すくう、すくう、すくう
奥能登芸術祭2020で発表された作品「すくう、すくう、すくう」(掬う、救う、巣食う)の一部を、海上に浮かぶぷかり桟橋で再展示。石川県珠洲市飯田町に住む人々の「手で水を掬う仕草」の画像をもとに粘土原型を制作、石膏で型取りし、雌型に透明樹脂を流し込んだ彫刻作品群。桟橋の揺らぎと、気配の揺らぎを内在した彫刻が共振する。リアリティの拠り所を探る作者が、遠方で生きる他者の気配をたぐり寄せる試み。
🅔 ぷかりさん橋
横浜市西区みなとみらい1地先
9:00~21:00
みなとみらい21地区
中谷ミチコ
なかたに・みちこ
1981年東京都生まれ。一般的なレリーフとは異なり凹凸が反転している立体作品を制作。粘土で成形した原型を石膏で型取り、粘土を取り除いた空の雌型に透明樹脂を流し込み充填することで、イメージの「不在性」と「実在性」の曖昧さを「彫刻」という具体的存在として問う。2014年より祖父が住んでいた三重県の空家に転居。旧犬の首輪工場を改装した「私立大室美術館」で毎年敬老の日に作品を展示する「when I get old」プロジェクトを継続中。