Retouch
横浜には、日本の近代の歩みを示す様々なモニュメントがある。土地の歴史を語り市民に誇りを持たせてくれる一方で、今日注視する人は多くない。そこで改めてモニュメントに注目し、そこから歴史と現在、そして写真との関係を考えてみたい。写真シリーズRetouchは横浜にあるモニュメントを撮影し、画像加工で碑文を削除した物である。モニュメントを、言葉のない物体の写真とキャプションとして再構成している。
BankART Station
佐藤邦彦
さとう・くにひこ
フォトグラファー、プロダクトデザイナー。1986年東京生まれ。2010年芝浦工業大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。デザイン事務所勤務を経て2017年よりフリーランスのデザイナーとして活動。デザイン業と並行して、歴史という不可視のものを表象する遺物やモニュメントを被写体とし、それらと社会、人々の関係性を考察する写真作品の制作を行っている。