伊藤氏は、ビルオーナーでもあるし不動産屋さんでもある。東京にもいくつか物件を所有されているが、横浜関内地区には、クリエイタたちが数多く入居している常盤ビル、伸光ビル、泰生ビル、泰生ポーチなどを運用している。運用と記したには、通常のビルのオーナーとはやや異なり、あるディレクションのもと不動産を動かしているからだ。そのキーワードが「クリエイタ」というとちょっと大げさかもしれないが、価格設定の低さもあいまって、実際に上記の4棟には、およそ60チームのクリエイタの集合アトリエが既に入居して活発な活動が始まっている。そんなこんなで関内駅周辺の飲屋ひしめく街の中に、なかなかおもしろいゾーンが形成されつつあり、市が推進する創造界隈事業の動きと連動し、街の温度が大分高くなってきていることは事実である。これから現市庁舎のリニューアルも含めて、大規模な開発が始まる関内駅周辺。大きな資本が動くときこそ、伊藤氏のような地元に密着したポリシーのしっかりしたオーナー(旦那)が、小資本だけど、何か新しいおもしろい動きをしようとしているチームをサポートし続けてくれているのは頼もしい限りである。