2007年に結成された若い劇団鳥公園の主催する新作公演、「すがれる」がNYKホールで開催されました。この作品は、2月に大阪、3月に北九州と、それぞれ異なる環境と空間で上演を重ね、今回はバンカートの倉庫空間での公演でした。いろいろな空間と人に出会い、作品を成長させながら、自分たちも成長していく、そんな前向きなエネルギーが伝わってきます。「すがれる」は文学作品を舞台化する試みで、平松洋子のエッセイ「野蛮な読書」に着想を得ています。何気ない会話に心をえぐるリアリティがあり、それが役者の生の身体からだけでなく、映像や増幅された音やいろいろなチャンネルで立体的に造形された舞台でした。演技空間を大きくとる贅沢なレイアウトで、客席数が少なめでしたが、連日多くの皆さまにご来場頂きました。