2022年4月28日 @BankART KAIKO
今年度最初の主催事業U35は、35歳以下の若手作家の個展シリーズ。今年は公募で選出された8名を2名ずつ4期に渡り紹介していく。第一期はユ・ソラ、小野田 藍の2名だ。
韓国出身のユ・ソラは2011年3月にBankART Studio NYKにて開催された日韓合同卒展「TETSUSON」に参加し、会期半ばで東日本大震災に遭遇した。その時の経験から「日常」や身の回りのものを刺繍で描く現在の作品スタイルを確立したという。本展では初期の刺繍作品から東京芸大大学院進学後に展開した立体やインスタレーション作品、白い糸を用いた新作など、彼女の作品のこれまでの変遷を一望することができる。
一方、フェイスブックやインスタグラム等SNSのタイムラインに流れる広告やニュース画像をサインペンでフリーハンドに描いていく《まるとしかく》シリーズを展開する小野田藍は、今回そのうちの約1,000枚を壁ではなく床に撒いた。まさに情報の海を徘徊するように促される観客たちは、そこに描かれたニュースをどう捉えるのか、興味深い試みである。
一見、対照的な表現にみえる二人だが、どちらも日常生活の身近にあるものを基点とし、日々淡々と制作を行う芯の強い作家たちだ。
会期は5/15まで、BankART KAIKOにて。