続・朝鮮通信使2011春 慶州

今日は慶州へやってきました。慶州は、町全体が世界遺産に指定されており、日本でいう奈良のような都市。現在の韓国では外せない観光都市です。朝鮮通信使が通ったに違いない要所ではありますが、具体的な痕跡は今のところわかっていません。まずは、751年に創建された仏国寺へ。日本語の話せる地元のボランティアガイドに通信使について聞いてみましたが、慶州で縁のある場所は知らないとのことでした。次は1995年に仏国寺と共に世界文化遺産に指定された石窟庵を訪ねました。山の上部にある小さな石窟寺院ですが、穏やかな表情の仏様は美しく、金大城が前世の父母のためにこの寺院を創建したと聞くとなお趣き深いものがありました。
3カ所目は、「掛陵」という、統一新羅時代の王陵の中で最も優れた様式を持った陵。ここは、私たちの朝鮮通信使に師である仲尾先生が「ぜひ見られるのを薦めます」と教えてくださった場所。注目すべきは、陵墓から少し離れたところにある石像。このうちの一組が西洋人の顔をしているというのが有名。確かに彫りの深い顔立ちで、髪の毛も巻き毛のようになっていますが、この像、頭でっかちで、何ともユーモラス。隣の文人像や獅子の像も全体的にかわいらしい印象でした。
国立慶州博物館には、慶州で発掘された遺物3000点余りが展示されていました。広い空間と野外も使った展示もよかったのですが、印象に残ったのは「子供博物館」マンガを使った説明や古墳のパズル、粘土を使って瓦を作って遊べる場所など、大人でも楽しめるような仕掛けがいろいろ施されていて、子供たちが歓声をあげて遊んでいました。博物館はどうしてもお堅い印象がありますが、思わず笑顔になってしまうような楽しい空間でした。
今日見ることができたのは、慶州のほんの一部でしたが、ここには多くの歴史や説話が残っています。絶対に日本、朝鮮通信使との関わりもあると思うのですが・・・。何かひとつでも痕跡を見つけることができればと思わずにはいられません。

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