BankART桜荘でレジデンスを行った栗原亜也子さんから滞在中のレポートを頂きましたのでご紹介します。
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6、7月の2か月間、私は黄金町にあるBankART桜荘にて滞在制作をしていました。
桜荘は大岡川沿いの道路に面して建っています。かつては違法の飲食店が立ち並んでいたこのエリアは現在きれいに整備され、昼間でも夜でも人や車が多く通ります。通常のギャラリー空間と違い、ガラス張りの桜荘1階の中にいると時間によって光の入り方が変わり、見るものと見られるものの関係が刻々と変化していく様子を感じることができます。
この景色のなかに作品を介入させていきたい、そう考えてここでの滞在制作を希望しました。
「Mind games 2009 in 桜荘」と題してオセロのように白と黒の絵の具を交互に積み上げていくドローイング・パフォーマンス「Mind games」と、ハーフカメラで撮った写真を小さくプリントし、ひたすら貼り付けていく「Untitled」というフォト・コラージュ作品(99年~)を同時に制作し、それぞれのアートワークをクロスさせました。
通りに面するガラス窓にペタペタとオセロ・ドローイングをしていると、窓の外の風景がモザイクのようにどんどん区切られていきます。
また、黄金町界隈を歩いて撮った写真をコラージュ作品の中に組み込んだり、建物をおおっているツタの葉をモチーフに新作を作ったりして
「今ここにいる自分」と制作とをリアルタイムで絡めていけるのは滞在制作ならではの魅力です。
毎日いろんな方々がガラス越しに覗いたり、「ここでいったい何をしているの?」と声をかけてくれます。
最初はひとの視線が気になっていましたが、毎日通ううちに次第に慣れてきて、堂々と昼寝すらできるようになってしまいました。
隣に派出所ができたおかげもありますが、以前の界隈の雰囲気を少し知っている私にとっては制作を通してこのまちの変化を肌で感じられてとても興味深かったです。
栗原亜也子の期間限定桜荘ブログ「MIND GAMES 2009桜荘」http://ayakokurihara.blogspot.com/
栗原亜也子ホームページ「あたらしい地図」 http://www.k4.dion.ne.jp/~opq1974/