みなとみらい物語は、急ピッチで開発が進んでいる「みなとみらい新高島地区」を中心に、その歴史や開発の仕組みなどを考えるゼミである。今回は、みなとみらいに新しく校舎を設立した神奈川大学の事務局の3名からお話があった。
1人目の講師である田島和久氏は神奈川大学の沿革について、2人目の講師である高嶺徹氏は、キャンパスの整備計画について、3人目の講師である田中純平氏は、大学の地域社会との連携について、それぞれ講義を行なった。
講義終了後は、受講者も興味を持った方がたくさんいたようで、質問も数多くあった。実際、市民に開放された本棚や食堂、学内外の起業志望者や中高生を対象としたプロジェクト、隣接した資生堂など民間企業との共同事業など、従来のイメージの“学校”とは異なる、オープンで地域と関わり合う大学を目指していることがよく伝わってきた。一般市民は校舎内に立ち入ることすらできない大学なども多くある中で、地域の市民と交流するだけでなく、実際にプロジェクトを協力して行っているのは非常に進歩的であると言える。
一方で、やや形式的な発表だったことも否めない。大学が推しているはずの建築学科の教諭ではなくゼネコンに新校舎の設計を依頼した理由など、深掘りして聞きたいトピックは講義になかった。神奈川大学が今後、みなとみらいの車輪の一つの中心になっていくためにも、さらなる斬新なアイディアと学生を伸ばす学校づくりに期待したい。
左から、田島和久氏、高嶺徹氏、田中純平氏