【多様な地図で巡るツアー】身ひとつで生きる~奥能登アートクラフト トークイベント「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」

BankART実験広報部 劉が書いています✍

BankART Life7に作品を展示している奥能登アートクラフトのトークイベント「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」に参加しました✨

今回のトークイベントは、「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」と題して小林晴夫(blanClass)さんの進行の元、今瀬風韻さん、加藤修央さん、高畑圭介さん、萩のゆきさん、山田睦美さんの皆様の話を聞き、より作品に込められた思いや災害後の作品に対する見方の変化を知ることができました。

トークイベントでそれぞれの作家の話から印象的と思ったところについて書いていこうと思います。✍

加藤修央さん(漆作家)の話では、その住んでいる場所についてのリアルな話をたくさん聞くことができ、奥能登をより知ることができ面白かったです。話の中では、20年後には職人たちは減っていくと言われていて、災害がそれを前倒しにしたとおしゃっていた際に不思議な気持ちになりました。

今瀬風韻さん(輪島塗下地職人)の話では、東輪島塗は分業制で完成までには多くの職人がかかわっているという話から災害により、職人が減ってしまった現状を知りました。そのことから、後悔しないように関わっていきたいという思い、やりたいことをしていく、これから伝えてくれる人を育てていく、制作を伝える、やりたいことをする、作ること、学ぶことを守るきっかけになっているのを感じました。

山田睦美さん(珠洲燒作家)の話では、被災した当時の風景や感情が伝わり、大まかな囲った言葉ではなく、当事者が感じたものを感じることができました。その中で、ポジティブな言葉が嫌いになる、まだ頑張らなきゃいけないのか、という感情になり疲れてしまうという言葉がとても印象的に感じました。この言葉から山田さんの感じた辛さが伝わりました。

高畑圭介さん(レザークラフト作家)の話では、悲しいことがたくさんあったが、それをプラスにするために制作する。プラスに見せれるように作っていく。生きていることがもう財産であり、プラスを作っていくという思いと言葉から力を感じました。全てが当たり前ではなく、何事も大切にしていきたいと感じました。

萩のゆきさん(の菓子研究所)の話では、屋根の瓦が崩れた途端にいらないもの、ダメなものになってしまう、ということの不思議さを語らせていました。また、大切なものを失った反面、本当に必要ではないものたちにも囲まれて生活していたということに気付き、断捨離になるきっかけになり、気楽になった。ものを求めなくなり執着が減ったということから、このような見方があることに驚き、実際に被害を経験した後には感じるものが違うのだということをあらためて感じました。

トークイベントでは、作家さんが作品に対する思いや考え方を詳しく知り、自分がなにかを始めるきっかけになったり、自分の知らないものを知るきっかけになると思うので、ぜひ機会があれば次のイベントに参加してみてください✨

以上私、実験広報部の劉が印象的に感じたことでした。

【多様な地図で巡るツアー】身ひとつで生きる~奥能登アートクラフト トークイベント「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」

今瀬風韻、加藤修央、高畑圭介、萩のゆき、山田睦美 
進行:小林晴夫(blanClass)
2024/5/5 sun. 19:00-21:00

今年元旦に起こった能登半島地震で被災した奥能登のクラフトアーティストたちへの応援プロジェクト。
その参加作家から5名の作家にお話をお聞きしました。

やはり、それぞれ違う経験をして、4か月経った今の状況もそれぞれ違い、これからもきっとそれぞれ違うのだと思いますが、復興といって、それは元の状態に戻るのではなく、町だけじゃなく個人でも、新しく作っていくことなんだなぁと思いました。

聞きに来ていた出品作家の山岸優羽さんも一緒に奥能登ポーズ👍
トークの様子は近日中に公開予定です。

テキストと写真:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー  ミルク倉庫+ココナッツ[配牌(パイズ)ダービー]♯2 

今回はメンバー全員が出走。
アバターもですが、前回にもましてプレイヤーの審査基準を決める話し合いが白熱した感じです。
最終レースはアバターはプレゼンをパフォーマンスでしなければならず、まさにここでしか見られない作品になっていました。

テキストと写真:blanClass

オークションを経て作品を手にした皆さん。

【多様な地図で巡るツアー】電子音響ピープルプロジェクト Sound Scape & Sound Montage workshop @ BankART Station

電子音響音楽の創出に関わる満足感高いワークショップ、今回は「BankART Life7」ツアー担当の桑原がレポートします。

今回のツアーはワークショップ主体で、日常、聞き流している様々な「音」を改めて認識し、「音」に関する感覚を高めていくフェーズと、「音」自体を作り出し、それを素材に「音楽」を作り出していくフェーズに分かれています。13時から17時までとなかなか長丁場。前半の部分はともかく、後半はどのように進むのか、興味津々です。

さて、始まりました。

最初に電子音響音楽や環境音についてのレクチュアを少し。電子音響音楽は、「なんの音か」より「どんな音か」を中心に音を味わうもの、「音が出ているからには、その原因となることが目に見える形で起こっているはず、それと音を一体化して感じる」ということなのだというお話。この後、マリー・シェーファー(カナダを代表する現代音楽の作曲家。サウンドスケープの提唱者)の本「世界の調律」で述べられていることや、ロバート・カーソンの「46年目の光」のエピソードなども交えての説明は、これから「音を聴く」ことに関しての意識を高めてくれました。

その後、記録用のシートを受け取って外へ出かけます。BankART Stationの前の通路、外の広場、歩道橋の上などで耳を澄ませ、どんな音が聞こえてくるのかを記録していきます。

意外に難しかったのは、最後に歩道橋の上で行った、「どんな音が・どんな順番で・どっちから」聞こえてくるかを記録して行くというもの、3つの要素をどのように記録するかを考えながら書いていくのが思いの外大変でした。

その後、戻って、各参加者が聞こえた音を発表していきます。自分がそのとき聞こえていなかった音を記録している人がいたりして、はっとします。記録の仕方もいくつかあって、例えば「こどもの話し声」、「エスカレーターの音」といった記録の仕方もあれば、「ブーン」「コツコツ」「ドンッ」といった、いわゆるオノマトペ的なものもあり、そういった面でも、それぞれとらえ方が異なるのだなと人との違いを再認識しました。

そうやって「音」に対する感性を高めたあと、休憩を挟んで、いよいよ、「音」を創り、それを紡いでいくという作業になります。

今回は、あらかじめ何か音を出すものを各自持ってくるということで、各人、いろいろ持ってきています。ペットボトル、ネックレス、ホッピーの瓶とバリエーション豊か、柴山氏は「オイルが少し残る缶の中に小石のようなものを一つ入れた」という品で、少し遅れて「コトン」と落ちる感じの音が気に入っているとのこと。参加者は最初に名前を言ってから、持ってきたものを音素材として録音していきます。

全員が録り終えたら、各自に用意されたパソコンでその音を材料に15秒ほどのフレーズを創っていきます。利用するのはAudacityというサウンド編集ソフト、基本的な編集は易しい操作でできるもので、初めてでしたが割とすんなり操作できました。

しかし、操作は出来るものの、意図したようなフレーズを創るのが難しい。これまでいわゆる「打ち込み」作業は少し経験があるものの、「ガイドのリズム無し」、「そもそも素材の長さや音程がない」もので、「こんな感じにしたい」というものに近づけるのがむちゃくちゃ難しい。正直、できあがったものはイメージしたものとだいぶ違ってしまいました。しかしとにかくあっという間に時間が過ぎて、作業時間終了。作成したものを、みんなで聴く時間となりました。

音の使い方など、当たり前ですがみんな違って面白い。「フレーズ」というには少々抵抗があるけれど、こんな感じのものを創りたいのよ!という意図のようなものが伝わってきます。おまけに、柴山氏の「いやー、この音の使い方がいいですねー」とか「ここで、間があるのが表現を拡げてますねー」とかの絶妙な褒め方で、なんだか、「電子音響音楽創れちゃってる、俺~」みたいな気分になります。

長丁場でしたが、時間があっという間にすぎ、満足感高めでワークショップを終えました。今後、今回の音、フレーズを元に、編曲して、BankART Stationで行われるコンサートでお披露目となります。(5月26日(日)を予定)

今回参加してみて、「電子音響ピープルプロジェクト」が目指す「音楽の受け手としてではなく、少しヘンテコな音楽を自ら創るアーティストとして、共にその体験を楽しむこと」を、充分に感じられるツアーとなっていたことを改めて実感しました。

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー  今井しほか+大石一貴 「影を描く、影を送る」♯1 

馬車道、関内周辺から象の鼻パークまで、街を歩きながら2人が各ポイントで絵描くイメージを使って影送りしました。

空を見上げて像を浮かべるという行為が、自身の網膜・脳内で起きている残像現象ではあるけれど、なにか文脈が生まれるというか、その不釣り合いな感じが不思議でした。

次回は5月25日(土)19時集合 夜の影送りです!

写真とテキスト:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー  山本浩貴(いぬのせなか座) 「死の視線」をつくる♯2 

前回の3時間みっちりレクチャーからガラリとかわり、外に出て、その場所と静かに向き合う時間でした。

そして、それを言葉にするのですが、参加者の皆さん難しそうな顔していましたが、しっかり文章にしていて、さすが山本さんのWSに参加してくる方達でした。

1回目に書かれた文章をシャッフルして配り直し、他の人の文章を受け取って、もう一度考え言葉にするのですが、その微かな他者との接点が、どんな風に言葉にまたは外を歩く体に影響したのでしょうか。とても静かなワークショップでした。

写真とテキスト:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー 佐々木文美 空中の歩道橋♯1

みなとみらい周辺にはたくさんの階段であり橋でもある歩道橋があります。ビルとビルを繋ぎ、車道と歩道を分け、人々の移動を可能にします。

その上ちょっと高い位置からの景色を味わうことができます。

イベントで引用された倉俣史朗のテキストにある元来の橋の役割は歩道橋に残っているかもしれません。

知ってましたか?新高島駅の4臨港パーク口の階段はフィラデルフィア美術館のロッキー・ステップスと同じ72段なんです。

テキストと写真:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 VERDE+吉田山による「都市GENEの抽出・反転・流通 ワークショップ WS for Extraction, Reversal and Distribution of Urban GENE」♯2

こんにちは!

本日もバイト広報チーム福谷が書いています ✍️

今日はBankART Life7 にも作品を展示している吉田山さんの企画「都市GENE の抽出・反転・流通」のワークショップに参加させていただきました!

今日はBankART の外に出てカップヌードルミュージアム近くの海辺へ。とても良い天気で桜も綺麗です

向かう途中今日のツアーコンダクターVERDE(ヴェルデ) さんにお話を聞いてみました。 VERDE さんは植物の探求と表現のグループで、スペイン語で緑という意味らしいです!今日いらしてた三人とも本当に探究熱心で、移動中もそこらに生えてる木や花と土の関係について話されていて、私も興味深く聞いていました。

今回のワークショップは、普段とは違う視点で植物を観察し、その後松を蒸留させ松の香りを体験、最後にみんなで観察して発見したことをディスカッションする、という内容盛りだくさんです。

ワークショップの中で写真にあるビャクシンという植物をみんなで触って観察したのですが、すり潰すとほのかに針葉樹の香りがして面白かったです。中には食べた方もいたようで、思ってたよりはライトな苦味だったそうです(笑)

参加者には普段は林業をしている方や仕事で植物を研究してる方など多方面から植物に詳しい方がいて、ディスカッションでは本当にたくさんの視点から意見が飛び交いVERDEさん達も参加者の方もみんなとても楽しそうでした✨

今回のツアーは前に比べ、参加者同士もVERDEさん達もみんな気軽にお話されていて、とてもアットホームな雰囲気でした。私も色んな方とお話できて楽しかったです!

元の企画の吉田山さんの作品は普通の地図ではなく、BankART Station を中心とした半径 5km の円形の地層を表した地図です。見た目だけでもとても綺麗ですが、説明を聞いて更に見るのが楽しくなってずっと見てしまいます…👀

こちらなんと版画で一枚一枚手で刷られていて、BankART で税込13,200 円で購入もできます!購入されて地図が流通することが企画の一つでもあるみたいなので、欲しい方お気軽にお声がけください!お待ちしております😊

福谷

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー ミルク倉庫+ココナッツ「配牌ダービー」♯1

2024/4/6 sat. 11:00/13:30/16:00/18:30

プレイヤーによって導き出されたお題に対し、ミルク倉庫+ココナッツのメンバーが作品を作ります。プレイヤーは誰が一番良い作品を作るか予想し評価基準を決めます。出来上がった作品のプレゼンを聞き順位を決めます。作られた作品はオークションにかけられます。
なかなかハードなレースでしたが、短時間で形にしてくる瞬発力は流石です。
次回は5/4(土) なかなかレアな作品が出来上がる上に格安で作品購入できるチャンス!
ぜひプレイヤーとしても、オーディエンスとしても参加をお待ちしています。

写真とテキスト:blanClass

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー 山本浩貴(いぬのせなか座) 「死からの視線」をつくる♯1

2024/3/30 sat 14:00-

ゲスト:なまけ(いぬのせなか座)

3時間みっちり、吉本隆明の『ハイ・イメージ論』から〈世界視線〉とは、それによってどう都市を見るのか、由来となる〈死からの視線〉について、山本さんの思考回路を見るようでした。次回はワークショップです。

2回目は、4月20日(土)13:30-

写真とテキスト:blanClass