Creative walkway アートと食と街 食と現代美術vol.8スタート!

2021年10月1日〜19日

@ BankART KAIKO+BankART Station(新高島)+新高島駅構内B1Fの歩道部分壁面

食と現代美術vol.8がはじまった。食と現代美術はBankART1929がスタートしてから、これまで7回開催してきている。ギャラリー内だけで開催したもの、街中のお店等と連携したもの、ギャラリー空間を本物のレストランのように仕上げて料理を振る舞ったもの等々、様々な方法で「食」と「美術」にアプローチしてきてきた。

チラシにも記したが、今回の食と現代美術は、北仲地区、新高島地区に新しく誕生する食文化(街)と連携する計画を立て、具体的に店舗と打ち合せも行っていたが、継続された非常事態宣言は、そういった試みは許してくれなかった。残念ながら、BankART KAIKOBankART Station二館だけの催しになった。

とはいえ、参加作家は皆、工夫を重ね、興味深い作品を提案してくれた。少し紹介しよう。

北風総貴氏(ヤング荘)は、これまで食と現代美術全展覧会のグラフィックを提供してくれている。通常はチラシやポスターのベースになるものだが、今回はポンジクロスで大きく引き延ばしてみた。ご覧あれ!

開発好明氏の作品は、卓球台をコーヒカップとみたてて、試合をすることでコーヒー&ミルクが混ざり合うのを楽しむプログラム。通常はコーヒーカップの中でくり拡げられるささやかな営みが、公の空間で観客に見られながら展開されていく。オンザテーブル混在のプロジェクトは、地球上でおこっている様々な溶融を隠喩させる。

武藤 勇+君塚史高+加藤良将+札本彩子は、横浜の片隅でポップコーンを中心に愛をささやくというタイトルの作品。トウモロコシのはいった釜に向かって愛の言葉をささやき続けると、釜の温度があがり、「ハイ、一丁上がりのポップコーン」。

牛島智子氏は、次のような作品。(作家言より)

「糖の作り方を書いた本からイメージを得て、『サトウキビを絞る牛』という展示を行った。父は農耕牛が2頭いたという。その牛が引いたであろう鋤が納屋根裏にホコリをかぶって何十年もぶら下がっていたので、今がその時と補助ロープをつけて縄を解き燭台に仕立てた。ズッシリと重い。後略」

祐源紘史氏のケンタッキーフライドチキンの骨で作成した骸骨は、ごく普通のフィギアにみえてしまうので、特別な印象はうけない。ただ、私たちが食したチキンが、私たちの骨格を構成し、「生かしてもらっている」という関係をあっけらかんと表現しているのに気づかされる。

「絵画に現れる食のイコン」を村田真氏に再トライしてもらった.ダビンチ、フェルメールなど含む、有名な古典絵画53点を60mに及ぶ大壁面に展示。最後の晩餐等の特大サイズを除き、ほぼ原寸大でプリント再現した。村田氏のコンパクトな紹介文が的確でみずみずしい。(後日、続編記載予定)

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武藤 勇+君塚史高+加藤良将+札本彩子.jpg

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