アーティストトーク渡辺 篤 「ART BOOK/ART GOODS」 関連イベント 2019年7月13日

ART BOOK/ART GOODS関連の催しとして、出品作家の渡辺 篤氏が企画したイベントを開催した。
渡辺氏は、大学時から社会においてタブーとして扱われうる様々な問題や状況をテーマに、批評的な作品を発表。その中でも近年は、自らのひきこもり経験をきっかけとした作品を多く発表している。
一畳サイズのコンクリートの箱に作家本人を七日間密閉し、最終日に脱出するパフォーマンス《七日間の死》は、今年3月にR16スタジオで開催した展覧会でも行い、多くの評判を得た。
ひきこもりの新たな当事者発信の形を模索する方法として立ち上げた「アイムヒア プロジェクト」と称する企画では、ひきこもり生活を送る人々が自らで撮影した部屋の写真を集い、編集したものを写真集で刊行した(2018年度)。写真集を中心に彼の真摯な活動は、NHKの国際ニュースなど、多くのメディアに取り上げられ、現在海外からも注目を浴びている。
彼は横浜との縁も深く、黄金町バザール2016年に参加、同年からアーツコミッションヨコハマの助成を採択、2018年からはR16スタジオに居を構え活動中である。

トークでは、近年の作家活動の制作背景や、昨今の社会的な関心の高まっているひきこもりにまつわる問題の事情についてお話いただいた。聞き手は、今回ART BOOK/ART GOODS出品作家である松山賢氏が引き受けてくださった。トークは白熱し、2次会はR16スタジオに移動し行われた。

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渡辺 篤氏

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松山 賢氏

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ART BOOK/ART GOODS @BankART Stationスタート 2019年7月5日

BankART Stationで、「アートブック/アートグッズ」の催しが始まった。
作家、クリエイター、ギャラリーなどから、書籍や作品を提供してもらい展示販売するプログラムだ。約200人、1000点の作品が集まり、初日早々、既に十点以上の作品が売れた。これまでも、映像や書籍では、こういった販売も行う催しは行ったことがあるが、美術作品も含むものは、今回がBankARTとしてははじめてだ。今後こういった催しを続けるかどうかは未定だが、ものがうれるというのは、やはり単純に嬉しくなるもんだという実感をもつことができた。

私たちの仕事のひとつ、創造界隈の形成はクリエイターの誘致でとまってはいけない。クリエイターが、ここで食べていけるような構造をつくることだ。これまで販売行為を控えていたのは、ギャラリーの邪魔をしてはいけないと考えてきたからだが、16年を経過して(まってみて)、ものをつくる人は多いけどもものを売る人(ものを買う人)は増えていないという現実にさらされている。
アーティストがものをつくりつづけていくためにも私たちは、作品(商品)を売って、流通させていかねばならない。売る力が備わっているとは思えない私たちが、禁断の果実のプログラムに着手することになったのはこうした由縁である。

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