7-9月期の火曜日は、元メセナ業議会理事の加藤種男氏を講師に迎えた「美術史の解体と構築」がスタート。
通常の美術史は、画家や彫刻家が美術史のなかでどう位置付けられ、発展していったかについて語られているが、今回は美術を広い見方や視点、どういう風にみえるかを考える。つまり、作家、作品などの関係をプロジェクトとして、読み解いていく。作品だけで取り出されることが極めて不思議な出来事かを解説するために、初回は、バロック期フランドルの画家ルーベンスと鎌倉期東大寺で活躍した運慶快慶について。
ルーベンスは外交官のように、運慶快慶は起業家としての活動があったなど、東西二人の巨人には、社会との関わりへの共通性があることについて言及。目からウロコ満載の講座です。
Event
BankART AIR 2017終了 2017年6月20日
BankART AIR 2017が終了した。いろいろ思うところもあるが、「やっぱり制作の現場はいいな」ということにつきる。ニューヨークのギャラリーが取り扱い作家を決めるには、取り急ぎアトリエにいってどんな風にやっているか、どのくらい作品量をもっているかをみるというのを聞いたことがある。数十前のこんな話と現在のAIRプログラムとを比較するのはどうかとは思うが、実際にリアルな情報が、作品制作の方法はもとより、何を食べているか、夜型か朝型か等、自然にこちらに伝わってくる。一方、真反対のことも感じる。作家のことを知りすぎるということだ。知らなくてもいいこと、神秘的なことが全て真裸にされて、作家にいだいていた壮大さ、不思議さが、飛んでしまう。BankART AIRもまたそんな「現場」が垣間みれるプログラムである。つくること、みてもらうこと、つくったもの、つくる人同士の共同幻想等々。これまでおこったこと、これからおこることの「るつぼ」が可能性としてここには繰り広げられている。
BankART AIR OPEN STUDIO 2017 2017年6月18日
4月から約二ヶ月間、BankART Studio NYKで制作してきた43組のアーティストによるオープンスタジオが、6月9日(金)からスタート。梅雨入りし、天気が危ぶまれたが、快晴のなかオープニングを賑やかに迎えることができた。
パーティのメニューは、いつもどおりの、みかんぐみのレンガキッチンでの焼き肉や焼きそば、お寿司。みんな食べるのがはやい。
今回は、地方都市から参加しているチームに加え、台湾、アメリカ、オーストラリアなどの海外組が7チーム。毎週末のアーティストトークは毎回満席、作家同士の交流も活発でプログラムとして大分定着した感じだ。オープンスタジオ初日300人を越え、とても活気があった。期間中には、スタジオアーティストの企画するイベントが多数開催された。公開の会期は6月18日(日)19時まで。
関連イベント: http://bankart1929.com/archives/1793