BankARTAIR 2021 SPRING アーティストトーク第5回

5月29日(土)19:0020:30 照沼晃子+ちゃぶダイブChabu Dive/松本恭吾/渋田 薫/嶋﨑美音

関東学院大学教育学部教授の照沼晃子は、今回はクリエイターとして参加。都市のゴミをどう活用していくか、現状と活動内容を話された。松本恭吾氏は、岡山と東京を往来しながら活動する作家。今回は、横浜の郊外地区を自身で歩き、集めた風景を元に絵描き、最終的に絵本を制作するとのこと。完成は30ページ相当とのことで、長期プロジェクトになりそうだ。渋田 薫氏は、少年自衛官、メイクアップアーティスト、植物店、料理人などを経験後、ペインターとして活躍する作家。音楽や自然音を絵画に取り組む表現形式で活動。国内外でレジデンス、発表を精力的に活動している。今回は、横浜を歩き、インスピレーションを得て新作を描いたとのこと。嶋﨑美音氏は、横浜生まれの彼女は、ロザンゼルスに留学、2015年にニューヨークを拠点に活動。2020年横浜を拠点に活動。旅先などありふれた日常風景をフィルムカメラで取っている。とくに目には見えないものの声や言葉に寄り添うような、写真における「音」表現の可能性に着目しているとのこと。

照沼晃子+ちゃぶダイブChabu Dive

IMG_8076.jpg

松本恭吾

IMG_8100.jpg

渋田 薫

IMG_8110.jpg

嶋﨑美音

IMG_8113.jpg

会場の様子

IMG_8093.jpg

BankARTAIR 2021 SPRING アーティストトーク第4回

5月21日(金)19:3021:00 敷地 理/細淵太麻紀/山岡瑞子/ビコ コンドウ/高橋美乃里

敷地理氏はU35第二期に選出され、パフォーマンスを中心に活動している作家。今回の展示の説明、過去作や最近興味を持っているサッカーシミュレーション、テニス、狼の遠吠えなどの素材映像等をプレゼン。
細淵太麻紀氏はこれまでの作家活動に加え、過去3回開催したステーションでのレジデンスに参加した成果物を中心に発表。山岡瑞子氏は、アメリカに留学した際、交通事故にあい、車椅子生活になったこと、それから復活して、映画を撮影したことなどを話した。ビコ コンドウ氏は、ニューヨークで6年活動を行っていたが、昨年より横浜に居を活動。アクリルジェッソを何層も塗り重ね、その上に少量の色を少しずつ塗り重ねる独特の質感表現方法などを詳しく説明。高橋美乃里氏は、昨年、Creative Railwayの企画として新高島駅のプラットホームで行った絵画展に選出された作家である。最近は平面だけでもなく、コンクリートや土、木材などを使った立体も作成、着眼点などを話した。

敷地 理

IMG_7913.JPG

細淵太麻紀

IMG_7918.JPG

山岡瑞子

IMG_7930.JPG

ビコ コンドウ

IMG_7932.JPG

高橋美乃里

IMG_7939.JPG

会場の様子

IMG_7921.JPG

BankART U35 2021 第2期 木下理子、敷地 理、金子未弥スタート

2021年5月14日  @BankART KAIKO
U35第2期は、公募選出による3名の個展。金子未弥氏は、黄金町バザール2020で公開制作した《未発見の小惑星観測所》を基に作品を展開。今回は単管、標識、ガードレールなど、街の中にある素材を加工し、《都市計画》と称したインスタレーションを作成した。選ばれた言葉と語られた物語、関係づけられた地図を感じ取ってほしい。
木下理子氏は、一昨年武蔵美大学院の油画コースを修了。青と白のモノクロームの抽象的な平面作品が並ぶ。これらの作品は、感光紙に紐や綿などを置くことで、光が多く当たる部分は青く、影の部分が白くなるというサイアノタイプ(日光写真)という技法が用いられている。写真にも近い技法だが、木下氏はこの作品をドローイング(線画)と称している。その他、展示空間には、アルミホイルや銅線などで作られた、空調、人の動きで、ゆらめく線画のようなオブジェクトが点在する。
敷地理氏は、東京芸大大学院メディア映像修了という経歴だが、学生時代からパフォーマンスを主に活動している作家だ。今回は、「パフォーマンスをどう展示するか」に挑んでいる。会場では、ダイエットマシーンが無造作に5台並べられ、その上には日常の衣服やゴミがブルブルと揺れている。ときおり敷地本人もマシーンにのり、ほかの物と同じように揺れ、声をゆらし、揺れながら飲むカフェオレがこぼれ落ちる様子に観客は笑う。他、イヤフォンから流れる指示に従い、スマホを操作して閲覧する作品、見る角度で像が変わるレンチキュラー作品なども。鑑賞者自体が振動させられる装置のような空間だった。
金子未弥
210514-007.jpg
金子未弥 展示の様子
210514-058.jpg
210514-047.jpg
210514-054.jpg
210514-055.jpg
210514-056.jpg
木下理子
210514-023.jpg
木下理子 展示の様子
210514-011.jpg
210514-016.jpg
210514-019.jpg
210514-015.jpg
210514-022.jpg
敷地 理
210514-043.jpg
敷地 理 展示の様子・パフォーマンス
210514-031.jpg
210514-026.jpg
210514-029.jpg
210514-034.jpg
210514-035.jpg
オープニングの様子
210514-002.jpg

BankARTAIR 2021 SPRING アーティストトーク第3回

2021年58日(土) @BankART Station

リン・チャーチル氏は、今回のレジデンスの最年長。アトリエいっぱいに和紙を貼り、パワフルに体を動かしドローイングを描く。トークでは日本語でも挑戦してくれ、彼女が各地で撮影した広大な自然風景写真など、制作のインスピレーションの元となるような資料を見せてくれた。

秋山夏海氏は、今春に東京造形大を卒業したばかりの若手。性暴力を受けた知人の話から日本の性教育についての疑問をインスタレーションで表現するなど、思考そのものに対する疑問を制作に落としこんでいる。今回は、都市と人の関係に着目し制作中とのこと。

金子未弥氏は、KAIKOで現在開催中のU35に選出された「記憶」と「都市」をテーマに活動している作家だ。他者から記憶に残る場所やエピソードを聞き、その場所名をビニールテープなどでつなぎ合わせることで、記憶の地図のようなイメージを浮かび上がらせる作品を手掛ける。トークでは昨年の黄金町バザールでの作品や、今回の個展の作品などの解説をいただいた。

新江千代氏は、布を素材にしたインスタレーションや映像作品を主に発表してきている作家。今回は、近年亡くなられた彼女の父の記憶や、実家に父が植えた桜の木(これから伐採することになる)など、不在の存在への記憶、これから手放していくという行為に着目した新作を取り掛かっているという話をしてくれた。

各人が着目するキーワードなどを比較しながら、考えることができる会だった。

210508-501.jpg
210508-502.jpg
リン・チャーチル
210508-506.jpg
210508-507.jpg
210508-508.jpg
秋山夏海
210508-510.jpg
210508-512.jpg
金子未弥
210508-516.jpg
210508-520.jpg
新江千代
210508-522.jpg