シュウゾウ アヅチ ガリバー 作品を語る

115日からBankART Stationにて「シュウゾウ アヅチ ガリバー 作品を語る」という連続講座が開催されている。2022年10月にBankARTにてシュウゾウ・アヅチ・ガリバー氏(以下、ガリバー氏)の展覧会「消息の将来(仮題)」を開催予定で、これはその前哨戦となるような講座だ。毎回ゲストを招きながら、謎に満ちた同作家の作家性や作品性に迫っていくわけだが、驚くべきはゲストの豪華さである。美術ジャーナリストの村田真氏から始まり、滋賀県立近代美術館館長・保坂健二郎氏や美術評論家・福住廉氏、横尾忠則美術館・館長補佐兼学芸課長の山本淳夫氏などが、独自の切り口から同作家の作品を語っていく。

ガリバー氏がどのような人物かはぜひチラシやネットにある情報を読んでもらうとして、ここでは既に終了した第一回目(11/5)と第二回目(11/26)の所感を述べたい。本講座は、前半はガリバー氏、後半はゲスト講師の話が展開される。はじめに断っておくが、ガリバー氏はどの回も話は脱線し、「あさっての方向」に突き進んでいく。言うまでもなく、これは作家を揶揄する意味ではなく、それが作家の個性でありユーモアであると思うからだ。さて、そんなこんなでしばし参加者は置き去りになるのだが、話の節々に作家の核となるような部分が見え隠れする。そして、毎回のゲストが独自の視点で語っていくことで、現代のアートシーンに触れながら、客観的にガリバー氏の作品を紐解いていくことができる。特に、第二回目では保坂氏が文化人類学者・ティム・インゴルドの著作「メイキング」を引き合いに出し、同作家は「つくるというより対応している」と述べていたことが印象的だった。

この後も年をまたいで続々と講座が開催される。ぜひ、この機会にシュウゾウ・アズチ・ガリバーという人物や作品に触れていただきたい。

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以下、第一回目[11/5]

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シュウゾウ・アヅチ・ガリバー氏

村田真氏

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