ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 浅野宏治+茂木隆宏(ノガン/コーディネーター) 2018年12月22日

お二人は、創造都市のスタートと機を同じくして育ってきたチームである。
BankART Studio NYKオープン当初、まだ学生だった二人は、BankARTのカフェで仕事をするなど、頻繁に出入りしていたそうだ。その後も、BankART 関連のプログラムに関わり、北仲BRICK&北仲WHITE、宇徳ビルヨンカイ等を経て、現在は独自にジャパンエキスプレスビルに拠点を移して活動中だ。初期に行った、「ノガンのおでん」は、横浜食材を、おでんを通じて多くの人に知ってもらい、味わってもらうことを目的とした期間限定の屋台店舗。まったく赤字のイベントだったそうだが、おでんをコミュニケーションツールとし、その後の横浜食材のイベント、ケータリングの運営やコーディネート業など多くの仕事に繋がっていった。近年では、横浜駅西口の仮囲いに、地元の食材、お店を広告ツールを運営を担当するなど大きい仕事も担当している。地域に根ざし、成長してきた彼らだが、横浜にとどまらず、さらに飛び立ってほしいというエールが会場から贈られた。

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おでんプロジェクト

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寿灯祭 2010

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have a Yokohama(横浜駅西口仮囲い編集室)

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 海洋市民大学 2018年12月15日

海に関係する講師に招き、横浜の海を深く広く楽しく考える海洋市民大学。
今日は、その会を推進している金木伸浩氏、水井涼太氏からお話を伺った。
前半、代表の金木氏がこのゼミナールの概要を説明。発足から5年継続しており、セミナーや現場でのワークショップを年、数十回の重ねてきており、受講生は小学生から90歳まで約2,000人を超えるとのこと。

ダイバーでもあり、海関係の社会起業家である水井氏は、横浜の海の実態とその可能性についてお話しいただいた。横浜の海はほぼ埋立地で、自然護岸はほとんどないが、この間の環境整備によって、フジツボや牡蠣などが、広く生育しており、またスズキや黒鯛などもつれるほど、環境はかなり改善されてきており、都市部としては生物あふれる海とのこと。
問題は海と親しめる機会や場が少ないこと。小学校でも学習要領に海は扱われておらず、海は眺めるだけのものという意識が拭えない。「海にのりだす、のぞく、くつろぐ」といった活動をもっと生み出すために、そういった具体的な活動を積極的に仕掛けると同時に、法的な既成や海岸(護岸)のハード面の整備を推進していきたいとのこと。
会場からは、横浜の海の豊かさを再認識したという声も多かったが、国との関係において横浜市民の問題(シティズンプライド)としての海という知見には至っていないし、そのハードルを越えるのは難しいという意見もでた。

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左:金木伸浩氏、右:水井涼太氏

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講義風景

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生態観測

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ヨコハマ創造都市を巡る リレーレクチャー 恵良隆二+杉崎栄介 シルクセンター会議室 2018年12月7日

恵良隆二には、横浜市創造都市の歩みと骨子(都市計画の視点から)について、杉崎栄介には、ACYが行っている中間支援の内容についてお話を伺った。両者とも、かなり突っ込んだ内容迄言及され、これまでの歩みと、今後の課題を明確に示された。

恵良氏は、三菱地所の職員として、みなとみらいの埋め立て地時期から、横浜の都市開発に深く関わり、ランドマークタワーや、クィーンズスクウェアなどの建物群はもちろんのこと、現在の横浜(これからの横浜)を形成する都市軸の理念について、詳しくお話された。ウォーターフロント開発時、アーバンデザイナーである北沢氏と知り合うことになり、その後、旧横浜船渠第2号ドックの保全活用調査を共同で行い、関内地区のまちづくり、創造界隈形成推進委員会とつながっていったそうだ。横浜市における創造都市のポジションの変化にも言及され、当時目指していた創造都市から見えにくくなったもの、希薄化したもの、狭まったもの等を明確に指摘された。また創造都市10年の成果の今後への繋ぎ方や、文化芸術への行政や市民のスタンスなど、極めて重要な「思想」をミクロとマクロの視点を何度も往来しながら、的確に指摘をいただいた。
最後に、現市庁舎の行方について、「創造都市政策に関わっているものは、これに対して意見を述べなければいけない。残す・壊す意見どちらにしても、自分の意見を言わなければいけない。北沢氏が亡き後、創造都市にこれまで関わった立場として、創造都市の思想で市庁舎のことを答えなければいけない。」と我々に奮起を促す力強い言葉をいただいた。

杉崎氏には、2007年から立ち上げたアーツコミッションヨコハマ(ACY)について説明していただいた。ACYは、横浜で活動するクリエイターをサポートする役割を担っており、主な活動として、クリエイターへ活動支援(経済的な)、クリエイターのネットワークを構築(=関内外オ―プン)、ウェブ等の情報発信である。

事務所開設などを直接サポートする支援を継続しているが、さらに展開して、2017年からはクリエイターが社会的な問題を行うプロジェクトを支援する「クリエイティブインクルージョン」、若手作家の支援制度「クリエイティブ・チルドレン」など新たな助成も発足させている。
関内外オ―プンは、毎年続けておこなっていること、そして界隈のアーティストの定着増加したことが影響し、今年度は、会場数60超、参加スタジオ100超、来場者数3,300名と年々数を伸ばしているそうだ。

「芸術が役に立つかどうかではなく、行政や財団が、芸術や社会の良き道具に立つにはどうすればいいのか。芸術を鏡として自らの道具を磨く、それが評価や調査だ。」と、杉崎氏。
ACYは、事業評価に関しても単純な数値による限定されない伴走型評価を導入している。クリエイターひとりひとり、分野や目的、目指す到達点が違うことを認め、ACYスタッフ+評価調査チームが、成長を目的として評価の仕組みをアーティストや事業運営団体と伴走しながら策定し、審査会の評価、社会の評価へと繋げていく。社会のための芸術助成として、どのような形にして継続するか、モデル化になるか、ACY自体が積極的に変化しながら取り組んでいるそうだ。

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