BankART KAIKOで開催した多摩美術大学 彫刻学科三年生展「Blue3」の関連企画として、会期最終日の8月6日、旧第一銀行横浜支店にて、「脱皮的彫刻」というパフォーマンスが行われた。
舞踊家の川口隆夫さん監修のもと、多摩美彫刻学科教授で作家の高嶺格さんが構成、1〜3年生の学生有志17名での石膏を用いたライブパフォーマンスだ。
サラシを巻いた学生たち8名が会場に現れ、一人ずつ芸術に関わる考えやプライベートな思いを言葉に出していき、話が終わると三人一組のツナギ姿の学生によって体に石膏が塗られていく。
数十分時間をかけて、塗布された石膏が硬化し、パフォーマーたちはまさに石膏像のような形になる。
そこから死神のような格好の演者が現れ、パフォーマーについた石膏の一部を切り離している。
お坊さんが鳴らすようなチーンという金属音が鳴ると、パフォーマーたちはセミがゆっくりと殻を破り羽化するように、石膏を剥がしていく。剥がし終わると、ゆっくりと会場の外に舞踏のような動きで進んでいき、会場にはその8体の脱皮[立像]が残り、空間と相まって印象的な光景となった。
90分を超える長時間かつ動きの少ないパフォーマンスだったが、来場のお客さんもパフォーマーの吐露や、彼らが石膏像になる様を、固唾を飲んで見守っていた。最後の脱皮の瞬間は、彫刻作品が生まれる瞬間に立ち会うかのような緊張感があった。
展覧会、パフォーマンスどちらも若い学生たちの思いや表現に立ち会う稀有な体験の場となった。
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本公演構成の多摩美彫刻学科教授で作家の高嶺格さん