【横浜クリエイティブCOOP】商品のご紹介-BankART Life7出展作家編

BankART実験広報部の今井です
待ちに待ったゴールデンウィーク、皆さまいかがおすごしでしょうか?
大型連休も横浜トリエンナーレは休みなく開催中!
「アートもりもり!」と称したアート・プログラムも各地で開催中です✨


今回は「アートもりもり!」の中でも、「BankART Life7」に出展されている作家さんのアイテムをご紹介いたします👀

まずは、新高島駅にあるBankART Stationで展示されている作家さんの商品をご紹介✨

岡崎乾二郎 さんは、近代美術にフォーカスしたベストセラー「抽象の力」のほか
おかざき乾じろ 名義の絵本「ねこかしら」などなど、書籍を5種類ほど取り揃えております📚

続いてのご紹介は 志田塗装 さん🪣
1874年創業の塗装会社さんの粗品タオルと企業Tシャツを販売中!なのですが
はて、そのような業者さんが横浜にあったでしょうか…🤔

次のご紹介は 三田村光土里 さん
三田村さんのブランド「näkö fabric(ナコ・ファブリック)」のバッグ&ブローチをお取り扱いしております🛳️
横浜の風景が息づくバッグはカラーも様々!お好きな柄と色のバッグをぜひ探してみてください🔍

続いてのご紹介は 吉田山+西山萌+木雨家具製作所 さん
3名のアーティストさんが共同制作された手刷り作品で、その面積はたたみ一畳分ほど!😳
大迫力の木版画を購入できるのは今の時期だけです👍

続いてご紹介させていただくのは 岩竹理恵 さん
古切手を封入した特製のバッジと、見る距離で印象が変わる👀 壁掛け商品を販売しています
切手バッジは黄金町アートバザールにもお取り扱いがありますが、壁掛け商品はこちらのみ!ぜひお立ち寄りください✨

次は、ポートサイド地区で作品展示されている 谷本真理 さん
素敵なイラストがプリントされたTシャツとトートバッグに、陶器のお皿を販売しております👚
谷本さんの描くやわらかな世界観を身につけて生活してみませんか?

続いてご紹介するのは、旅するクマとウサギを描く繊細なペン画がとても素敵なアーティスト、キム・ガウンさんのグッズです🐻🐰
6カ国語で楽しめる絵本をはじめ、アクリルスタンドとキーホルダー、いつでも世界観を楽しめるポストカードとA4カードを販売しております📗

馬車道に設置のアートテーブルを制作された野老朝雄 さん
野老さんといえば、2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムデザインで有名なアーティスト✨
野老紋様の手ぬぐいやシールのほか、お部屋のインテリアとして飾っても素敵な壁掛け商品をお取り扱いしております
また、 FRAMEFLAME さん から野老紋様をモチーフにしたジュエリーも販売中💍
「つなげること」をテーマに作られた、シンプルながらも美しいデザインのジュエリーです

こちらもアートテーブルを制作された みかんぐみ さん
建築家4名による横浜の建築事務所で、その活躍は全国各地へ広がっています
今回は、過去の建築作品をまとめた書籍とポストカードを販売中です🍊

BankART Life7は新高島会場のほか、馬車道やみなとみらい、ポートサイド地区をはじめとした横浜の各地で展示されています🗺️
横浜の街を散歩しながら美術鑑賞を楽しみつつ、横浜クリエイティブCOOPでのお買い物をお楽しみください😊
皆さまのご来店を心よりお待ちしております!

テキスト・写真:今井
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創造都市20周年記念「横浜クリエイティブCOOP」
会期:2024年3月15日(金)~ 6月9日(日) 10:00~18:00
定休日:毎週木曜(4月4日、5月2日、6月6日を除く)
会場:BankART KAIKO ショップエリア
横浜市中区北仲通5-57-2 北仲ブリック&ホワイト 1階

https://bankart1929.com/…/artists/yokohama-creative-coop

【多様な地図で巡るツアー】電子音響ピープルプロジェクト Sound Scape & Sound Montage workshop @ BankART Station

電子音響音楽の創出に関わる満足感高いワークショップ、今回は「BankART Life7」ツアー担当の桑原がレポートします。

今回のツアーはワークショップ主体で、日常、聞き流している様々な「音」を改めて認識し、「音」に関する感覚を高めていくフェーズと、「音」自体を作り出し、それを素材に「音楽」を作り出していくフェーズに分かれています。13時から17時までとなかなか長丁場。前半の部分はともかく、後半はどのように進むのか、興味津々です。

さて、始まりました。

最初に電子音響音楽や環境音についてのレクチュアを少し。電子音響音楽は、「なんの音か」より「どんな音か」を中心に音を味わうもの、「音が出ているからには、その原因となることが目に見える形で起こっているはず、それと音を一体化して感じる」ということなのだというお話。この後、マリー・シェーファー(カナダを代表する現代音楽の作曲家。サウンドスケープの提唱者)の本「世界の調律」で述べられていることや、ロバート・カーソンの「46年目の光」のエピソードなども交えての説明は、これから「音を聴く」ことに関しての意識を高めてくれました。

その後、記録用のシートを受け取って外へ出かけます。BankART Stationの前の通路、外の広場、歩道橋の上などで耳を澄ませ、どんな音が聞こえてくるのかを記録していきます。

意外に難しかったのは、最後に歩道橋の上で行った、「どんな音が・どんな順番で・どっちから」聞こえてくるかを記録して行くというもの、3つの要素をどのように記録するかを考えながら書いていくのが思いの外大変でした。

その後、戻って、各参加者が聞こえた音を発表していきます。自分がそのとき聞こえていなかった音を記録している人がいたりして、はっとします。記録の仕方もいくつかあって、例えば「こどもの話し声」、「エスカレーターの音」といった記録の仕方もあれば、「ブーン」「コツコツ」「ドンッ」といった、いわゆるオノマトペ的なものもあり、そういった面でも、それぞれとらえ方が異なるのだなと人との違いを再認識しました。

そうやって「音」に対する感性を高めたあと、休憩を挟んで、いよいよ、「音」を創り、それを紡いでいくという作業になります。

今回は、あらかじめ何か音を出すものを各自持ってくるということで、各人、いろいろ持ってきています。ペットボトル、ネックレス、ホッピーの瓶とバリエーション豊か、柴山氏は「オイルが少し残る缶の中に小石のようなものを一つ入れた」という品で、少し遅れて「コトン」と落ちる感じの音が気に入っているとのこと。参加者は最初に名前を言ってから、持ってきたものを音素材として録音していきます。

全員が録り終えたら、各自に用意されたパソコンでその音を材料に15秒ほどのフレーズを創っていきます。利用するのはAudacityというサウンド編集ソフト、基本的な編集は易しい操作でできるもので、初めてでしたが割とすんなり操作できました。

しかし、操作は出来るものの、意図したようなフレーズを創るのが難しい。これまでいわゆる「打ち込み」作業は少し経験があるものの、「ガイドのリズム無し」、「そもそも素材の長さや音程がない」もので、「こんな感じにしたい」というものに近づけるのがむちゃくちゃ難しい。正直、できあがったものはイメージしたものとだいぶ違ってしまいました。しかしとにかくあっという間に時間が過ぎて、作業時間終了。作成したものを、みんなで聴く時間となりました。

音の使い方など、当たり前ですがみんな違って面白い。「フレーズ」というには少々抵抗があるけれど、こんな感じのものを創りたいのよ!という意図のようなものが伝わってきます。おまけに、柴山氏の「いやー、この音の使い方がいいですねー」とか「ここで、間があるのが表現を拡げてますねー」とかの絶妙な褒め方で、なんだか、「電子音響音楽創れちゃってる、俺~」みたいな気分になります。

長丁場でしたが、時間があっという間にすぎ、満足感高めでワークショップを終えました。今後、今回の音、フレーズを元に、編曲して、BankART Stationで行われるコンサートでお披露目となります。(5月26日(日)を予定)

今回参加してみて、「電子音響ピープルプロジェクト」が目指す「音楽の受け手としてではなく、少しヘンテコな音楽を自ら創るアーティストとして、共にその体験を楽しむこと」を、充分に感じられるツアーとなっていたことを改めて実感しました。

【アートラーニング・インタビュー #4】BankART Life7 参加アーティスト・吉田山 by BankART実験広報部

こんにちは、BankART実験広報部のJUNGです!

今回はLife7出展作家の吉田山さんにインタビューさせていただきました。

都市にも遺伝子があるとしたらどのように抽出できるのかを問いとして、新しい地図を考える吉田山さんと、その考えによって作られた作品について紹介していきたいと思います!

Q.簡単な自己紹介お願いします。

吉田: こんにちは、東京を拠点にキュレーションやアートプロジェクト、アート作品の発表などしています。吉田山という名前で活動しています。

Q.今回の作品はどのように作っていますか?

吉田:いろんなことをしていますが、会期中には等身大ぐらいのB0サイズぐらいの木版画地図を手刷りでプリントしていたり、そのための什器展示や蒸留ツアーもしています。

Q.今回の作品のコンセプトはなんですか?

吉田:  BankARTさんから話が来た時に、展示のテーマがUrbanNestingということだったり、新しい地図という話を聞いて、その二つを軸に作品のコンセプトを考えて作りました。

日常でも都市に住んでまして、都市に対しては、さまざまなものが流動的であたかも生物のように日々変形していき、景色が変わっていくのが面白いと思っていました。そこで、都市にも哺乳類のようにシンプルなDNA構造体があるのかもしれないという、SF的な空想をコンセプトの中心としました。今回は横浜ですけど、様々な都市に対しての話をしたいなと思いました。遺伝子のようにすごく基本的な構造を何かビジュアルで表現できたら面白いなって思って、今回の作品を考えてきました。

Q.色々な都市を行き来していますか?

吉田: そうですね、去年もニューヨークやイスタンブールに行って、それぞれの独特な風土、風景、立ち上がってきた歴史や建築物があったりして、どこも異なっていて面白いなと思いました。横浜もそれにおとらずな歴史もいっぱいあって、山を削り埋め立てられた今はもうない横長の浜が横浜の名前の由来だったり。今回の地図は地形にフォーカスしたものになっていて、手に持って動き回る地図ではなくてどこにも行けない地図という、ただ単に眺めるための地図ですね。元々地図っていうものが侵略だったり、戦争のために細かく作り込まれて、それを我々はGoogleマップだったりで、日々ありがたく無料で使わせてもらっているということを考えた時に、個人的なアート作品として地図を扱う場合はそういう機能性は一切取り外していこうと思って、都市内の目的地を的確に巡るっていうことではなくて、概念や想像で都市を巡るようなものを考えてみました。

Q.特に印象に残っている都市はありますか?

吉田: このプロジェクト自体は今回初めてですけど、よく仕事で熱海に行くんですけど、海と山がすごく小さい街にコンパクトにまとまってるのが面白いなと思っています。まあ、イスタンブールもそんな感じだったんですけど、やはりそういう起伏のあるところに惹かれますね。海と都市が連続してる場所で、さらにその奥に山が立ち上がってきたらかなり面白いなと思ってます。ま、横浜もそういう場所ですね。

Q.韓国に行ったことはありますか?

吉田: 韓国は釜山に行ったことがあります。道路がそのまま海から見えて、車で飛び込んでいけるような風景があったり、10年前ぐらいなのでちゃんと覚えてないんですけど、日本からすごい近いのにまた違う、東京よりは大阪側の雰囲気に似ているかなと思い出しました。

Q.作品にあるアクリル板はどういう意味ですか?

吉田: この作品地図は横浜のバンカートステーション中心の5km半径の地図で、それに対応する山側の、等高線、みなとみらいなどの地形をアクリル板で表わしています。

Q.今回の作品を通じて観客に伝えたいメッセージはありますか?

吉田: 今回のプロジェクトは色んな人と連携しています。この什器は木雨家具製作所さんに作ってもらって、地図の部分編集で西山萌さんに関わってもらってます。その他にも色々細かいところを色んな方に関わってもらったのですけど、最終的に木版画で刷るっていうのが、単純に見せるだけのパフォーマンスではなくて、作品のタイトルにも入っていますけど、流通させようと思って、今本屋さんとかいろんなところに卸し始めて、置いてもらってます。

色んな人に買ってもらって、家に持ち帰ってもらうようにしています。

プリント数を100部としていて、この今回抽出した都市を100分の1に切り分けて色んな人の家に流通するっていうのが面白いと思っていますね。

後、ISBNという国際基準の図書コードを付けてもいます、国立国会図書館にも納本してきたので、この地図作品自体が国にアーカイブされている状態になっています。都市を抽出して制作した作品を再度都市のインフラやシステムを使いつつ流通していくという、結構ダイナミックな関係を作っていて限界美術のようなものでもあると思っていますし、この作品自体が都市に根付く雑草の根っこみたいで、いずれでかい木に成ればいいなと思いながら自分自身は木版画でこれらを刷っています。

Q.木版での手刷りをずっと取り扱っていくつもりですか?

吉田: そうですね、すごい大変で結構つらいですけど、やはりつらいっていうのが重要だなと思っていますね。自分の体で一日プリントして疲労して次第に何も考えられなくなる、このような労働感覚が結構大事だと思っています。この方法は効率は異常に悪いし、この資本主義のシステム的には正直やらなくてもいい行為ですけど、でもこの労働とアイディアを作り出す資本家が折り合わさっている作品制作のプロセスは、僕の中での喜びとして今回大切にしたいと思ったことであるから、引き受けるべき大変さだなって思っています。手作業や身体的な労働や現場感は大切にしていきたいので、このようなことは続けていくと思います。

Q.次の展覧会の情報や今後の計画があったら教えてください。

吉田: ちょうど来月に神津島っていう東京の離れた島で、アートのツアー企画を作っているので、ぜひ来てもらいたいなと思っています。後は、色々常に活動している状態になっています。

テキスト・写真 ・動画:JUNG