金曜日の「ヒートアイランドから街を学ぶ」の講座では、名古屋工業大学の石松丈佳さんと横浜国立大学の田中稲子さんをゲストに、普段見えない「風」や「湿度」を「見える化」するための道具作りを行いました。
ひとつは「牛乳魚」。牛乳パックと利用済みの乾電池を使った、名前の通り、魚のように風にそって動くツールです。みんなで完成させた後は、牛乳魚を外に並べて風の帯を観測。風が吹くと同じ方向になびきます。身近なもので、しかも簡単な仕組みだけれど、感度が良くてみなさん驚いていました。
もうひとつは「湿度計だゾウ」。セロファンやアルミの特質を活かして、おもしろいキッドを作成しました。
みんなでワイワイと、環境を考えながら作品づくりができたワークショップでした。
月: 2010年4月
BankART School その2
スクールを引き続き、ご紹介します。
木曜日は大野慶人さんの「生活と舞踏」。舞踏のワークショップです。一つ一つの動きを言葉と動きで丁寧に教えて頂きます。流れる音楽に、感じるままに体を動かしていきます。受講生も汗を流して参加していました。
金曜日は、名古屋工業大学大学院教授の堀越哲美さんによる「ヒートアイランドから街を学ぶ」。ヒートアイランドを様々な角度から分析、体感していきます。先日は、BankART studio NYKの館内で天井や床、壁の表面温度を計ったり、サーモグラフィーを使っての実測を行いました。みなさん夢中になって実測。
言葉はよく耳にするけれど、ヒートアイランドって実は一体何なのか?を解きほぐしていきます。
土曜日、今福龍太さんの「〈スキャンダル〉考 ー アートと批評の政治学」では、批評家スーザン・ソンタグについて追究していく講座。ソンタグに関わるたくさんの資料を元に、書物、映画、写真等の視点から見つめていきます。
授業の途中経過も随時ブログでご報告していきます。
BankART School4-5月期スタート
BankARTがスタートして以来、日曜日を除くほとんど毎日開講しているスクールも7年目に突入しました。
今期は、これまでの人気講座はもちろんですが、新たなプロジェクトへ向けて始まった講座もあります。
月曜日は「朝鮮通信使への招待」。講師に仲尾宏さんをお迎えして、ゲストを交えながらの8回となります。この講座は、7月から始まる瀬戸内国際芸術祭2010へ向けたBankARTのプロジェクトの一環としてスタートしました。学校で習ってきた歴史だけではなく、朝鮮半島とのやり取りの中で生まれた文化や交流、裏エピソードなど、細かに解説して頂きます。
火曜日は岩渕潤子さんによる、「拡張する芸術のプラットフォーム」。今話題のtwitterやfacebookといったソーシャルメディアのアートサイトでの活用事例の紹介や、お金のかからない広報を伝授してもらいます。
もちろん、美術館のあり方など、美術館論の講義もあり。
水曜日は、現在スタジオインしている作家によるアーティストトーク。毎週PUBにてドリンクを片手に開催されるトークです。作品の紹介や滞在期間中にどんな活動をする予定かなど、話して頂きます。
こちらは参加無料の講座ですので、是非飲みながらご参加ください。
後半へ続く。
Yu-Cheng CHOU(周 育正)「Residency Goods」展
台北市・横浜市アーティスト交流プログラム2009滞在成果発表として、2月から滞在していたYu-Cheng CHOU(周 育正)さんの「Residency Goods」展が始まりました。初日オープニングパーティは、4月からスタジオインしている4-5月期レジデントアーティストのウェルカムパーティと合同開催となり、たくさんの方々がご参加されました。
作品のテーマは、自分の置かれている環境をテーマとしていくシリーズで、今回はまさに「アーティストインレジデンス」がテーマ。台北に生まれ、パリで8年学び、横浜に2ヶ月半滞在してきたアーティストとしての彼の、制作のスタンスとその在り方を探る作品でもあります。スタジオ内でのインスタレーションと、40ページの本が今回の作品です。