います。
*
この6月末に横浜美術館を退職して、BankARTやBゼミの活動にも学びながら、スクール事業も始めたいと思っていますので、みなさまお力添えをいただければ、幸いです。また今年2月に横浜市民ギャラリーあざみ野の北川裕介さんの企画で、創作講座の一環として開催した「アートライティング講座」では、参加者の方々が講座終了後に自分たちで講座を自主企画して、その講師として私を呼んでいただくという想像を超えた展開を見せていて、横浜での美術普及の可能性をひそかに感じています。この講座は、私がコロナ渦に始めた全国の常設展・コレクション展をレビューするメディア「これぽーと」を結びつけることで、全国の美術館でも展開できるのではとアイデアを練っています。そのような形で、今後ともさらなる美術活動をつづけていきたいと思っています。
「24時間アートテレビ」ゲスト参加者の最近の仕事
➧村山正碩
論文「自己表現の二つの意義:自己理解と自己変容」(2025年)
https://researchmap.jp/masahiromurayama/published_papers/49038672
➧美術批評を読む
西村清和『プラスチックの木でなぜ悪いのか』https://amzn.to/3JuzvlQ
西村清和『現代アートの哲学』https://amzn.to/4fSNo9z
➧KOURYOU
EBUNEのホームページ
https://ebune.net/crew-kouryou/
➧新谷健太
ドキュメント72時間「奥能登・珠洲 海辺の銭湯」(2025年2月28日)
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2025144287SA000/
➧志賀玲太
QuizKnock:YouTube
https://youtu.be/N03WvGkdv4M
➧きりとりめでる
「パンのパン」https://meta-pan.booth.pm/
➧大澤夏美
『ミュージアムグッズのチカラ』https://amzn.to/3Vo5lDf
➧吉田山
『風の目たち / The Eyes of the Wind Pocket Tour Book 2022―2024』
https://floatingalps.stores.jp/items/689d8fe64e11f1ea58565113?fbclid=PAVERDUAMXcjdleHRuA2FlbQIxMAABpwu8aWCyVJDU2jH1Gw9O5hPr4lVB_eYONIVMzIm3qB71q-KEgDdc1OIpCIHy_aem_mlkM_Nxk4eYXpoMq-4Erzg
➧よしてる
アート数奇
https://yoshiteru-blog.com/
➧遠藤治郎
記憶に残る万博シグネチャーパビリオン「いのちの未来」の舞台裏、異才が集うチームによる空間設計
https://chizaizukan.com/pickup/interview/7utDSTwLO69baG99M4mw15/
➧大岩雄典
「芸術家と主客性」、『だえん』
https://daenpub.base.shop/
➧楊光耀
芥正彦責任編集『地下演劇 第7号: 希望の原理』
https://amzn.to/41Ym9o2
➧半田颯哉
https://www.souyahandaprojects.com/aboutus
➧伊藤結希
SNS時代の美術鑑賞――「映え」を目的に美術館に行くことは、美術にとって悪なのか?
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/sns-insight-202508
➧東孝彦(あずまっくす)
インタビュー
https://artovilla.jp/articles/interview_takahiko-azuma.html
➧吉國元
ギャラリー展「戦後80年―戦争とハンセン病」
https://www.nhdm.jp/events/list/9273/
【執筆者プロフィール】
みなみしま・こう|批評家。1994年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了(西洋美術史)、博士課程後期退学(美学)。2021-2025年6月まで 横浜美術館学芸員。全国の常設展・コレクション展をレビューするプロジェクト「これぽーと」主宰(2020-)。
【執筆者関連書籍📕】
坂口恭平の心学校 https://amzn.to/4lIeGk4
妄想講義 https://amzn.to/467ztZK
LOCUST https://locust.booth.pm