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【news – Vol.1,198】台北市・横浜市アーティスト交流プログラム2026湯雅雯「ここは、すんでいる、ここに」 開催のお知らせ

台北市と横浜市はパートナー都市として様々な分野で交流事業を行ってきており、2026年はパートナー都市提携20周年を迎えます。
芸術分野では2005年から~Taipei/Treasure Hill Artist Village(台北国際芸術村)とBankART1929の間で毎年アーティストを相互に派遣し、各施設で約3ヶ月の滞在制作をおこなってきています。2025年度は、横浜市から足立篤史氏が12月1日から2月23日まで台北に滞在、台北市からは湯雅雯(タン ヤーウェン)氏が2026年1月2日から3月31日まで横浜に滞在しています。なお、本年のプログラムは、黄金町エリアマネジメントセンターの協力のもとに実施します。
湯雅雯氏の成果の発表に先立ち、オープニングレセプションとアーティストトークも開催されます。
みなさまお誘い合わせの上、ぜひご来場ください。



湯雅雯(タン ヤーウェン)「ここは、すんでいる、ここに/在這裡,呼吸著」
会期:2026年3月14日(土) ~ 3月22日(日)
時間:11:00~18:00  ※最適な鑑賞時間は日没前です
会場:黄金スタジオE 
横浜市中区黄金町2-7先 黄金スタジオ内(川沿いの入口から入って左奥) 
会場へのマップ

会期中イベント:
オープニングレセプション:3月14日(土) 14:00 – 15:00 
アーティストトーク:3月14日(土)  15:00~
※展示会場にて開催 入場無料台北市・横浜市アーティスト交流プログラム2026
主催:BankART1929
共催:横浜市にぎわいスポーツ文化局
協力:黄金町エリアマネジメントセンター

横浜でのレジデンス滞在中、私の生活圏は、一本の長く伸びる河川と、東京都と横浜市街地を結ぶ高架鉄道に沿って広がっている。私のスタジオはその高架鉄道の下にあって、大きな窓ガラスがあり、開放性と私密性のあいだにあるような空間だ。私はまるで都市構造の「中間層(インタースペース)」に仮住まいしているかのように、ガラス越しに川の潮位の変化、景色の移ろい、光の角度、鳩が集まる場所、行き交う人々、そしてスタジオの真上を高速で走り抜けていく電車を観察していた。
冬季特有の日照条件によって、光は斜めに都市空間へと差し込み、乾燥した空気が光の散乱を抑え、建物の表面にはくっきりと引き伸ばされた光と影が映し出される。そうして、都市のなかで普段は見えにくい構造や空間が、光と影の浸透によって、その質感を伴いながら立ち現れてくる。
本展は、室内空間における「窓辺」に着目している。それは公共とプライベートのあいだにある中間的な状態であり、双方向的な視線の関係を内包する場所である。その感覚をもとに、今回の展示タイトルでは、日本語の「すむ」という言葉に着目した。「澄む」と「住む」という二つの意味を重ね合わせ、「ここは、すんでいる、ここに」と名付けている。
障子やガラスといった透光性のある日本の伝統的建築素材、そして複合メディアを用いることで、分類や言語化しにくい現場に応答し、日常の痕跡、想像、そして制作のあいだに生じる重なりを立ち上げようとしている。(湯 雅雯)

湯 雅雯(タン‧ヤーウェン)
1993年、台湾・桃園生まれ。台北芸術大学大学院にて修士号(MFA)を取得し、ミクストメディアおよびインスタレーションを専攻。彼女の制作は、小さな部品や拾得物、さまざまな素材への関心を出発点とし、それらを用いて、独自の感性が宿る「器」のような存在を立ち上げることに特徴がある。オブジェクトの機能や振る舞いにフィクションの物語を重ね合わせることで、人間の経験における一瞬の感情や気配を喚起する作品を制作している。