観世榮夫氏は、かつて大野一雄とも共演し、2005年の大野一雄フェスティバルではオープニング公演をやって頂きました。2007年に惜しくも急逝されて早6年。氏を追悼すると共に、古典、現代演劇、オペラ、映画と幅広い仕事をされた氏の仕事を振り返るプログラムを開催しました。氏の愛した二つの作品「善知鳥」と「相聞」を観世銕之丞さんと清水寛二さんが演じられました。倉庫空間に本格の地謡が響き能が演じられるのはほんとうに圧巻です。その後、早稲田大学学術院教授竹本幹夫さんと演出家佐藤信さんを交えて、氏の業績とエピソードなど貴重な話しを聞くことができました。さらにこの日は、氏の書などの特別展示、氏の主演する映画上映などもありました。
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大野一雄フェスティバル2013 リサーチプロジェクト「踊ってみた、をみた」
大野一雄フェスティバルでは、作品創作と上演だけでなく、現代社会におけるダンス現象をリサーチするプロジェクトも行っています。今回はニコニコ動画のダンス映像投稿サイト「踊ってみた」に焦点を当てました。「踊ってみた」界の人気者、PCFの「けいたん」こと榊原敬太と、ただのん、暴徒による、「踊ってみた」とはそもそもなにかの解説&パフォーマンスに始まり、続いて、カワムラアツノリと初期型の「踊ってみた」をコンテンポラリーダンスの実践的視点からアプローチする、ちょっとはちゃめちゃな (失礼!)ダンス作品。そして、日本女子体育大学教授松澤慶信さんを交えて、「踊ってみた」現象が現代のダンスとどんな関係があるのか考えてみました。アクセス数50万回がすこしも珍しくない「踊ってみた」の世界。ここから何かが生まれていくのか、リサーチを続けていきたいです。