みかんぐみ「人口減少期の建築/建築家の役割ってなに?」

スクール みかんぐみ。サマリーを掲載してみます。
定員に余裕有ります。2回目からでも参加大丈夫です。もしよろしければ!

2013年5月21日(火) 19:30-21:30
第一回 人口減少のメカニズム(人口減少の理由と、状況)
ゲスト:大江守之(慶応義塾大学教授)

曽我部さんより、最近の仕事(特に妻有、新潟などのアートプロジェクト)の紹介をしながら、最近の思考の紹介。人口減少期のあるべき建築とは、という問いへの曽我部さんなりの考え方として3つのキーワード。
「そこにあるものでつくる(持ち込まない、新しく買わない)」「自分でつくる」「新しい見立てをする」
その回答は、先に紹介された、最近の仕事をする上での基本的な考え方と、ほぼ変わらない。

ゲストの大江守之先生から、日本の人口ピラミッドの推移についての解説。過去、現在、未来への人口の推移。そしてその中でも特筆すべきは、高齢者比率の推移。特に後期高齢者層の拡大について。現代の人々が結婚をしない、子供をつくらないことから、人口は減少していく。また、これからの高齢者層は、未亡人等過去に配偶者がおり子供が既に独り立ちしているという独居老人から、一度も配偶関係のない独居老人(つまり本当にひとり)の人の比率がかなり増えていく。単に独居老人といってもその性格は変化してくる。

強い専門システムと弱い専門システムの話。
弱い専門システムは、単に地域でやればいいという話ではない。最近は、計画されつくした完璧な空間より、少々不便でも田舎の建物をリノベーションしたりというような「ゆるさ」を選ぶ社会傾向にある。集住とは、これまでは「強いられるもの」であり、それは効率的であるべきものであり、その窮屈さを免れることはできなかった。しかしこれから求められるのは、そうではないかたちの集住である。「理想の居住環境」というものの内容が、変わりはじめている。そして未来にはもっと変わっていく。当事者研究の話。

最近、広井良典氏の書かれた「人口減少社会という希望」という本が出て、話題となっている。人口減少という現象を、「問題」として考えているうちは、それらを解くことはできない。

枠組みのつくられかたで「問題」は、問題になったり、ならなくなったりする。今の価値観で「問題」であることは、未来の枠組みをつくって、それをもって考えると、解決したりする。
人口について考えるということは、社会のとらえ方を変えてくれる方法ともなる。
曽我部さんが行なってきているアートプロジェクトも、つきつめれば、そういう新しい「価値観」を創出していこうとする行為にほかならない。

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