「クリエイティブ」と「防災」

静かな夜です。赤レンガなど、周りの施設はほとんど全て休館しています。BankARTは、これで(あけていて)いいのかと自問自答しながら、省エネ体勢でオープンを続けています。4年前、「地震EXPO」の際に行なったシンポジウムのチラシに記した文章を取り出してみました。
シンポジウムメンバー
北川フラム、河田惠昭、日比野克彦、難波喬司、上原美都男、宮本佳明、北沢 猛(司会)

『クリエイティブシティとは、都市化が進み、老朽化、高齢化し、個人や家族や社会がますます分断していくなか、芸術を育むことを起点に、街をシェアし、楽しみ、創造性と協働作業を取り戻し、新たなコミュニティを創成していくプログラムです。一方、防災都市とは、防災施設が整っている、備蓄があるということだけではなく、ライフラインや食料が途絶えたとき、どうしたら米や水を配給できるか、どのように風雨をしのぐのか、あるいは、寝たきりの老人はどこにいるのか等の、知恵や力の共有や情報の伝達能力が最も問われます。一見すると相反するようにみえるこの二つの言葉「クリエイティブ」と「防災」は、究極の時、緊急の時、何が可能かという命題に対して、「創造性」と「協働性」というふたつのベクトルで、その解く鍵を共有しているように思えます。』

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