延長戦「柳 幸典〜ワンダリング・ポジション」 2016年12月30日

世の中はお休みにはいったが、延長線の柳幸典展は元旦を除いて1月7日まで続く。人も少しずつ増えてきて、なんとか最低目標の1万人に到達しそうだ。
プレス(レヴュ)は、全国6紙に加えて、共同通信の配信を通して地方紙15紙、単独地方紙では中国新聞、神奈川新聞が大きく取り上げてくれた。また赤旗も。各紙が行う総括の年間のベスト展にも毎日新聞、読売新聞等がセレクトしてくれた。雑誌は、美術手帖、月刊ギャラリー、海外ではアートインアメリカ等、web上でも、資生堂、アートスケープ、創造都市横浜、木曜新美術館、all about 横浜 などが、大きな頁を割いて紹介してくれている。SNSは、ときおり厳しい意見もあるが、「良かった」「感動した」という言葉が圧倒的に多い。

こういった総体によってこの展覧会は支えられている。お金のないなか、身の丈に合わない、こうした展覧会が実現でき、ひとつの結果がでたことを素直に喜んでいる。また応援してくださっている皆さんに本当に感謝している。

これで次にまたむかっていける。

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カタログ「BankART義塾ゼミ生による特別展」出版記念パーティー 2016年12月19日

BankART義塾(part2)とは、5月から毎週月曜に開講していたアートやアーティストをサポートしていくことについての必要な理念や知識と技術を実践を通じて学ぶBankARTスクールゼミ。
最終課題では、実際に展覧会を企画実施した。作家との交渉から始まって、展示、広報、パーティ、販売など、一連の流れをコーディネート。そのゼミの集大成ともいえるカタログ出版のお披露目会が本日あった。
この集中したエネルギーが、今後どんなふうにはばたくか?
カタログ「BankART義塾ゼミ生による特別展」500円+税は、ショップにて販売。

過去のブログ
■BankART AIR2016特別展

BankART AIR 2016 特別展 スタート! 2016年6月13日


■BankART義塾part2

BankARTスクール バンカート義塾part2 スタート 2006年5月2日〜

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柳幸典「ワンダリング・ポジション」連動企画 PBC Special Live for "Wandering Position” 2016年12月17日

「PBC」は、鉄や廃材を組み合わせたメタルパーカッションとサンプリングしたノイズなど用いる音楽&アートユニット。1986年のデビューで、谷崎テトラ、ジャン・ピエール・テンシン、松蔭浩之からなる。
今回、柳幸典の「Project God – zilla」の展示作品空間の中で22年ぶりのスペシャルライブを開催。
鋼鉄の金属音、電子音に岩崎園子(ソプラノ)のオペラが加わる鉄工所交響楽は80年代デビュー組の底力を感じるライブでした。

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柳幸典「ワンダリング・ポジション」連動企画 黒藤院舞踏公演「ゴードワング」 2016年12月10~11日

蝉丸氏(山海塾)が主宰する舞踏グループ黒藤院の舞踏公演。
場所は、NYKのKawamataホールの柳幸典氏の作品「Article9」の空間。
「ゴードワング」とは、蝉丸氏がどこかで出会った楽器[物体]のこと。
氏しか知らないこの物体をテーマに、6人のメンバーと共に記憶の中を旅するような演出でした。
床に横たわり上方に希求するような最後の群舞では、憲法9条の文字たちも右へ左へと流れたり、
点滅しながら動くことで発せられる赤い光が、演者の白塗りの顔とシャツを赤く染め、
文字と人が呼応しているようでした。白と赤、身体と文字の対比と交錯による光景は、
深くゆっくりと記憶に染み込まれていくようでした。

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柳 幸典ゼミ 懇親会

現在展覧会を開催中の柳幸典さんのバンカートスクールの懇親会を行った。
今回の柳ゼミは、毎回ゲストがあり、聴視者(参加者)を広くビジターとして受け入れたので、正規のゼミ生と柳さんが話す機会がほとんどもてなかった。そこで追加というわけでもないが、簡単な懇親会の場を設けた。
とくに新しいことは何もなかったが、
柳さんも、ゼミ生も、緊張感の続く対話の連鎖8回から解放されて、身内だけの
おだやかな、朗らかな、楽しい宴を楽しんでくれたように思う。

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現在開催中の「柳幸典」展について

現在開催中の「柳幸典」展の観覧者数がのびない。展覧会の評判は、見ていただいた人の感想、twitterなどから察するに頗るいい。またプレスも、神奈川新聞はもちろんのこと、ほとんどの全国新聞に展評が掲載され(される)、また雑誌にも数多く取り上げられている。

なのに、一日の観客数が目標の半分にもまだみたない。入場料が少し高いという意見があるのは知っている。また、子どもたちには、ちょっと敷居が高いかもしれないとも思っている。気づいていないこちらの不備もあるかと思う。

でも、とも思う。

もし、この展覧会で人が興味をもってくれなかったら、これから、一体何を提示すればいいんだろうと。手前味噌になるが、柳さんもBankARTも、様々な意味で、渾身の力を振り絞って開催した展覧会だ。
会期も一ヶ月をきった。これからも、お客が入ってくれるためにできることはなんでもしようと思う。是非、見てほしい。そして応援をお願いしたい。

レビュー[途中経過] http://bankart1929.com/archives/1214

「2016 AR TOWNS International Conference」@ 済州島(2日目)2016年11月19日

カンフェレンス翌日はオープンフォーラムとして、チェジュ市中のアートスペースの見学。
最初に行ったのは、海のゴミや漂流物を回収して、アクセサリーなどのアートワークに変換している工房、JAEJUDOJOA。
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中盤に行ったのは、チェジュ市が現在レジデンススペースとして改修している工事中の建物。
その足元にあるストリートに面した建物群は、空き家ばかりだったのをチェジュ市が買い取り、アーティストが1階部分をショップやアートスペースとして運営しているという。
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チェジュの典型的な住居の形式を残したカルチャースペースYang。
Yangはチェジュでは「やあ!」という挨拶の言葉。
写真右手前が母屋でレジデンススペース、左が離れでギャラリースペース、奥が納屋で事務所スペースになっている。
ギャラリーでは先日まで滞在制作していたベトナムのアーティストの展示をしていた。
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チェジュでは石積みの塀が、畑や、住居やお墓などの敷地の境界につくられている。
アイルランドのアラン島にも同様の石塀が連綿と続いていたのを思い出した。
どちらも大洋に面する小さな島で、ふきすさぶ強風で畑の土がとばされないようにとつくられる手積みの塀。
あいにくの天気であったが、チェジュの風土を少し知ることができた。
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「2016 AR TOWNS International Conference」@ 済州島(1日目)2016年11月18日

韓国チェジュ島のJeju Museum of Artで開催された「2016 AR TOWN」の国際カンファレンスでBankARTの活動について話しをしてきました。
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カンファレンスの後は、同美術館内ではじまる「2016 AR TOWN」の展覧会のオープニングパフォーマンスと、レセプション、内覧会。
レセプションで挨拶をする、ディレクターのソ・サンホさん
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AR TOWN というのは韓国内のノンプロフィットアートスペースのネットワークで、これまで韓国内の様々な都市で、展覧会やミーティングを重ねてきており、今年はここチェジュでの開催。
展覧会は、チェジュ島内にある15のオルタナティブスペースを紹介するアーカイブ部門と、韓国中のオルタナティブスペースが作家を一人選んだというグループ展部門で構成されていた。
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BankARTにレジデンス経験のあるArtspace Boanのチャンパさんキュレーションの作家の作品。
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パジュのアートスペースHueからは、BankARTではおなじみのチェソンさんが参加。
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「Dialog – 柳 幸典との対話」Vol.8「ノマド世代の共闘」田中功起 2016年11月18日

最終回のゲストは、今年水戸芸術館で個展を行った作家、田中功起氏。田中氏は、予備校時代に水戸芸で柳氏の作品を初見。現代美術というジャンルの出会いのきっかけとなったとのこと。
今回は、世代は違うが「アメリカから見た日本のアート」を知る二人を通じ、社会とアートをテーマに田中氏が柳氏にインタビューするような形式で話は進んでいった。
現在、若手を含めた社会的な表現についてどう思うかという問いに「本当は平穏なときに戦っていかなきゃいけない」と述べる柳氏の発言から、日本という国を30年間見続け、戦い続けた柳氏の覚悟をより認識することとなった。質疑応答も多く、最後まで話の尽きない回であった。

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「Dialog – 柳 幸典との対話」Vol.7「群島へ」今福龍太 2016年11月11日

今福氏の文化人類学的視点がシナプスのように、柳氏の作品と思想に繋がっては広がり、彷徨い、またどこかで繋がるような刺激的な対話であった。
「secure(安全)」という言葉の裏には「監禁」という意味が潜んでいる。直線的最短距離を目指すしかない我々の経済社会は、結局のところこの「監禁による安全」によって成り立っている。この社会的なメカニズムと対峙することができるのは、群島的な時間軸・空間軸を浮遊し、脅迫的目的性から解放されることだと今福氏。それは「アート」に他ならないのであり、その思考のつながりこそ「群島」的だと。柳氏が島に惹かれるのは、それゆえなのかもしれない。

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