BankART妻有の目指すところは「普通の家」だ。
もちろん私たちがこの家を購入させていただく前も普通の「農家」だった。
主が私たちに移って、「大地の芸術祭の出品作の一点」になったときに、私たちの考えたことは、常に見られるという特殊な家になることは否めないけど、「家」の形式はキープしようということだった。
冬は実際に私たちでは住めないし、その他のシーズンもほとんど住んでいるわけではない。でも、会期中だけでも、スタッフが寝泊まりし、作品とともに暮らし、他人を招き入れながら、「家」をキープしようと。
その結果、様々な人たちが泊まりにくるようになった。原則、泊まりは関係者に限っているが、それでも多いときは20名ぐらいが一度に泊まることがある。とはいえ、今はお風呂もひとつしかないし、大人数がくると、食事もお風呂もパンクしてしまうので、大半はすぐ近くの「芝峠温泉」にお世話になっているのが現状だ。
まっくらな集落のなかで、ここだけが、遅く迄灯りがともり、笑い声の絶えない時間が続く。
その他もたくさん………