蝉丸氏(山海塾)が主宰する舞踏グループ黒藤院の舞踏公演。
場所は、NYKのKawamataホールの柳幸典氏の作品「Article9」の空間。
「ゴードワング」とは、蝉丸氏がどこかで出会った楽器[物体]のこと。
氏しか知らないこの物体をテーマに、6人のメンバーと共に記憶の中を旅するような演出でした。
床に横たわり上方に希求するような最後の群舞では、憲法9条の文字たちも右へ左へと流れたり、
点滅しながら動くことで発せられる赤い光が、演者の白塗りの顔とシャツを赤く染め、
文字と人が呼応しているようでした。白と赤、身体と文字の対比と交錯による光景は、
深くゆっくりと記憶に染み込まれていくようでした。