丸山純子氏は、立命館大学卒業後、アメリカのハンターカレッジで美術を学ぶ。日本に戻ってきた彼女は、「生命」に関する作品に取りくみ始める。彼女が最初に素材として選んだものは、スーパーのレジ袋だ。通常なら捨てられる袋を丁寧にカット、集積し、可憐な白い花をつくりあげる。茎の部分は白い針金を用いてジョイントする。大地の芸術祭での米蔵やBankART Studio NYKの巨大な倉庫空間では、誰もがたちすくむ崇高なインスタレーションを展開した。丸山氏の作品をより高貴に導いているのは受ける印象の艶かしさだ。ビニールを用いた人工的な造花なので、つくりものの印象を受けるかと思えばそうではない。風にゆれ、人の動きにも適度に反応する。ビニールの原型は太古の海底に眠るプランクトンの集まりであり、生命体としての起源を有しているのだ。
初期の巨大なシェアスタジオ「北仲BRICK&北仲WHITE」での活動も特筆に値する。250名もの様々な方向を向いているクリエイターを束ね、浅井裕介さんとともに、オープンスタジオを成功に導いてくれた。彼女には、そういった側面があるのだ。