みなとみらい線 馬車道駅で「都市デザイン横浜展」 

横浜市都市デザイン室の50年間の歩みを展示、出版、シンポジウで立体的に構成した催しが静かに始まっている。35日からのBankART KAIKOの展示に先がけて、馬車道の駅には、デザイン室の重要な仕事のひとつである「歴史を生かしたまちづくり」の成果、歴史的建造物の大型写真が、19日からゆったりとただよっている。実際には、ガンダムのプレゼンテーションと重なってしまい、どうみてもガンダムパワーの方が勝っており、横浜市の仕事はちょっと引いた感じで展示されているのがいかにも横浜らしい。

都市計画としては、1963年からスタートし、意志のある市長と優秀なアーバンデザイナーの連鎖で、この巨大都市は出来上がってきたのは事実だが、あまり固有名詞は目立つことはなく、「我が社横浜」がアノニマスに展開されてきたというのが正直な印象だろう。中身をみると、建築家では前川国男、坂倉準三、丹下健三、大高正人、村野藤吾、浦辺鎮太郎、槇文彦、伊東豊男、早川邦彦、内藤廣、等そうそうたるメンバーが、主要な建物を担ってきているし、まちづくり全体を牽引していた都市デザイナーにも、浅田孝、田村明、岩崎俊介、国吉直行、北沢猛、等、詳しく勉強している人以外はあまり知られていないが、豪腕なメンバーがそろっている。

ここまでほとんどアーカイブ本もつくらず、成果を世に問う事を行わなかった横浜が、ここにきて初めて、ゆっくりと穏やかに今迄行ってきた歩みを見せている。でもやはりこの晴れの舞台に、(コロナ禍の問題もあるにしても)レセプションも行わない横浜市。ここにいたっても、沈黙の意志表現を示そうとしているのだろうか?

皆で、静かに喜び、見守っていきたい。

展覧会は馬車道駅、BankART KAIKOにて。35日〜29

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改札を出たところに、各歴史的建造物のキャプションサイン看板を設置している。