BankART Temporary 満期終了のご報告

BankART Temporary(旧第一銀行)での活動が2021年3月31日で終了した。もともと、横浜市文化観光局の諸事情でBankART1929が2020年度一年間だけ運営するというピンチヒッターとしての役割だったので予定通りの仕事納めだ。Temporaryという名称はそういう意味を込めて名付けたが、ロサンゼルス現代美術館の前史、フランク・ゲーリーが設計した「テンポラリーコンテンポラリー」のかっこよさを少しイメージしたのは事実だ。これは先行でオープンしたプレミュージアムが、本体のロス美術館が完成しても継続運営されているという、いかにもアメリカらしいブロードウェイ方式の美術館だ。

2020年度どんな活動を行ったか記してみよう。


4月〜5月 コロナ禍最中で何もできなかった。

6月〜8月は、1Fの大きな空間を二人のアーティスト(松本秋則、高橋啓祐)に「緑陰図書館」というコラボレーション作品を制作してもらった。
3Fでは、スタジオプログラムBankART AIR 2020 @Temporary

9月からは、「都市への挿入/川俣 正〜BankARTLife Ⅵ」。横トリ2020と連動して、建物の内外、馬車道駅でインスタレーション作品を制作。併行して、馬車道駅構内で横浜市が企画するCreative Railwayで、「駅なか動物園」を展開した。

10月末〜12月は、「M meets M」。建築家の村野藤吾と槇文彦の個展を連動させた。(村野展は道路を挟んで真向かいのBankART KAIKOで開催)

1月〜2月はTPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021

3月は多摩美プロダクトデザインや和光大学等の卒展が続き、後半はNibrollや中村恩恵氏のダンスイベントが続いた。


BankARTの関わりは主催、共催、コーディネート、協力など様々だったが、一年間を元気良く走り続ける事ができたと思う。

北仲地区は、BankART1929が生まれた2004年の頃とは異なり、現在は横浜市新市庁舎や三井の超高層マンション、アパホテル、ロープウェイ等の大型の開発事業が続いている。そうしたなか、この1929年生まれの石造りの元銀行はまわりの大きな変化の中でも、決してかたちを変えることなく、存在し続けるだろうと思う。短い期間だったが、そうした都市の定点ゾーンに関われたことを、私たちは財産にしたいと思う。ありがとうございました。


2021年4月

BankART1929



2021年4月8日更新