2021年5月14日 @BankART KAIKO
U35第2期は、公募選出による3名の個展。金子未弥氏は、黄金町バザール2020で公開制作した《未発見の小惑星観測所》を基に作品を展開。今回は単管、標識、ガードレールなど、街の中にある素材を加工し、《都市計画》と称したインスタレーションを作成した。選ばれた言葉と語られた物語、関係づけられた地図を感じ取ってほしい。
木下理子氏は、一昨年武蔵美大学院の油画コースを修了。青と白のモノクロームの抽象的な平面作品が並ぶ。これらの作品は、感光紙に紐や綿などを置くことで、光が多く当たる部分は青く、影の部分が白くなるというサイアノタイプ(日光写真)という技法が用いられている。写真にも近い技法だが、木下氏はこの作品をドローイング(線画)と称している。その他、展示空間には、アルミホイルや銅線などで作られた、空調、人の動きで、ゆらめく線画のようなオブジェクトが点在する。
敷地理氏は、東京芸大大学院メディア映像修了という経歴だが、学生時代からパフォーマンスを主に活動している作家だ。今回は、「パフォーマンスをどう展示するか」に挑んでいる。会場では、ダイエットマシーンが無造作に5台並べられ、その上には日常の衣服やゴミがブルブルと揺れている。ときおり敷地本人もマシーンにのり、ほかの物と同じように揺れ、声をゆらし、揺れながら飲むカフェオレがこぼれ落ちる様子に観客は笑う。他、イヤフォンから流れる指示に従い、スマホを操作して閲覧する作品、見る角度で像が変わるレンチキュラー作品なども。鑑賞者自体が振動させられる装置のような空間だった。
金子未弥
金子未弥 展示の様子
木下理子
木下理子 展示の様子
敷地 理
敷地 理 展示の様子・パフォーマンス
オープニングの様子