文化庁文化芸術の海外発信拠点形成事業助成により、3月1日から31日までバンカートで滞在制作を行っているジョン・バレット氏が、氏の構想する映像と音楽のインスタレーション作品についてレクチャーを行いました。バレット氏は、アイルランド出身で近年はベルリンを拠点に活動しています。現在、戦争と現代詩をテーマにした作品、「We’re Here」の制作を行っており、今回の滞在では、1920年代の日本の詩人について調査を行いました。「We’re Here」が、時代を共有する芸術の問題を踏まえて、どのような作品に発展するのか、そして、作品が世に出る頃は世界はどのようになっているのか、いろいろと想像をかき立てるレクチャーでした。
Event
鈴木了二展 “My Favorite Things”2014.3.10
〈物質試行〉シリーズを一貫した表現テーマに掲げ、70年代より現在まで約40数年に及び国内外で精力的に活動を続けてきた建築家・鈴木了二氏の早稲田大学教授退任を記念した大規模な作品展示会と講演会を3Cギャラリーにて開催。1970年代の初期作品から最新作まで大小の模型や彫刻作品、壁面には建築作品のドローイングや絵画作品が整然と並んだ。
また会場では、展示期間中5日間に及ぶ鈴木了二氏の連続レクチャーも開催。
建築を中心としながら、映画・音楽・絵画・文学とさまざまなメディアを横断する建築的思考に触れることができる充実したレクチャーであった。スライドや映像や音楽を駆使したライブのようなレクチャーは、毎回満席で、立ち見がでるほどの盛況だった。
アントニ・ムンタダス講演会 2月28日
AIRプログラムで、2月8日から3月21日まで滞在および調査活動をしているアントニ・ムンタダス氏の講演会をkawamata Hallにて開催しました。1942年生まれのムンタダス氏はバルセロナ出身で、現在はニューヨークを拠点に活躍する著名なアーティストです。本講演では、横浜滞在の中間報告として、ひとつの言語を別の言語に移し変えるという「言葉の翻訳」を、言葉に限定しないで、時代や場所でも置き換えてみるという「On Translation」、及び最近制作をしている「AsianProtocols (Korea, Japan, China)」の二つの作品を中心に氏に説明していただきました。日本語通訳には東京藝術大学名誉教授の木幡和枝氏にお願いしました。
ムンタダス氏の日本語の文献は少ないため、氏の世界各地での政治や権力への風刺を含む多彩なプロジェクトを日本語で聞ける非常に貴重な機会となりました。
ダンサーを迎えてのクロッキー会vol.11 2015年2月22日
2月22日、Kawamata Hallにてダンサーを迎えてのクロッキー会が開催された。
動き、踊るモデルをどう描きとどめるか。
11回目となる今回は、イデビアン・クルーの中村達哉氏と山海塾の松岡大氏によるダブル・モデル。
そもそもこのクロッキー会は、橋村至星氏の発案のもと、ハンマーヘッドスタジオ新・港区で始まったもの。
他ジャンルのクリエイターがともに活動する場だから自然に生まれた会だ。
もはや建物もなくなった新港ピア(元新港区)だが、現在でもこうした会が継続されている。
新・港区のアーティストの橋村至星氏の強い意志とそれに共感する人々によるものだ。
今後も定期的に開催予定とのこと。興味のある方は是非ご参加を。
https://www.facebook.com/dancecroquis/
対馬アートファンタジア報告会 2月21日 150221
日韓の国境に位置する対馬で、2011年から対馬市主催で開催されている「対馬アートファンタジア」。企画運営を行っている広島市立大学芸術学部の教授である伊東敏光氏、 チャールズ・ウォーゼン氏をお招きし、展覧会の様子をスライドをみながらお話を伺った。参加作家たちは対馬で滞在制作し、対馬の材料を用い、対馬をテーマにした作品が多いとこと。また年々韓国の参加作家が増えてきており、古くからの交流の十字路である対馬で価値観の異なる人たちの新しい交流がアートを通して展開されてる様を垣間みることができた。
今後は来年度の開催に向け、恒久的に使用可能な古民家を確保し、アーティスト・イン・レジデンスの準備を始めいるとのこと。またアジアの他の地域との連携も取り、アジアにおける文化交流の一つの拠点となる事をめざし活動を進めていくそうだ。BankART1929が継続して行なっている「続・朝鮮通信使」も対馬は幾度か滞在したことのある重要な場所。これからも対馬アートファンタジアの活動と連動していきたい。