悪天にもめげず、Seoul Art Foundationのカンさんの案内で、主にSeoul Art Foundationの施設をまわります。
最初に行ったのは Seoul Art Space_Sindang
日本で言うと築地の市場みたいな市場の地下店舗群の中の空きスペースを活用して、主に陶器やガラス等のクラフトワークの制作の場として活用されています。共同の電気釜もある。
今後は作品のショーイングや販売にも力をいれていこうとしているそう。
このスペースの担当者Kim Jin-hoさんが手にしているのは、ジュースのビンを加工してつくったグラス。
飲物が少ししか入らず機能性に欠けるとのことだが、かわいいので売れそう。
次に向かったのが、Seoul Art Space_Geumcheon
元印刷会社を改修してレジデンススペースにしていますが、新築並みにきれいです。代表の池田がオープニングで挨拶とシンポジウムに参加したのも、この施設です。
最後に行ったのが、Seoul Art Space_Mullae
周囲が鉄鋼の町であるからか、鉄のオブジェやドラム缶でできた家具等がしつらえられている。
基本的なレジデンス機能はもちろん、近くの鉄鋼街にアーティストがたくさん活動していることもあり、彼らが活用できるようなファシリティも整えている。映像や音楽のスタジオでは、アーティストの使用状況にあわせて、必要な機材をこれからも増やしていくのだとのこと。
そしていよいよKim Kangさんの案内で鉄鋼のまち、Mullaeへ。
アーティストと鉄鋼の街は相性がいいとKangさんが言っていましたが、ほんと、面白そうなものがそこここに!
Kangさんはアーティストですが、現在Center for Art & Urban Societyという組織を立ち上げて、都市についての研究もしています。
この街は、以前に旧日本軍によってつくられたまちで、建物もすべて、鉄工所用にできています。
ですが現在は周囲に高層のマンションやビルが建ち並び、都市の中の島のように取り残されている一角です。
1Fは鉄工所。2F以上は主にアーティストたちのアトリエというのが典型的なかたち。
高層ビルから見下ろされる屋上をきれいにしてプレゼンテーションする屋上プロジェクトも展開。
元食堂のスペースはアジトのような怪しい雰囲気。
使っていない郵便受けを利用して、鉄工所に働く人たちを写した写真作品を展示。
鉄工所を営んでいるひとの98%が、場所を賃借しています。アーティストに至っては100%賃借。ということは、土地の所有者はここにはほぼいないということです。当然のごとく、再開発の話が浮上し、これまで築いてきたアーティスト同士、あるいは鉄工所とアーティストのゆるやかなコミュニティに危機が訪れようとしています。
横浜にも調査にいらしたことのあるKangさんは、アートがまちづくりに乱用されることを懸念しつつも、自分たちの場所を守っていくために、様々な活動をしています。私たちをご案内いただいている間にも、鉄工所の方たちとすれ違い様に声をかけ合う姿が印象的でした。