「宇徳ビルヨンカイ」から「トキワビルニカイ」へ 2017年9月29日

シェアスタジオ宇徳ビルヨンカイの契約終了に伴い、入居者はいくつかのチームに分かれて横浜市内、近隣に移転した。その中の建築系4チーム、美術系3チームが、常盤ビルに移転した。横浜市役所の近く、ベイスターズ通りに面する古い雑居ビルだ。そのごくプライベートなお披露目が9月29日(金)に開催された。入居ゾーンではパーティの場所がとれないので、オーナーに許可をいただいてコンディションのよい屋上を提供してもらった。
このチーム、北仲BRICK&WHITE(2005年)から続くメンバーも含むチームなので、特に何かをするわけではないいが、既に自治会みたいなものができ、いっしょに活動を開始している。ニカイ以外にもまだ空き部屋があるビルなので、もっと多くのメンバーが入ってくれるとありがたい。いずれにせよ、芸術不動産の、創造都市横浜の新しいステップに入りつつある。

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Under35 高原悠子展 2017年9月29日

若手の個展リレー第四弾は高原悠子氏。白く長いフラットなパネルの上に、ミニチュアの森のような空間に耳を型どった石膏が置いてある《風》。樹脂や発泡プラスチックなどで、実物大の流れる川を再現し、その川の空中に穏やかな川が横断している《透明の並び》。石甕に豊潤に水が貯めてあり、そこに葉っぱが6枚規則正しく並べられている《donika》。具体的かつ抽象的な要素も併せ持ち、個々のサイズや距離感もバラバラな彼女の作品は、ねじれながらも繋がりを抱かせるメビウスの輪のようだ。

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Cafe Live 2017 HOLIDAYS「ちゃぶ台」 2017年9月17日

カフェライブ第二弾、役者・ダンサーである深堀絵梨主催のパフォーマンスグループHOLIDAYSによる「ちゃぶ台」を開催。タイトル通り、ちゃぶ台のある空間で、3人の演者によって行われる芝居とダンスパフォーマンスである。演者の感情を豊かに表す小道具として、また4人(脚)目のパフォーマーとして、ちゃぶ台も縦横無尽に動き回るのが印象的だ。
公演に併せて、今回の公演の一部とこれまでの作品を納めたDVDを刊行。@500円で販売中。

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日産アートアワード2017 2017年9月16日

13年から隔年で開催、今回で3回目となる日産アートアワードがスタート。
今回は、国際審査会にて選出された5名によるアーティストによる新作を発表。
会期中には、アーティストトークや、ギャラリーツアーなどのイベントも開催する。

1階と3階で開催中のBankART Life Ⅴと併せてぜひご覧ください。

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Photo: Keizo Kioku

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Photo: Keizo Kioku

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職業体験2017年度 9月15日

例年の職業体験の季節。今年も老松中学と松本中学の学生7名を受け入れた。
みんな素直でいい子だ。ちょっと猫かぶっていて、本当はもっとやんちゃで、騒がしかったりするんだろうと思うけど。
仕事は何でもやってもらう。朝一番の植物への水やり、展覧会の監視、カフェのカウンター内や給仕、掃除等々。接客等は恥ずかしがって短い期間では慣れないで終わってしまうこともあるけど、教えれば教えるほどどんどん吸収していってくれるのは頼もしい。
仕事を手伝ってくれて助かったというほどまではいかないけど、とにかく、彼(彼女)らがいること事体が楽しい。全体が和む。子供の存在はどんな世界でもいつの時代でも大切な大切な役割をはたしている。

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Under35 七搦綾乃展 2017年9月15日

第三弾は、鹿児島県出身、現在は広島を拠点に活動している作家、七搦綾乃(ななからげあやの)氏。この若き彫刻家は、バナナの茎や皮、椎茸など、干からびた植物や自然物に布を被せた「静物画」に登場する形式をモチーフに『rainbows edge』というシリーズを展開している。『rainbows edge』とは、植物が干からびることで表れたねじれの筋が、虹のように見えたことが由来とのこと。繊細な彫刻の集積により表現された「繊維の束」と、楠(くす)の木の年輪を活かしながら丹念に磨くことで生成した「布」の表現は、誤解を恐れずにいうと、ミケランジェロを彷彿させるといっても過言ではない。彫刻家(職人)然とした姿勢が潔い作品群だ。

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中村恩恵の旅 2017年9月10日

現在開催中の「BankART Life V」の空間で中村恩恵氏が久しぶりに舞った。コンクリートにさく、花、海、家、輝く星を巡る旅だ。
中村氏は、犬になり、狐になり、魔女になり、娼婦になり、馬鹿になり、賢者に、そしてダンサーになり、全ての空間を支配した。中村氏の自決の一人旅、ターニングポイントとみた。
展覧会タイトルの「観光」には「光を観る=こころの中の真実を見つける」という意を込めたが、一人の天才の努力と鍛錬と経験が司る身体が、見事に照準を定めたダンスだったと思う。

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日本郵船歴史博物館と 2017年9月2日

今回「BankART Life V」は、日本郵船歴史博物館と協働することができた。
博物館の休憩室に、PHスタジオの代表作「船、山にのぼる」の映像と写真を展示している。また「BankART Life V」のパスポートか「横トリ2017」半券を持っていると入場料が無料になるという特典もつけてくれた。
この歴史博物館、実をいうと昔から深いつながりがあり、博物館ができる前は、現在のBankART Studio NYK(=旧日本郵船倉庫)の2Fが船の歴史資料館だったのだ。NYKの床にのこる年代のプレートサイン等が、当時の痕跡である。
坂本龍馬ゆかりのこの巨大海運会社の歴史博物館、この機に是非一度訪ねてみてください。

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Cafe Live 2017 安野太郎「大霊廟II」 2017年9月1日

BankART Life Vの1F / kawamata Hallでは、一般公募と推薦枠でセレクトされた「Cafe Live」のシリーズを行います。公開制作を行いながら、その成果を公演に結実させていき、同時に各アーティストのDVDも刊行します。
トップバッターは、安野太郎「大霊廟II」。作曲家の安野太郎が、2012年から続けているゾンビと呼ばれるロボットが演奏する音楽のプロジェクトです。PCから送られる演奏データ(指使い)をもとに、作家の指でかたどられたシリコンが笛の指穴を抑え、リコーダーの歌口に空気を送り込むことによって奏でられます。
今回は、12台の自動演奏リコーダー、2台の発声機械。そして、2立方メートルの大きな空気袋に人間が足踏みふいごを踏むことで、直接空気を送り込むというなんとも大がかりな装置での演奏です。
自動演奏リコーダーの奏でる音色のうしろから、動力となる人間の作業音[ふいごの軋む音、息遣い]が重なるその光景は、なんとも奇妙で体験したことのない合奏でした。
公演前は、公開制作という形で、仕込みや制作を見学することができるようにしています。kawamata Hallに突如あらわれた装置と音色に、多くの来訪者に衝撃を与えていました。

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写真:後藤悠也