【アートラーニング・インタビュー #16】BankART Life7 参加アーティスト・柳 幸典 by BankART実験広報部

こんにちは!
BankART実験広報部の福谷です。

今回はBankART Life7の表紙を飾る、あの大きな土玉を作られた柳幸典さんにインタビューさせていただきました!
駅を通る人々に大人気の土玉について、詳しく聞いていきます🎤

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Q.今回の作品のコンセプトはなんですか?

柳:ほら、子供の頃泥団子って作らない?そのまんまなんだけど、でっかいの作ってみようかなって。ちょうど作家活動を始める出発点に何をやろうかと思った時、一番シンプルで出発点に相応しいこととして子供の頃やってたようなことを繰り返そうと思ってね。その頃は移動をテーマにしていて、移動するときにどうしても車に乗ったりとか自転車に乗ったりとかいろいろするんだけど、球体っていうのは移動ができる一番ミニマムな表現なんじゃないかって。しかも本来動かないはずの地面の土が動く。そんな感じ。

Q.ガイドブックによると被災地の土とか沖縄の辺野古の砂を実際に使っているとか。何か理由がありますか?

柳:別のところにあるものを全く別のところに持ってくるということで考えさせる。例えば福島の震災地から電気を東京に持ってきていたわけだよね。でも目に見えない。それを人が立って歩く地面が東京に来ることで、そういったことを考えさせるみたいな感じです。

Q.めっちゃ大きいじゃないですか。あの大きさに意味とかありますか?

柳:移動の話に戻るんだけど、フンコロガシって昆虫がいるじゃない?要するにフンを玉にすることで移動ができる。そのサイズの人間が転がせそうなギリギリの大きさです。

Q.今回は中が空洞ですが、実際に全部土で作ったものとかあるんですか?

柳:砂浜の砂と漂流物だけで作ったやつとかあって、原子力発電所があるすぐ近くの砂浜なんだけど。砂浜だから大きくて重くなると動かせないことあるけどね(笑)。あとアメリカで牧草地の牧草をどんどん剥いで丸めていったりとか、大きな風船に表面に土貼ってヘリウムガスで浮かせるやつとか。浮くっていうより無重力になるような状態でさ、時々降りてきたりとか空中に止まってる。そういうのも作りました。

Q.普段はどんな活動をされてるんですか?

柳:要するにさっき言った子供の頃やってたようなことを大人になってもやってます。子供の頃は無自覚なことが、大人になってやることでいろんな社会問題を思うわけだけど、例えば蟻をひたすら追いかけて地図を作ったりとか、砂絵を作って蟻に国旗を解体させたりとか、そういった子供のままやってるみたいな感じです。

Q .今回のテーマが都市なんですけど、柳さんにとっての都市や作品と都市の関係を教えてほしいです。

柳:僕は都市が苦手で。東京もいたしニューヨークも10年ぐらいいたりずっと都市にいたんだけど、その反動で今は橋のない島に住んでいて(笑)。まあ極端なんだけどさ、ある程度の年齢になると都市にちょっと距離を置いといた方がいいなって。人間って野生に放り投げられるとすごく弱いんだけどさ、都市にすることで自分にとって都合のいい世界を作ってる。虚構の世界。それはそれでいいんだけど、たまに来るぐらいでいいかな。このコンクリートを剥ぐとリアルな野生の世界が出てきちゃうわけじゃん。土玉はそれを逆転させてるみたいなものだよ。

Q.今後の活動の情報があったらお願いします!

柳:ひとつはね、来年の春にミラノのハンガービコッカっていう巨大な美術館で個展があるのと、おそらく同時期になるんじゃないかな、今韓国に、自分の作品を納めるための美術館を設計していて、まあ美術館というほどの大きさじゃないけど湖面に本当に浮いている美術館、それも完成すると思います。

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柳さんの美術館とても楽しみです。

ぜひ行きたいですね!

柳さんの作品についてはこちら👉Yanagi Yukinori

美術館のプロジェクトの詳細はこちらから見ることができます👉YANAGI+ARTBASE

柳さん、ありがとうございました✨