2021年5月8日(土) @BankART Station
リン・チャーチル氏は、今回のレジデンスの最年長。アトリエいっぱいに和紙を貼り、パワフルに体を動かしドローイングを描く。トークでは日本語でも挑戦してくれ、彼女が各地で撮影した広大な自然風景写真など、制作のインスピレーションの元となるような資料を見せてくれた。
秋山夏海氏は、今春に東京造形大を卒業したばかりの若手。性暴力を受けた知人の話から日本の性教育についての疑問をインスタレーションで表現するなど、思考そのものに対する疑問を制作に落としこんでいる。今回は、都市と人の関係に着目し制作中とのこと。
金子未弥氏は、KAIKOで現在開催中のU35に選出された「記憶」と「都市」をテーマに活動している作家だ。他者から記憶に残る場所やエピソードを聞き、その場所名をビニールテープなどでつなぎ合わせることで、記憶の地図のようなイメージを浮かび上がらせる作品を手掛ける。トークでは昨年の黄金町バザールでの作品や、今回の個展の作品などの解説をいただいた。
新江千代氏は、布を素材にしたインスタレーションや映像作品を主に発表してきている作家。今回は、近年亡くなられた彼女の父の記憶や、実家に父が植えた桜の木(これから伐採することになる)など、不在の存在への記憶、これから手放していくという行為に着目した新作を取り掛かっているという話をしてくれた。
各人が着目するキーワードなどを比較しながら、考えることができる会だった。
リン・チャーチル
秋山夏海
金子未弥
新江千代