彼らが得意とするリノベーションが今回のテーマだ。
みかんぐみがこれまで手がけてきたリノベーション建築の紹介はもちろんだが、様々なゲストをお呼びして、環境や地域、コミュニティ、不動産など、社会的な背景を掘り下げながら考えていく講座となっている。
ゲスト1組目は、埼玉県北本市で活動されているキタミン・ラボ舎の新井慶太さん。「おもしろ不動産」として、使われていなかった場所を建築家と組みながら開いていくプロジェクトを展開中。2組目は、環境の視点から、善養寺幸子さん。エコスクールと題して学校のエコ改修のお話。本日3組目は、馬場正尊さん。R不動産が始まった経緯から、現在の不動産業界の問題やリノベーションに対する考え方を伺った。来週はいよいよみかんぐみの話。
ASAKURA BankARTシアター
朝倉氏考案の舞台にも客席にもなるユニットで構成された変幻自在なニューシアター「ASAKURA BankARTシアター」のこけら落とし。パフォーマーは、文殊の知恵熱(とうじまとうじ、村田青朔、松本秋則)と村田峰紀。文殊の知恵熱は、これまでの音のでる小道具や光のロープ、巨大風船オブジェ等を駆使し、軽やかな進行で笑いを誘いながら、回廊の上部、柱周りを中心に完成度の高いパフォーマンスを披露した。村田氏は、観客を全て二階席にあげ、床に内伏になりながら、「背中で描く」の新バーションに挑戦。共に、回廊の部分(1F+2F)が客席になっても、柱の周りが客席になっても構いませんという、この劇場のチャーミングポイントを上手く使いこなしていた。
Pinter WAVE! 開幕
岡本健一演出、ハロルド・ピンター「恋人」の初日が開きました。美術はもちろん朝倉摂さんです。
舞台美術といっても今回は大げさなものではなく、アクリル系の椅子や家具のようなオブジェ。それと現場の白壁に即興で描いた20m長のドローイング。
初日の舞台の幕が下りて、ピンターの描く「恋人」同士のすれ違っているようで、繋がっていく関係が、朝倉さんの背景に埋め込まれているように見えました。台詞や動きとはちがう意識の層に語りかける美術は、朝倉さんならではのものだと、あらためて感じました。
「恋人」の公演は10月2日(土)まで行われます。詳しくは http://www.tpt.co.jp/ まで。(展覧会の半券をお持ちの方は500円引き)
朝倉氏の手の速さ
朝倉摂氏がついに現場(BankART)で手を動かした。これは、tptが主催し、岡本健一氏が演出をしている演劇作品の、舞台美術制作でのひとこま。白い壁面約20m(高さ3m)の長さの空間に一本の斜線を描くのだが、速いはやい。鉛筆をもつと、なんの躊躇もなく(なさそうに)、左端からゆっくりと右肩あがりの線をひきだす。途中で背が足りなくて、少しこう配が落ちてきても、おかまいなし。スタッフがすかさず、台座を用意し、朝倉氏は手を休めずにこの作業を続ける。しばらくすると再び背が足らなくなり、またこう配が落ちてくる。するとまたスタッフがより高い台を用意する。そんなこんなで、最後までいってしまう。この間、朝倉氏は一度も後ろに引いて絵をみようとはしない。最後まで、壁に近づいたままだ。出来上がって見ると、こう配が落ちたところだけがスピードが落ちて、いい塩梅にリズムがある直線(斜線)が完成している。まるで台を待っている時間さえも朝倉氏の手描きの術中にあるような出来映えだ。間髪いれず、その斜線に沿って、スタッフがボリュームと調子を整えていく。見事な連携プレイ。テレビ番組では何度もみた朝倉さんの絵を描く風景だが、これをNYKで拝見できるとは。
関内外オープン BankARTかもめ荘
関内外オープンで、通常は一般公開していないBankARTかもめ荘をオープンしました。BankARTかもめ荘は、海外との交流レジデンスプログラムなど滞在制作のための宿泊施設。最近では、先日のスタジオプログラムに参加したパク・チャンコックさんやアンドリュー・ヤンさん、クリスタ・ドナーさんがかもめ荘に長期滞在しました。
このかもめ荘のある野毛マリヤビルは、4階建ての建物で、1Fは矢内原充志さんがアトリエを構えており、2Fにはオフニブロールの矢内原美邦さんのダンススタジオが入居者です。
BankARTが実際運営しているのは3階はサロン、4階は居住空間、そしてペントハウスには深沢アート研究所による屋上緑菜の空間があります。猛暑で、この日にいらっしゃったお客さんもすぐに屋上から引き上げていきましたが、夕方からは涼しくなりビール飲みたい!そんな声がちらほらと聞こえてきました。
関内外オープン2010
横浜市財団の杉崎さんなどが牽引する、関内外オープンの今年のパーティ開催場所はBankART studio NYKのお隣にある、NYKよりちょっと小振りな万国橋SOKO。やはり港湾関連の元倉庫だ。民間のクリエイターチームで構成されており、現在は専門学校のバンタンデザイン、建築家の山本理顕事務所、写真家の森日出男、クレーアニメで著名な伊藤有壱などが軒を連ねている。河岸に面しているのでテラスをステージに見なして、大音量でバンド演奏可能だ。シゴカイをベースにしたオープンとは異なる派手やかさだ。森さんのスタジオを中心にしたパーティ会場には、この界隈の人たちがみんな集まっていた。創造界隈といういい方で、この間6年程度経過したが、確かに界隈ができつつある。さてこれからどこにいくのか?