【多様な地図で巡るツアー】電子音響ピープルプロジェクト・ラウンジライブ@BankART Live 7

BankART実験広報部の福谷です。

5/26に電子音響ピープルのラウンジライブがありました。

4月にBankART Stationで実施したワークショップで録音した音で作られた曲の初演が、これまでに作られてきた曲の再演とともに約2時間に渡って行われました。

電子音響ピープルのLife7の作品と同様に、どの音楽もワークショップ参加者の持参したものの音や街の環境音などをリミックスした唯一無二の作品となっています!

【多様な地図で巡るツアー】BankARTスタッフによる屋外展示作品を巡るツアー #1 横浜シンフォステージ見学とキング軸のアート鑑賞ツアー

こんにちは!
BankART実験広報部の福谷です。
本日はBankART Life7の屋外展示作品を巡るツアーに参加してきました。

今回なんと特別に完成したばかりの高層ビル「横浜シンフォステージ」にも上れるということで!天気も快晴でとてもワクワクです!☀️☀️☀️

参加費も無料のため、今日は参加人数も多いです。
そろそろLife7の会期も終わり近いので、改めて作品もじっくり見ていきたいと思います👀

今日見ていくのは主に屋外にある鷹野隆大さんの作品とウー・チェンイーさんの作品です。
BankART Stationに集合し、まずは通路の鷹野さんの作品を見ていきます。新高島駅の通路約50mほどの長さを埋める影の写真は、通る人の目に必ず入るインパクトがあります。

そのままエスカレーターを上がるとチェンさんの作品があります。チェンさんの作品はグランモールが繋がったぞ!という意味もあり別々のビルの境に展示されています。
下から見ても上から見ても大丈夫なように三層構造になっていて、どちらから見ても綺麗なのでぜひ両方から見てみてください✨触ることもできます!

チェンさんの作品の先の道、キング軸を歩いていくと工事用仮囲いに鷹野さんの作品があります。なんと地下の写真のサイズの二倍です!
ツアー時はお昼でしたが、夕方に見ると自分の影とレイヤーが重なってとても綺麗とのことなのでぜひ夕方に見てみてください🌆

作品を見終わった後は建設会社大林組の方が合流し、シンフォステージや周辺の設計について説明してくれました。

シンフォステージの真下にある白いベンチは、元々はこの場所が海だったということでクジラを元にしたデザインで、塗料も捨てる貝殻で作られているんだそうです🐳
周辺の広場のデザインも、この場所を利用する人のことを考えた様々な工夫がされていて感心しました。

広場を見た後はいざシンフォステージへ!
今回はウエストタワーを見学します。
3階入ってすぐの壁には早速パブリックアートが🎨

田島美加さんの作品で、この建物の建設中の掘削音を録音して織物にしてるんだそうです。

その後は一気に24階へ。

まだ企業さんの移転が済んでいないため、オフィスには何もないですがとても広く、全方面ガラス張りになっているので横浜を一望できます!

設計にも工夫があり、太陽光がどのくらい入るかシミュレーションして西日が強いところは二重窓になっていたり、ブラインドも自動で下ろすことができるそうです。すごい…。

私は横浜に関わり始めてまもないので新鮮な体験でしたが、ツアー参加者からは「感慨深いな」「変わったな」という声も聞こえました。

シンフォステージには街とこの建物の親和性や、ここで働いてる人に新たな価値観や場所を提供するという意味も込められているみたいです。

変わっていく街がより良いものになるといいなと思います。

BankART Life7、会期も残りわずかとなりました!
パスポートをお持ちの方は会期中何度でも見ることができますので、ぜひ何度でもお立ち寄りくださいませ🕺
初めての方もまだまだお待ちしております!

【多様な地図で巡るツアー】アーティストmeetsビジネスパーソン「 みなとみらいクリエイティブツアー」 #3[野村総合研究所 横浜総合センター]

こんにちは!
BankART実験広報部の福谷です。
今回はNRI 野村総合研究所に行ってまいりました🧪

みなとみらいクリエイティブツアーも今回で三回目!
このツアーは、BankART Stationの近くで働いている、みなとみらい21地区のクリエーターを訪ねるもので、アーティストとビジネスパーソンが交流し、お互いに新しい視点を知ることができる素敵な機会です✨
NRIの施設はどんななのか、そもそも何を研究しているのか⁉️
謎の研究所に潜入します!

今回参加者は10名と少数、入館に身分証明も必要という厳重体制です。参加者には別のツアーでもお会いした方やクリエイティブCOOPの作家さんなどもいらっしゃったりと意外と顔見知りが😲

早速建物内を見学です!👀
16階から12階はどの階にも中央におしゃれなラウンジがあります。階によって設備が違い、大きなスクリーンやスピーカーがあり映像や音楽鑑賞ができる階やアロマオイルや植物で五感を刺激できる階、いろんな本を取り揃えたライブラリースペースのある階など様々です。

テーブルの上にはかわいいペーパークラフトの作品も!障がい者雇用の方の作品だそうです。

このスペースはコロナ後から活気のあるオフィスを取り戻すため、居心地がよく過ごしやすいオフィスを目指して作られているそうで🤔
こんなスペースが職場にあったら私は1日外に出られないですね…。

おしゃれなオフィスを見た後は3階のカフェスペースでトークとディスカッションタイムです!各々カフェで飲み物を購入して着席します。
NRIの人によると、実際の業務内容は研究というより課題をITで解決するSEやIT系の仕事がメインとのこと。ただ、問題を見つけるところから解決するシステムを生み出すところまで、総合的にやっているらしいです。

ディスカッションは「”新しい価値を創造するために必要なこと、足りてないこと”ってなんだと思いますか?」というテーマで、昔からアートを見てきた人の視点、アーティストや美術関係者の視点、アートに関係なく働いている人の視点、色々な意見を聞くことができて勉強になりました👓

余談ですがこのCAFE1965(NRIの創業年が1965年とのこと)で流れているレコードは全て65年のものらしく、社員さんも知らなかった人がいたようです(笑)。17時になるとバーもオープンし、ビリヤードやテーブルサッカーで遊ぶこともできます…!

今回アート関係者の方の参加が多く、少人数なこともあり参加者同士よく話している姿が見られました。
本当に綺麗なオフィスで、ここで働きたくなったという意見も!
NRIの方々もツアー参加者のお話を真剣に聞かれていて、お互いに刺激的な時間だったんじゃないかなと思います。
みなさん楽しそうだったので、こういう機会はもっと増えたらいいかもしれません😊

【多様な地図で巡るツアー】クリエイターが集まる街、関内外を訪ねるツアー : 関内外OPEN!16幹事 小林璃代子さん、原﨑寛明さん(CHA)

「関内外」とはどこでしょうか?
1859年(安政6)年に横浜は開港し、諸外国との商取引などが始まりました。伊勢佐木町から馬車道に向かうあたりには関所が設けられ、この関所の内側、現在のJR関内駅の線路より海寄りを「関内」と呼称します。この「関内」と線路より外側の大岡川と中村川に囲まれた首都高速神奈川3号線の花ノ木あたりまでの場所(吉田新田)やその周辺を合わせて「関内外」(関内・関外地区)です。

「関内・関外地区位置図」横浜市都市整備局WEBから転載

このエリアには、街の記憶を物語る銀行建築など歴史的建造物が存在し、戦後復興の中で建てられた防火帯建築が現役で使われるなど、高層建築が林立するみなとみらいとは、様相が異なる街並みとなっています。そして、防火帯建築では、アーテイストやクリエイターがリノベーションしスタジオやオフィスを構えて、互いの持ち味を活かした協働作業に結び付く場が形成され、創造的な活動が繰り広げられているのです。なぜ、「関内外」にクリエイターが集まり、何を起きているのか。今回のツアーでは、関内外に集まったクリエイターの活動を知ってもらうため、2009年に始まった「関内外 OPEN!」を背景に、実際に何カ所かのオフィスやスタジオをお訪ねし、「クリエイターが集まる街」の魅力を体感しました。

集合は泰生ビルの一階。防火帯建築でクリエイターが集まるきっかけとなったビルです。関内外OPEN!16幹事小林璃代子さんのツアー趣旨を皮切りに、創造都市やBankART Life7について、BankART1929秋元副代表が説明し、次に芸術文化振興財団 アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)の小原光洋さんが「関内外OPEN!」について、経緯と現状をスライドで説明しました。

「関内外OPEN!」では、普段見ることが出来ない仕事場を見学できる「オープンスタジオ」や公共空間を活用した「道路のパークフェス」など、クリエイターと交流できる機会を創出してきました。

いつも会場となるこの場所も、あちらこちらに手が加えられたリノベーション物件です。

リノベーションを手掛けたオンデザイン岩穴口さんに案内されオフィスに伺いました。外から見えづらいクリエイターの様子を、通りを歩く人たちにも感じ取ってもらえるよう、まるでカフェのような雰囲気を醸し出す一階。空間に植物を繁茂させたり、意外な隙間から上下動が可能な場所があったりと、無機質で画一的なオフィスとは異なる有機的な匂いすら感じさせる設えの二階。

同じ二階のさくらWORKSはシェアスタジオです。運営者(横浜コミュニテイ・ラボ)の姜美宇さんから、開設から10年を経て、コロナ過での低迷期を切り抜けた様子、イス一つでもOKな入居方法など、単なる場所貸しだけでなく、人と人とのつながりから生まれるプロジェクトを発展させる場を創設するなど、ユニークな活動の様子を伺いました。整然とデスクが並ぶオフィスではなく、まるで迷路のような部屋の有様が、意外に落ち着ける空間となっているのです。そして屋上では、菜園の実験を続けている現場も見せていただき、活動の奥行を感じました。

この泰生ビルが面する通りは「さくら通り」ですが、通りに面する泰生ポーチや古民家・さくらHOUSEなど、この一角を中心として、多数のクリエイターによる多彩な活動が展開されています。そして、今年の「関内外OPEN!16」では、さくら通りがメイン会場になる予定とのこと。期待が膨らみます。

次に、同じく防火帯建築の常盤ビルへ移動し、オフィスを構える入居者の原崎寛明さん(CHA)岡部さん(voids)から、入居のきっかけやリノベーションについて伺いました。

元々の部屋は住宅仕様でした。CHA(3階201-202)では二戸一に壁を抜いて、オフィス内で行き来が出来る一体の空間を創り出しています。元は泰生ポーチにオフィスがあったのですが、手狭になったことから移転先を探してたところ、こちらは、一部屋では狭いものの、隣り合わせで構造的に壁を抜くことが出来る部屋を選んで借りられたこと、家主がリノベーションに理解を示してくれたことが、オフィスを構える動機付けでもあり大きな要因だったとのことです。

続いて、voids EDIT(3階205)とvoids DESIGN(3階210)の二つのオフィスにお邪魔しました。こちらのリノベはCHAが手掛けられたのですが、CHAのオフィスでは床から上がってくる冷気に難儀した経験を踏まえて、voids EDITでは床に断熱材を仕込んだり、水回りの工夫を施し天井にパイプを這わせて、緑を吊り下げられる仕掛けを造ったり、快適さを向上させていました。voids DESIGNでは、作業と打合せスペースを分けるため室内を区切る必要がある中、かっちり仕切る壁をあえて作らず、その代わりに金網状のカーテンを施し、それを開閉することで互いの視線は合わないが、閉塞感がない空間が創出されていました。このカーテンの素材はファッション界で活用されているもので、この後伺う予定のニブロールさんに相談して、カーテンとして作られたものだとのこと。

部屋を活用するサイドのニーズを丹念に聞き取り、思い切った手法と確かな技術で反映させたリノベーションは、入居者の満足度を高め、場所に対する思い入れを醸成することにつながります。リノベだからこそできたことのワクワクするような感覚が共有できるのではないでしょうか。

常盤ビルには、建築家やデザイナー、アーテイストが多く入居していています。実はこれは関内地区の特徴でもあります。このような環境の中で、リノベーションの際に相談し合あったり、雑談の機会を持つため、オフィスに自由に出入りできる雰囲気があるなど、通常の仕事だけでは生まれない多面的な関係性を、入居者同士で築き上げて来た様子が伺われました。

入居者自身が企画して屋上で交流会を開くこともあるそうですが、更に住民同士の行き来を深めるため設けられた、4階(311)住民共有スペースで休憩しながら話を聞きました。このスペースは、家主さんと交渉して、居住賃貸をせず、入居者の交流を目的とした入居者による作品展示会やトークショーなどを企画しているそうです。今年の「関内外OPEN!」では、外向けの展開も検討中とのことです。

参加者の皆さんは、泰生ビルや常盤ビルに訪れたのは初めてという方も多く、狭い廊下や階段の様子や、あまり見る機会のないクリエイターの仕事場やリノベーションの工夫に声を上げたりと、興味津々でした。

「関内外」には、建築系のオフィスが多い傾向にあること、すなわちリノベーションが仕掛けやすい環境だということ(大家さんの理解は当然ですが)。規模的にも顔が見える関係を創りやすい、「村」っぽいところが良い。など、実態を語る言葉に参加者も納得されている雰囲気でした。

常盤ビルから関内駅方面に向かいインキュベーション施設のYOXO BOXに辿り着きます。残念ながらYOXO BOXは土日はお休みです。目の前の旧横浜市役所再開発現場と併せて秋元副代表から説明。重ねて小原さんからも、起業家支援を行うYOXO BOXや、G Innovation Hub YOKOHAMA、AGORA KGU KANNAI、そしてさくらWORKS<関内>と、シェアオフィスが集積していて、オフィスや新しい繋がりを求める起業家・スタートアップ企業も数多く集まっていること。だからこそ、「関内外OPEN!」は起業家・企業がデザイナーやアーティストと出会い交流を生み出す場を設けるなど、『クリエイターが集まる関内外』という街の特性を活かした取り組みにつなげることができると説明がありました。

ここから横浜スタジアムを左手にして線路の向こう側の「関外」に向かいます。ツアーの最終地点は守谷ビルに入居するスタジオニブロールです。代表の矢内原充志さんから、スタジオを構えた経緯や現在の活動の様子など伺いました。

スタジオは、グラフィック・プロダクト・建築・ランドスケープ・インテリアなど幅広いクリエイターが創作活動をするコワーキングスペースとなっていることが特徴です。ファッションという領域を超え、矢内原さん自身、過日手掛けられたパブリックアートテーブルのように、街づくりにも関連する動きやブランデイングを手掛けていることなど話していただきました。

元々のスタジオは、現在の新港ふ頭客船ターミナルハンマーヘッドの場所に、2008年トリエンナーレ会場としてあった新港ピアを前身とする「ハンマーヘッドスタジオ 新・港区」(シェアスタジオ)からスタートして山下町を経て、この場所に移転したとのこと。

観光客や企業会社員に溢れた関内地区を目前として、スタジオが隣接するエリアは、横浜港の発展とともにあった日雇い労働者が多く生活を営んだ寿町です。この寿町を舞台として2017年に開催された「KOTOBUKI INSIDE project」の話を伺いました。これは、超高齢化や複雑な境遇にある住民たちと対話し好みや昔の話を聞きながらその多様性に着目し、それぞれの人にマッチした洋服を着てもらいポートレイト写真とした写真展です。スタジオ移転をきっかけに、この街にアプローチすることの必要性を感じたことが、この企画に取り組んだ動機だったそうです。「関内」から「関外」へ、様子を違えた場所に移転し、双方を見通す立ち位置を強く意識されているのが印象的でした。

2時間少々の行程で参加者からは、「自分が住んでいるまちでこんなに面白い場所があることは知らなかった」「クリエイターがまちや居住者同士で馴染んでいるのが興味深い、このような関係があるから新しいものが生み出されることに納得した」「オフィスを開放してくれるのはすごいこと」といった声が聞かれました。
コンダクターの小林さんやACYの小原さんからは、今年の関内外の予告もたっぷりしていただきました。都市に棲むクリエイターやアーテイストの活動に触れる絶好の機会である「関内外OPEN!」での再訪につながることを期待しています。

皆さん、11月3日「関内外OPEN! 16」で、またお会いしましょう!

関内外OPEN!16幹事小林璃代子さん撮影
関内外OPEN!16幹事小林璃代子さん撮影

文章・写真(撮影者記載以外) BankART1929スタッフ 大蔭直子

【多様な地図で巡るツアー】身ひとつで生きる~奥能登アートクラフト トークイベント「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」

BankART実験広報部 劉が書いています✍

BankART Life7に作品を展示している奥能登アートクラフトのトークイベント「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」に参加しました✨

今回のトークイベントは、「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」と題して小林晴夫(blanClass)さんの進行の元、今瀬風韻さん、加藤修央さん、高畑圭介さん、萩のゆきさん、山田睦美さんの皆様の話を聞き、より作品に込められた思いや災害後の作品に対する見方の変化を知ることができました。

トークイベントでそれぞれの作家の話から印象的と思ったところについて書いていこうと思います。✍

加藤修央さん(漆作家)の話では、その住んでいる場所についてのリアルな話をたくさん聞くことができ、奥能登をより知ることができ面白かったです。話の中では、20年後には職人たちは減っていくと言われていて、災害がそれを前倒しにしたとおしゃっていた際に不思議な気持ちになりました。

今瀬風韻さん(輪島塗下地職人)の話では、東輪島塗は分業制で完成までには多くの職人がかかわっているという話から災害により、職人が減ってしまった現状を知りました。そのことから、後悔しないように関わっていきたいという思い、やりたいことをしていく、これから伝えてくれる人を育てていく、制作を伝える、やりたいことをする、作ること、学ぶことを守るきっかけになっているのを感じました。

山田睦美さん(珠洲燒作家)の話では、被災した当時の風景や感情が伝わり、大まかな囲った言葉ではなく、当事者が感じたものを感じることができました。その中で、ポジティブな言葉が嫌いになる、まだ頑張らなきゃいけないのか、という感情になり疲れてしまうという言葉がとても印象的に感じました。この言葉から山田さんの感じた辛さが伝わりました。

高畑圭介さん(レザークラフト作家)の話では、悲しいことがたくさんあったが、それをプラスにするために制作する。プラスに見せれるように作っていく。生きていることがもう財産であり、プラスを作っていくという思いと言葉から力を感じました。全てが当たり前ではなく、何事も大切にしていきたいと感じました。

萩のゆきさん(の菓子研究所)の話では、屋根の瓦が崩れた途端にいらないもの、ダメなものになってしまう、ということの不思議さを語らせていました。また、大切なものを失った反面、本当に必要ではないものたちにも囲まれて生活していたということに気付き、断捨離になるきっかけになり、気楽になった。ものを求めなくなり執着が減ったということから、このような見方があることに驚き、実際に被害を経験した後には感じるものが違うのだということをあらためて感じました。

トークイベントでは、作家さんが作品に対する思いや考え方を詳しく知り、自分がなにかを始めるきっかけになったり、自分の知らないものを知るきっかけになると思うので、ぜひ機会があれば次のイベントに参加してみてください✨

以上私、実験広報部の劉が印象的に感じたことでした。

【多様な地図で巡るツアー】電子音響ピープルプロジェクト Sound Scape & Sound Montage workshop @ BankART Station

電子音響音楽の創出に関わる満足感高いワークショップ、今回は「BankART Life7」ツアー担当の桑原がレポートします。

今回のツアーはワークショップ主体で、日常、聞き流している様々な「音」を改めて認識し、「音」に関する感覚を高めていくフェーズと、「音」自体を作り出し、それを素材に「音楽」を作り出していくフェーズに分かれています。13時から17時までとなかなか長丁場。前半の部分はともかく、後半はどのように進むのか、興味津々です。

さて、始まりました。

最初に電子音響音楽や環境音についてのレクチュアを少し。電子音響音楽は、「なんの音か」より「どんな音か」を中心に音を味わうもの、「音が出ているからには、その原因となることが目に見える形で起こっているはず、それと音を一体化して感じる」ということなのだというお話。この後、マリー・シェーファー(カナダを代表する現代音楽の作曲家。サウンドスケープの提唱者)の本「世界の調律」で述べられていることや、ロバート・カーソンの「46年目の光」のエピソードなども交えての説明は、これから「音を聴く」ことに関しての意識を高めてくれました。

その後、記録用のシートを受け取って外へ出かけます。BankART Stationの前の通路、外の広場、歩道橋の上などで耳を澄ませ、どんな音が聞こえてくるのかを記録していきます。

意外に難しかったのは、最後に歩道橋の上で行った、「どんな音が・どんな順番で・どっちから」聞こえてくるかを記録して行くというもの、3つの要素をどのように記録するかを考えながら書いていくのが思いの外大変でした。

その後、戻って、各参加者が聞こえた音を発表していきます。自分がそのとき聞こえていなかった音を記録している人がいたりして、はっとします。記録の仕方もいくつかあって、例えば「こどもの話し声」、「エスカレーターの音」といった記録の仕方もあれば、「ブーン」「コツコツ」「ドンッ」といった、いわゆるオノマトペ的なものもあり、そういった面でも、それぞれとらえ方が異なるのだなと人との違いを再認識しました。

そうやって「音」に対する感性を高めたあと、休憩を挟んで、いよいよ、「音」を創り、それを紡いでいくという作業になります。

今回は、あらかじめ何か音を出すものを各自持ってくるということで、各人、いろいろ持ってきています。ペットボトル、ネックレス、ホッピーの瓶とバリエーション豊か、柴山氏は「オイルが少し残る缶の中に小石のようなものを一つ入れた」という品で、少し遅れて「コトン」と落ちる感じの音が気に入っているとのこと。参加者は最初に名前を言ってから、持ってきたものを音素材として録音していきます。

全員が録り終えたら、各自に用意されたパソコンでその音を材料に15秒ほどのフレーズを創っていきます。利用するのはAudacityというサウンド編集ソフト、基本的な編集は易しい操作でできるもので、初めてでしたが割とすんなり操作できました。

しかし、操作は出来るものの、意図したようなフレーズを創るのが難しい。これまでいわゆる「打ち込み」作業は少し経験があるものの、「ガイドのリズム無し」、「そもそも素材の長さや音程がない」もので、「こんな感じにしたい」というものに近づけるのがむちゃくちゃ難しい。正直、できあがったものはイメージしたものとだいぶ違ってしまいました。しかしとにかくあっという間に時間が過ぎて、作業時間終了。作成したものを、みんなで聴く時間となりました。

音の使い方など、当たり前ですがみんな違って面白い。「フレーズ」というには少々抵抗があるけれど、こんな感じのものを創りたいのよ!という意図のようなものが伝わってきます。おまけに、柴山氏の「いやー、この音の使い方がいいですねー」とか「ここで、間があるのが表現を拡げてますねー」とかの絶妙な褒め方で、なんだか、「電子音響音楽創れちゃってる、俺~」みたいな気分になります。

長丁場でしたが、時間があっという間にすぎ、満足感高めでワークショップを終えました。今後、今回の音、フレーズを元に、編曲して、BankART Stationで行われるコンサートでお披露目となります。(5月26日(日)を予定)

今回参加してみて、「電子音響ピープルプロジェクト」が目指す「音楽の受け手としてではなく、少しヘンテコな音楽を自ら創るアーティストとして、共にその体験を楽しむこと」を、充分に感じられるツアーとなっていたことを改めて実感しました。

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー  今井しほか+大石一貴 「影を描く、影を送る」♯1 

馬車道、関内周辺から象の鼻パークまで、街を歩きながら2人が各ポイントで絵描くイメージを使って影送りしました。

空を見上げて像を浮かべるという行為が、自身の網膜・脳内で起きている残像現象ではあるけれど、なにか文脈が生まれるというか、その不釣り合いな感じが不思議でした。

次回は5月25日(土)19時集合 夜の影送りです!

写真とテキスト:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー  山本浩貴(いぬのせなか座) 「死の視線」をつくる♯2 

前回の3時間みっちりレクチャーからガラリとかわり、外に出て、その場所と静かに向き合う時間でした。

そして、それを言葉にするのですが、参加者の皆さん難しそうな顔していましたが、しっかり文章にしていて、さすが山本さんのWSに参加してくる方達でした。

1回目に書かれた文章をシャッフルして配り直し、他の人の文章を受け取って、もう一度考え言葉にするのですが、その微かな他者との接点が、どんな風に言葉にまたは外を歩く体に影響したのでしょうか。とても静かなワークショップでした。

写真とテキスト:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー 佐々木文美 空中の歩道橋♯1

みなとみらい周辺にはたくさんの階段であり橋でもある歩道橋があります。ビルとビルを繋ぎ、車道と歩道を分け、人々の移動を可能にします。

その上ちょっと高い位置からの景色を味わうことができます。

イベントで引用された倉俣史朗のテキストにある元来の橋の役割は歩道橋に残っているかもしれません。

知ってましたか?新高島駅の4臨港パーク口の階段はフィラデルフィア美術館のロッキー・ステップスと同じ72段なんです。

テキストと写真:blanClass

パブリック・アートテーブル 象の鼻パーク大集合プロジェクト

本日はよく晴れていて、たくさんの方が訪れていました。

西原尚さんの「遊ぶるテーブル」や下寺孝典(TAIYA)さんの「Land boat」 は特に子供たちに大人気。みんな楽しそうに遊んでいました。

景色が綺麗だったので、矢内原充志さん、佐藤邦彦さんの 「臨港テーブルユニット」でお酒を飲むのがとても気持ちよさそうでした。

写真を撮っている方もたくさんいて、特にSPACESPACE 「標識の『ようなもの』」 は、ミラーの部分に自分の姿が映るので、写真スポットのようになっていました。

みなさん思い思いの楽しみ方をしていてとても良かったなあと思いました。

象の鼻パークでの開催は終わりましたが、横浜トリエンナーレの会期中もアートテーブルたちは様々な場所で展示されますので是非チェックしてみてください。

バイト広報チーム 改め BankART実験広報部

傳田・鈴木

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