ハンマーヘッドスタジオ「新・港区」の住民会議があった。スタートして約一ヶ月。まだまだエンジンがかかりきっていない感じだが、少しずつ温度は上がってきている。これだけ大所帯だとクリエイター間でも顔もしらないケースもあるので、順繰りにいくつかのチームにプレゼンテーションをしてもらい交流する機会を増やしている。今日は作曲家の川瀬さんと写真家の中川さん。こうして活動している人たちの具体的なプレゼンテーションをきかしてもらうと、この共有空間に大きな財産が集合していることを改めて実感する。
モリイクエ「黄表紙プロジェクト」
江戸の戯作者山東京伝の黄表紙のイメージをもとに、ニューヨーク在住モリイクエさんが制作したアニメーション、KIBYOSHIを上映し、その不思議な世界観の中でセッションが展開する。超歌唱家、巻上公一さん主催による、超ユニークな催しがありました。ミュージャンは、テルミンとヴォーカルを自在に操る巻上さん、さらにジム・オルーク (シンセサイザー) 、元永拓 (尺八)、シャニア・ブルーメンクランツ (ベース、ウード) といった錚々たるメンバーです。ニューヨークと横浜、楽器と身体、古典とジャズ、それぞれの世界が走り回るように交錯し、視覚と聴覚を縦横に揺さぶる、運動量の多いコラボレーションが展開します。山東京伝は読んだことがないですが、終演して我に返ると、なんとなくその世界に触れたような気がする。「黄表紙プロジェクト」は、たんにコンサートでもなく、映像上映でもなく、やはりひとつの「プロジェクト」なのだと思いました。
BankART school 講座「アート・コーディネーターの仕事vol.4」開講
展覧会やアートイベントを舞台裏で支えるキュレーターやコーディネーターという仕事。その第一線で活躍される内田真由美さんと児島やよいさんによるリレー講座「アート・コーディネーターの仕事」がはじまりました。近年おふたりが関わった「ネオテニー・ジャパンー高橋コレクション」展や「クサマトリックス」展をはじめとした展覧会の企画からコーディネーション、広報、カタログ制作など実践的な仕事の進め方を、資料や映像を交えて幅広く学びます。BankART schoolで4回目の開催。優れた展覧会とはこのようにして生まれるものなのか。受講生にはコーディネーターを目指す方も多く、現場感や情熱あふれる話に士気が高まる2時間です。
鳥公園#2 「すがれる」
2007年に結成された若い劇団鳥公園の主催する新作公演、「すがれる」がNYKホールで開催されました。この作品は、2月に大阪、3月に北九州と、それぞれ異なる環境と空間で上演を重ね、今回はバンカートの倉庫空間での公演でした。いろいろな空間と人に出会い、作品を成長させながら、自分たちも成長していく、そんな前向きなエネルギーが伝わってきます。「すがれる」は文学作品を舞台化する試みで、平松洋子のエッセイ「野蛮な読書」に着想を得ています。何気ない会話に心をえぐるリアリティがあり、それが役者の生の身体からだけでなく、映像や増幅された音やいろいろなチャンネルで立体的に造形された舞台でした。演技空間を大きくとる贅沢なレイアウトで、客席数が少なめでしたが、連日多くの皆さまにご来場頂きました。
Future Shorts Festival 2012 Spring 2012
Future Shorts Festival は、ショートフィルムのフェスティバルです。Future Shorts Japanが主催しています。「フューチャー・ショーツ」というネーミングには、短くて今まであまり注目を集めなかったけどこれからは違うよ、というメッセージもあるように思います。短い作品なので、一日に何本も上映できて、それぞれが精度の高い作品。作家さんのトークもあり。世界55ヶ国150都市でフェスティバル開催という、GOGOGO! の軽快感もうなづけます。横浜では初めての開催でまだなじみがないせいか、あまり大きな動員はできなかったようですが、夏秋とバージョンアップして続く予定。ご期待下さい!