BankARTをメイン会場に開催中の映像祭で、アフリカに出会いました。NYK の3階で展示しているアルフレッド・ジャーの作品「The Sound of Silence」。飢餓に苦しむスーダンで取られた一枚の写真を巡って、現代社会の倫理を鋭く問いかけています。問いかけているだけでなく、問いかけを見る人の脳裏に焼きつけようとしています。ちょっとショック、でもぜったい見た方が良いと思います。
ヨコハマ国際映像祭2009は、International Festival for Arts and Media Yokohama 2009です。メディアアートの展覧会かと思ってましたが、そういう単純なものではなさそう。「アートとメディアの祭り」、ジャーの作品は二者の間をつなぐ「と」に力点があるようです。
もうひとつ、ジャーの写真作品が、実はBankART Pubにもあります。こちらもお見逃しなく。
世界を舞台に
近年、BankARTで開催する国際展の数も多くなり、海外からのお客様が本当に増えてきたと思います。海外で販売されている日本のガイドブックにもなんと!BankARTが掲載されていて(それを持って来館されたお客様によって発覚)、驚いた私達。どんどん世界が身近になっています。
展覧会に関わらず、BankARTの活動を見てみたいという海外からの視察やエクスチェンジプログラム(レジデンス)の数も多くなってきました。
今日もフィンランドからお客様。ムーミンが描かれているかわいらしいポストカードを頂きました。
いろいろお聞きしたいことがあったけれど、自分の語学力のなさを痛感。弱点をはやく克服しなくては、、と思う1日となりました。
TETSUSON2010 てつそん10周年記念シンポジウム~ソツギョウセイサクについて~
いよいよ卒業展のシーズンがやってきます。BankARTでも1~3月は東京芸大先端を皮切りに16校以上の卒業展が開催されます。
そのなかでもとりわけ、国内外のネットワークを駆使した横断的な「TETSUSON2010」が3月に開催されます。その展覧会の準備会ともいえる、「TETSUSON2010 てつそん10周年記念シンポジウム~ソツギョウセイサクについて~」が、先日、BankART Studio NYKで行われました。
初めに、みかんぐみの曽我部昌史氏の基調講演があり、その後、せんだいデザインリーグ2010やTETSUSON2010の代表らも参加したディベートを開催。テーマは「ソツギョウセイサクについて」。シンポジウムはとても盛り上がり、「やりたいことをやるべきだ」という発言をきっかけに活発な議論となりました。終了後はBankARTPubや外回りで懇親会を開催。色々な学校から参加した学生やゲストらが交流しました。今回はソウルやオーストラリアの大学からの参加も予定しているそうです。
BankARTでは今後、卒業展を市民や全国の方達にみていただけるように広報活動でお手伝いしていく予定です。
映像の祭典
今度の映像祭をどう思いましたか?BankARTスタッフはとても気に入っています。これまで行われた映像中心の展覧会の中でも、とりわけ品格とパワーを兼ね備えています。とかく映像作品というと、長くそこにいなければいけなくて、でも実際にはそんなに時間をかけることもできないので、なんだか物足りないな、という展覧会が多いのです。それにくらべて今回の住友ディレクションは、ぱっとみもよく、じっくりみもよく、映像作品のいいところとビジュアルアートのいいところをバランスよく配しているように思います。とてもいいですよ。是非、皆さんとにかく見に来て下さい。よろしくお願いします。コメント頂ければBankART1929からプレゼントがあります。
大野一雄フェスティバル2009 「禁色 work in progress 1 1957~1959」
舞踏の原点と言われる作品「禁色(きんじき)」の初演50周年を記念する企画です。
「禁色」は、1959年に土方巽と大野慶人のデュオとして上演されました。日本のButohの最初の作品と言われていますが、あまり資料もなく、実際にどのような作品であったのかは知られていません。そこで、当時直接に関わった人を招き、再現を試みました。第1日目は、「禁色」に出演した大野慶人さん、1957年に土方巽とデュオ作品を作った小原明子さん、土方巽の愛弟子の和栗由紀夫さんが、それぞれの立場から「禁色」にアプローチしました。