Yokohama Re:Portside Project Vol.1 片岡純也+岩竹理恵ワークショップ1「リ・モーション — 日常のかけらで動きをつくる」2026年2月7日(土)8日(日)開催

現在、横浜クリエーションスクエア(YCS)アトリウムでは、「Yokohama Re:Portside Project Vol.1片岡純也+岩竹理恵」の作品が展示中です。この開催に併せて、アーティストお二人による日常や街に潜む動きや痕跡を再発見するワークショップが予定されていますが、第一弾として片岡純也による「リ・モーション – 日常のかけらで動きをつくる」が開催されました。

2月7日(土)と8日(日)は小雪舞い散る中、まずはYCSアトリウムで集合し、作品を見ながらアーティストからの説明を聴きました。

ゆっくりと風を受けて緩やかに動いたり、かすかな振動で微妙なさざ波を表現する様子など、街のリサーチの中から現れた現象を再現したという片岡純也のキネティック作品は、「やさしい動き」で参加者を魅了しました。

瓶に付けられた赤いボタンを押すと風を起きネジが巻かれ動き出す作品には、アーティストが、実はさり気なくボタンを押してもらえるように取付けに苦心したという話を聞きながら、参加者も面白そうに何度もトライしていました。

カフェの前に設置された岩竹理恵の作品「測度空間 – Z軸の行方」は、二次元とも三次元とも見極めつかない不思議な空間構成が見飽きません。貼り込まれた作品と元からの壁と見分けがつかない不思議が造形をどのように制作されたのか作者に語っていただきました。

アトリウムで作品を見た後ワークショップ会場に移動して、イメージを膨らませつつ、まずは素材を選びます。
広げられた材質も形も色も様々な素材は、新潟の浜辺で集められた物。日本海での漂着物らしい数々です。このワークショップの数日前に、アーティストが集めてきたと聞いて、手に取る参加者の興味も一層増したようでした。
素材を取付ける木の枝と台座も選び、枝を竹ひごで台座に取付けます。枝と竹ひごを固定しないでゆるゆる回転するようにそっと置くのがポイントです。選んだ素材を枝のあちこちにぶら下げたり巻き付けたりと熱心に取組み始めて20分経つ頃には、指でそっとはじいて回り具体を確かめたり、あと一つと素材を足した途端にバランスを崩して倒れた作品に思わず声が出たりと、思い思いの制作が続きました。
アーティストからのもう少し竹ひごを短くすると回りやすいかもなど、丁寧な指導受けながら、それぞれの作品が完成しました。

最後に、参加者おひとりおひとりから、何をイメージしたのかとか、どうしてその素材をつかったのか、など作品制作の意図を発表していただきました。出来るだけ多くの素材を使おうとされた方、色合いにこだわった方、最初に手に取った素材ボールを活かしてバランス良く降り下げて綺麗に回転する作品を制作された方などなど、皆さんそれぞれの工夫が凝らされた作品となりました。

参加者からは「手を動かすのは不安だったが、やれば出来たし楽しい」。「自分の作品はちょっとしか動かないが、でも面白かった。」参加者でポートサイドの街にお住まいの方からは、「制作してみて楽しかった。こんな風に動く遊具が公園にもあると良い。自分たちが制作した遊具があると公園がもっと親しみやすくなると思う。」とご意見もいただきました。

今週末2月14日(土)15日(日)は、第二弾として岩竹理恵さんのワークショップ2「リ・ポストサイド— 街と手の往復書簡」が開催されます。
歩く、触れる、切り貼りする、路地や建物の表面をフロッタージュで採集して、紙片をコラージュして切手を貼り、ポストへ。ポートサイドの街を再発見するワークショップです。
ぜひ、ご参加ください!
お申し込みはこちらへ → https://yokohamareportsideworkshop.peatix.com/

Yokohama Re:Portside Project Vol.1 片岡純也+岩竹理恵 展示開催中

「Yokohama Re:Portside Project」(ヨコハマ リ・ポートサイド プロジェクト)は、再開発から30年を迎えたヨコハマポートサイド地区を、現代の視点からあらためて捉え直し、新たな街の姿を見出していこうとするものです。
第一弾となる今回は、アーティストユニット「片岡純也+岩竹理恵」が、ポートサイドの街をフィールドワークし、リサーチをもとに作品を制作・展示します。
フィールドワークの過程では、彼ら独自のリサーチに加え、ゲスト講師を迎えての「ポートサイドを学ぶツアー」など、地域の人々との対話と交流を重ねながら、多角的な視点から創作を深めていきました。

※ フィールドワークの様子(過去ブログより)
2025年8月20日
「Yokohama Re:Portside Project」(ヨコハマ リ・ポートサイド プロジェクト)リサーチツアー


会場のYCS(横浜クリエーションスクエア)のアトリウム空間は、フリースペースのようになっていて、平日はカフェも営業しており、仕事や打ち合わせ、休憩や勉強をする人たちによく利用されています。作品を通して皆さんの目に映るヨコハマポートサイドの街は、果たしてどんな姿をしているでしょうか?

写真・映像:阪中隆文

【展示開催概要】
展示期間:2025年12月12日(金)~2026年3月15日(日)
開館時間:6:30~20:00(日祝は19:00まで)
会場:横浜クリエーションスクエア(YCS)アトリウム(横浜市神奈川区栄町5-1)
入場無料
主催:ヨコハマポートサイド街づくり協議会
運営協力・お問い合わせ: BankART1929
info@bankart1929.com tel.045-663-2812
※この事業は、公益信託ヨコハマポートサイドまちづくりトラスト(アート&デザイン部門)の助成を受けて実施します

また、2月には片岡岩竹のお二人による日常や街に潜む動きや痕跡を再発見するワークショップも開催します。こちらもあわせてご参加ください。

🟦ワークショップ1「リ・モーション — 日常のかけらで動きをつくる」
2026年2月7日(土)13:00受付開始/13:30〜15:30
2026年2月8日(日)13:00受付開始/13:30〜15:30

🟦ワークショップ2「リ・ポストサイド— 街と手の往復書簡」
2026年2月14日(土) 13:00受付開始/13:30〜15:30
2026年2月15日(日) 13:00受付開始/13:30〜15:30

場所:ホライゾン学園コミュニティセンター(横浜市神奈川区大野町1-24)
参加費(材料費込):1000円(ヨコハマポートサイド地区在住在学在勤の方は500円)
定員:各回10名  要予約

「Yokohama Re:Portside Project」(ヨコハマ リ・ポートサイド プロジェクト)リサーチツアー

2025年7月5日、6日、13日と「Yokohama Re:Portside Project」(ヨコハマ リ・ポートサイド プロジェクト)のリサーチツアーが行われました。

再開発から30年を迎えたヨコハマポートサイド地区を、現代の視点からあらためて捉え直し、新たな街の姿を見出していこうとするこのプロジェクト、まずは、アーティストユニット「片岡純也+岩竹理恵」が、ポートサイドの街をフィールドワークし、リサーチをもとに作品を制作・展示するものですが、彼ら独自のリサーチに加えて、別にコンダクターを迎え、様々な視点から地区内をめぐりながら、作品の構想を深めるものです。

このフィールドワーク(ツアー)には一般の方々も参加し、作品が生み出される過程の一部を共有できるものとなっています。

基本的には、片岡+岩竹とコンダクターのやりとりとなりますが、参加者とのやりとりも生まれ、各回内容の濃い充実した時間となりました。

7月5日は、村田真さん(美術ジャーナリスト/画家)による「パブリックアートを通して見る時代背景」です。

ヨコハマポートサイド地区内のパブリックアートを巡るツアーはこれまでも何度か行われていますが、今回はパブリックアート作品そのものを紹介するということではなく、それが設置された背景や、街が出来てきた経緯、空間といったより広い視点からのお話になっていたと思います。

開発の初期に設置された、マイケル・グレイブスの壁画、エットーレ・ソットサスの作品などに込められた思い、ナディム・カラムの軽やかな作品、気がつけば、圧倒的な迫力で迫る、菱山裕子の作品、そしてギャラリーロードに設置された、岡本敦生による旧三菱重工ドッグの石材を使った車止め、マンションに囲まれた空間にある作品、金港公園などをめぐりながら、開発にあたって、どういった意図を持ってそれらのものが設置されたか、現在のありようはどうかなどについてやりとりがありました。村田さんの「いろいろ考えて行くと、パブリックアートはどんどん丸くなってしまう」というのは、壊れたり、事故などの対応による、作品の外形的な変化に対しての発言でしたが、考えさせられるところです。

7月6日は長谷川浩己さん(オンサイト計画設計事務所)による「ポートサイド公園の楽しみ方」です。

地区内の水際線は、ポートサイド公園として整備され、憩いの場となっています。

この公園は、ヨコハマポートサイド地区の「アート&デザイン」というテーマにふさわしいものとして、コンペティションにより計画が選定されたものですが、そのデザインをしたのが長谷川氏です。

コンペならではといってもよいユニークな計画で、水際の葦原の再生や、うねりのある地面のデザイン、象徴的なファニチュアなどにより構成され、隣接する建物空間と一体的になるよう、意図されています。

ツアーでは公園をめぐりながら、特徴的なデザインが生まれた経緯や、建物との関係やスケール感のこと、再生された葦原に生まれた生態系や、デッキの使われ方、整備時期やオーナーにより隣接建物との状態が異なっていることなど、様々な点でお話がありました。

この公園だけというわけではありませんが、よく見られるベンチの寝転び防止の構造などについても、なぜこういうことをするのかについてやりとりがありました。(後付けで付加されてしまったそうです)管理と空間の豊かさ等とのバランス、なかなか難しい問題です。

7月15日は、秋元康幸さん(横浜市立大学客員教授、 BankART1929 副代表)により、「ポートサイドの街はどう生まれたか」について行われました。

歴史的な経緯等も踏まえ、充分にレクチュアしたのち、これまであまり回らなかった市場との境界部、神奈川公園などを巡り、理解を深めるものとなりました。

神奈川公園は現在工事中ですが、仮囲いに描かれたキム・ガウンさんの壁画の補修が終わった直後、良い状態で鑑賞できました。

この公園は、横浜市の公園のなかでも古い時代に出来たもので、かつては公園内の道路側に「神奈川会館」というモダンな建物がありました、現在も公園内には集会所がありますが、それも、そういった建物がった名残かもしれないなど、当時の様子に思いをはせながら、ツアーを行いました。

横浜駅、市場、幹線道路の狭間にあるエリアであるポートサイドの街は、かつて海沿いを通る街道に近い、歴史的にも面白い場所です。現在のモダンな街だけではなく、周辺も含め、歴史的な視点で街を見ていくのも、大変興味深いと思います。

神奈川公園内工事仮囲い壁画が地域に愛されています。 ~キム・ガウンさん、令和6年度地域再生まちづくり貢献者横浜市長表彰おめでとうございます!

神奈川公園では下水道整備に伴う工事が開始される中、一年前(2024年)の7月から12月に工事仮囲いにキム・ガウンさんが壁画を描いていた姿は、地域の皆さんにも良く知られています。夏の陽射しや秋の蚊の襲来をくぐり抜けて完成した全長68.5m高さ3.5mの壁画です。制作にはボランティアにも参加して仕上げていただきました。公園で行われた地域のおまつりでは、おまつりに参加した方々から、みんなに向けたメッセージを書き込んでいただくなど大いに盛り上がりました。

そして、先日(2025年5月23日)、ガウンさんが制作の拠点とする「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」総会で、令和6年度地域再生まちづくり貢献者として横浜市長表彰が授与されました。受賞理由は、初音町、黄金町、日ノ出町におけるアート活動を通じて地域再生への貢献が多大であったことですが、地域を担当する横浜市役所都市整備局の方の祝辞では、ガウンさんのアート活動が他地域でも広がっていること、特に神奈川公園内の工事仮囲いでの壁画の素晴らしさやそこから感じられる物語性には、見た方の心を打つものがあり受賞理由にも繋がっていると言葉をいただきました。

撮影:劉書佳

撮影:劉書佳


昨年12月の壁画完成時には神奈川区長にご来訪いただき、夏まつりの時に書き込んで下さったメッセージや子どもたちがワークショップで制作したハート型パネルをご覧になりながら、ガウンさんの制作活動と現場のサポートを慰労して下さいました。

工事完了は概ね7年後ですが、この壁画は工事期間中残る予定です。これからも地域の皆さんに見守られ愛される存在であり続けます。

文責:大蔭直子