これまで、クリエイター15チームが入居していた本町45(シゴカイ)が、建物の建て替えのため、引越することになった。なかなか引越先が決まらず、絶望的になったときもあったが、幸運なことに、一部を除いてすぐ近くの大きなビル、宇徳ビル4Fに移転することになった。約4年間お世話になった1929年生まれの本町ビル。惜しまれて、解体の運命をたどることになるが、いざなくなることがはっきりしてくると、なんだか悲しくなってくる。蹴上げが、14センチしかないゆるやかな階段、程よい高さの天井、レンガタイルとモルタルの美しいファサード、NYでよくみかける跳ね上げ式の鉄骨の非常階段。どれもこれもが、おしゃれでアクティブだった。宇徳ビルへの引越は10月2日と3日。
月: 2010年9月
BankART school 「みかんぐみの考えるリノベーション」
彼らが得意とするリノベーションが今回のテーマだ。
みかんぐみがこれまで手がけてきたリノベーション建築の紹介はもちろんだが、様々なゲストをお呼びして、環境や地域、コミュニティ、不動産など、社会的な背景を掘り下げながら考えていく講座となっている。
ゲスト1組目は、埼玉県北本市で活動されているキタミン・ラボ舎の新井慶太さん。「おもしろ不動産」として、使われていなかった場所を建築家と組みながら開いていくプロジェクトを展開中。2組目は、環境の視点から、善養寺幸子さん。エコスクールと題して学校のエコ改修のお話。本日3組目は、馬場正尊さん。R不動産が始まった経緯から、現在の不動産業界の問題やリノベーションに対する考え方を伺った。来週はいよいよみかんぐみの話。
ASAKURA BankARTシアター
朝倉氏考案の舞台にも客席にもなるユニットで構成された変幻自在なニューシアター「ASAKURA BankARTシアター」のこけら落とし。パフォーマーは、文殊の知恵熱(とうじまとうじ、村田青朔、松本秋則)と村田峰紀。文殊の知恵熱は、これまでの音のでる小道具や光のロープ、巨大風船オブジェ等を駆使し、軽やかな進行で笑いを誘いながら、回廊の上部、柱周りを中心に完成度の高いパフォーマンスを披露した。村田氏は、観客を全て二階席にあげ、床に内伏になりながら、「背中で描く」の新バーションに挑戦。共に、回廊の部分(1F+2F)が客席になっても、柱の周りが客席になっても構いませんという、この劇場のチャーミングポイントを上手く使いこなしていた。
Pinter WAVE! 開幕
岡本健一演出、ハロルド・ピンター「恋人」の初日が開きました。美術はもちろん朝倉摂さんです。
舞台美術といっても今回は大げさなものではなく、アクリル系の椅子や家具のようなオブジェ。それと現場の白壁に即興で描いた20m長のドローイング。
初日の舞台の幕が下りて、ピンターの描く「恋人」同士のすれ違っているようで、繋がっていく関係が、朝倉さんの背景に埋め込まれているように見えました。台詞や動きとはちがう意識の層に語りかける美術は、朝倉さんならではのものだと、あらためて感じました。
「恋人」の公演は10月2日(土)まで行われます。詳しくは http://www.tpt.co.jp/ まで。(展覧会の半券をお持ちの方は500円引き)