東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻・修士生による成果発表展「MEDIA PRACTICE 23-24」が2024年1月12日〜14日に開催。東京藝術大学の元町中華街校舎に加え、今回初めてBankART Stationも会場となった。
2015-17年度までは、BankART Studio NYKで同専攻のオープンスタジオや成果展を行なっていたので、BankARTでの開催は6年ぶりとなる。
BankART Stationでは、修士二年8名と修士一年1名が展示。両方の会場を使った作家は2名。その一人、伊藤琴音の「音景 –駅-」は、廊下の広い空間にただ椅子だけが置かれているが、しばらく耳をすますと、自然音とは異なるサウンドが聞こえることに気づく。作家が仕込んだ音に、駅通路の音声も混じり合い、その時限りのリミックスが生まれていた。一方、倉知朋之介は県民ホールギャラリーで開催中の「味/処」展にも参加しており、3ヶ所をめぐる仕組みとしてスタンプラリーを実施した。
音、詩、パフォーマンス、インスタレーション等、「メディア」の意味を拡張して表現に取り入れた作品が多く、思いがけず視覚以外の感覚も刺激される意欲的な展示内容だった。