こんにちは。BankART実験広報部の傳田です。
今回は岩竹理恵さんに引き続き、片岡純也さんにインタビューをさせていただきました。
片岡さんは、基本的にモーターなどを使って動く物を制作しています。
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___どのように作品を作っているんですか?
片岡:使ってない工具を片付けしていて、これを作品の動力に使えないかと思い、その形や仕組みの特徴を別の事象を起こす装置に転用しました。円盤の中でボールがコトコト落ちてくる作品(バンドソーによる球の運動)は、バンドソーのノコギリが通るローラーを利用してベルトを通し、力を伝えています。バンドソーの角度の延長線上に自然と円盤の位置は決まっていきます。
___このやじろべえのような作品はどうやって動いているか不思議です。ペンと木はくっついてるのですか?
片岡:くっついてないです。指先で探った木の枝の重心をペン先にのせています。ヤジロベエと同じ原理で、ペンをグラグラ動かしても木の枝はゆらゆらするだけで落ちません。
___どうして思いついたのですか?
帰り道にふと様子のよい枝を見つけて、指先にのせてバランスをとって歩いていたんです。それが面白いと思って。まずペンにのせてみて、次にちょっと離れたとこから見たいと思ってペンをコップに立てかけてみたら、いよいよ様子がよくてこれは作品になるなと思いました。
日々のささやかな発見から作品にしています。昔から人の話を聞いているときとかに手が無意識に動いてしまうことがよくあって、 紙をクシャクシャにしてみたり、ペンのバランスをとってみたり。そういう手遊びってその感覚が自分にとって心地よいことなんだと気づいてから、無意識にやっていることをあらためて気付いてみようとしています。
___この布団の作品も、動かしてみてできたのですか?
寝床を整えるため、シーツを両手で勢いよく広げたときシーツに空気がくるまって膨らむのが心地よくて、何度も繰り返していたときに、まさに無意識にやっていることに気がつきました。
__岩竹さんは、これが海の波みたいに見えるともおっしゃっていました。
片岡:身の回りのものごとや日々の所作から、スケールの違う物理、数式に表せそうな摂理のようなものが見えてくるのが面白いなと思っています。
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片岡純也さん、岩竹理恵さん、インタビューありがとうございました!!
片岡さんの作品は普段の生活の動きから着想を得ているということが非常に興味深いと思いました。岩竹さんとの制作スタイルの相違点についても知ることができました。
お二人は来年、神奈川県立近代美術館で展示をするそうです。そちらも見に行きたいです。
片岡純也+岩竹理恵