フランス、イタリア、イギリス、オランダ、マケドニア等々、10か国16名のメンバーからなるアーティストやキュレーター、文化研究者のグループ Ouunpo (「ウアンポ」と読みます)の皆さんがバンカートを訪問しました。 世界各地で芸術活動を通して知識を共有しようというプロジェクトです。前回はレバノン、今回は日本。さながら旅する研究室というところでしょうか。日本開催のテーマは「ゴジラと不死鳥」。ユーモラスなタイトルですが、破壊と再生、東洋と西洋、危機における文化の伝承といった課題について、様々な角 度からアプローチしていくそうです。難しい課題ですが皆さんリラックスムード。いや、難しいからこそリラックスとユーモアが大事なのかもしれません。
Event
アフリカ祭 in ヨコハマ
6月1日から3日、アフリカ51ヶ国の首脳が参加するTICAD(アフリカ開発会議)が横浜で開かれました。この機会にアフリカの文化を紹介するいろいろなプログラムが開催されています。アフリカの事を少しでも知ろうと、中華街、吉田町、相生町にある3つのレストランが共同企画する「旅のレストラン」主催により、バンカート河岸では5月27日から6月2日まで、アフリカ祭が開かれました。アフリカンフードとドリンクをリムジン屋台で毎晩楽しめます。最終日となる日曜は、NYKホールで音楽とダンスのライブも開催。お天気にも恵まれ、多くの人で賑わいました。日本人にはまだまだ遠いアフリカ。これからもいろいろな交流を通して、アフリカを知ることができるといいですね。
BankART AIR 2013
今年もAIR2013のプログラムが始まった。BankARTがはじまったころは、年間を通じて、数チームが常にいるという形式だったが、全館使用の展覧会が増えてきたり、なかなかスタジオの確保も難しくなったので、最近は春から初夏にかけて全館使用数十チームに一気に場所を提供するという形式に変わってきた。今年は5.20〜7.23。
先週今週は搬入作業等。
まだがらんとしたアトリエが多いけど、日が過ぎていくうちに埋まっていくのは結構楽しい。
さあ今年はどういったアーティストが集まったか。
あさって5.31の夜7時30分からウェルカムパーティ。
雨でなければ久しぶりに煉瓦キッチンでバーベキューを行なう。
毎週末の土曜日は数チームごとにアーティストトークを行なう予定。
オープンスタジオは7.12-7.21を予定している。
BankART school 大野慶人 舞踏教室 「本質と存在について」
舞踏家大野慶人さんのスクール講座が始まりました。2004年から異なるテーマで毎年のように開催して来ましたが、今回は大野慶人さん自身が自らの原点をたどり、「土方巽と大野一雄の舞踏の基礎は何であったか」に焦点を当てます。参加者のダンス経験を問わないワークショップには、第一線で活躍する振付家から、違うジャンルで創作活動をするクリエイター、ダンスはまったく初体験の人まで様々のひとが集まりました。最初は、大野さんが1959年に土方巽の歴史的舞台「禁色」に共演したときの話しからはじまりました。そして、大野さんの分析する舞踏の動きの要素を、ひとつひとつ体験していきます。いわゆる「ダンス」とは違う動きに取り組む参加者の緊張感が、清々しく感じられ、あっという間の2時間でした。
みかんぐみ「人口減少期の建築/建築家の役割ってなに?」
スクール みかんぐみ。サマリーを掲載してみます。
定員に余裕有ります。2回目からでも参加大丈夫です。もしよろしければ!
2013年5月21日(火) 19:30-21:30
第一回 人口減少のメカニズム(人口減少の理由と、状況)
ゲスト:大江守之(慶応義塾大学教授)
曽我部さんより、最近の仕事(特に妻有、新潟などのアートプロジェクト)の紹介をしながら、最近の思考の紹介。人口減少期のあるべき建築とは、という問いへの曽我部さんなりの考え方として3つのキーワード。
「そこにあるものでつくる(持ち込まない、新しく買わない)」「自分でつくる」「新しい見立てをする」
その回答は、先に紹介された、最近の仕事をする上での基本的な考え方と、ほぼ変わらない。
ゲストの大江守之先生から、日本の人口ピラミッドの推移についての解説。過去、現在、未来への人口の推移。そしてその中でも特筆すべきは、高齢者比率の推移。特に後期高齢者層の拡大について。現代の人々が結婚をしない、子供をつくらないことから、人口は減少していく。また、これからの高齢者層は、未亡人等過去に配偶者がおり子供が既に独り立ちしているという独居老人から、一度も配偶関係のない独居老人(つまり本当にひとり)の人の比率がかなり増えていく。単に独居老人といってもその性格は変化してくる。
強い専門システムと弱い専門システムの話。
弱い専門システムは、単に地域でやればいいという話ではない。最近は、計画されつくした完璧な空間より、少々不便でも田舎の建物をリノベーションしたりというような「ゆるさ」を選ぶ社会傾向にある。集住とは、これまでは「強いられるもの」であり、それは効率的であるべきものであり、その窮屈さを免れることはできなかった。しかしこれから求められるのは、そうではないかたちの集住である。「理想の居住環境」というものの内容が、変わりはじめている。そして未来にはもっと変わっていく。当事者研究の話。
最近、広井良典氏の書かれた「人口減少社会という希望」という本が出て、話題となっている。人口減少という現象を、「問題」として考えているうちは、それらを解くことはできない。
枠組みのつくられかたで「問題」は、問題になったり、ならなくなったりする。今の価値観で「問題」であることは、未来の枠組みをつくって、それをもって考えると、解決したりする。
人口について考えるということは、社会のとらえ方を変えてくれる方法ともなる。
曽我部さんが行なってきているアートプロジェクトも、つきつめれば、そういう新しい「価値観」を創出していこうとする行為にほかならない。