「タイカレーの店 ピー」のマスターを偲んで

BankART Studio NYKやBankART Homeの時代、カフェパブの定番メニューといえば、「タイカレーの店 ピー」から届くグリーンカレーでした。2016年までは吉田町、以降は横浜橋商店街で営業する「ピー」から毎日カレーを配達してもらい、多くの方に楽しんでいただきました。しかし、残念なことに、今年6月にピーのマスターが病気で亡くなられたことを最近知りました。

「ピー」との縁は2006年にさかのぼります。食とアートをテーマにしたプロジェクト「食と現代美術 part2—美食同源」では、BankART周辺の関内・関外地区にある個性的な飲食店に、アーティストの作品を設置させていただく「横濱芸術のれん街」を展開しました。当時、スタッフ総動員で飲食店をリサーチし、結果として23店舗での展示が実現しました。その中で、吉田町エリアで営業していたピーには、眞島竜男さんの作品を展示させていただけることになりました。元々、BankARTパブの店長でデザイナーの北風さんの事務所がピーの向かいにあったこともあり、眞島さんの展示も実現し、そこからの関係も深まりました。

その時から、ピーのグリーンカレーをBankARTのカフェパブで毎日提供させてもらえるようになり、BankART Homeの営業が終了する2020年11月まで、水曜日を除く週6日、配達していただきました。

カレーを作っているのはタイ人のママさんですが、毎日の配達はマスターや娘さんが担当してくださいました。また、2014年の横浜トリエンナーレと連携した展覧会「BankART Life4 東アジアの夢」では、マスターがBankARTのテラスに出張し、カレーやパッタイを提供してくれ、多くの来場者で連日にぎわいました。

見た目は少し怖そうにも見えるマスターでしたが、誰にでも気さくに話しかけ、好きなことにはとにかくのめり込む素敵な方でした。

現在、「タイカレーの店 ピー」は横浜市営地下鉄・阪東橋駅近くの横浜橋商店街でママさんと娘さんで営業を続けています。11月5日には酉の市も開催される予定ですので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りいただき、ピーの味を楽しんでいただければと思います。

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タイカレーの店 ピー
営業時間:11:30〜20:00
定休日:月曜(※水曜日はランチ営業のみ11:30-15:00)
急な休みがある場合もありますので、ご来店の際はお電話での確認をおすすめします。
電話番号:045-251-2644

写真:中川達彦

ピーのマスター

BankART Studio NYKやBankART HomeのCafeにて販売していたグリーンカレー

014年BankART Life4「東アジアの夢」にて

現在ピーは横浜橋商店街で営業中

吉田町からアットホームな雰囲気は健在

グリーンカレー

カレーを作っているママさんと娘さん

お店には看板猫のしろちゃんもいます