台風が対馬を直撃

8月11日深夜、台風4号が、九州北部すなわち我々が滞在している対馬を直撃。
激しい雨風の中、朝出航予定の壱岐行き船は欠航。まるで絵に描いたような、当時を彷彿させる潮待ち、風待ち。
8月11日16時現在、台風一過でなんとか12日の早朝のフェリーは出航できそうだ。待てば海路の日和あり。

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対馬の朝鮮通信使をちょっぴり

対馬歴史民俗資料館へ館長阿比留さんを訪ねる。
建物の隣では昨日のアリラン祭りの衣装を洗濯中。
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対馬藩主宗氏の菩堤寺万松院へ。
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123段の階段をのぼり、大きな杉の木が鬱蒼と散立するなか、宗家代々のお墓がひっそりと佇んでいる。宗家19代宗義智は文禄慶長の役や関ヶ原役に出陣、またその後は逆に幕府と朝鮮との中に入って国交回復にも尽力した人物。偽国書の話は有名だ。

雨森芳州のお墓がある長寿院へ。芳州は対馬藩に仕え、江戸中期の朝鮮外交を担当した人物。儒教はもとより、漢詩文にも朝鮮語にも通じていたので、通信使一行にとって最も頼りになる日本人だった。
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お船江へ。当時の対馬藩の船着き場。当時の石垣が美しい。
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写真家の仁井さんの推薦で、通信使のキーパーソンである橘さん宅を訪ねる。市役所の本石さんも訪ねる。
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台風が近づいてきた。雨がぽつりぽつり、あやしい。

ジェットフェリーで釜山港から対馬へ

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国境をこえる瞬間。

対馬厳原(いづはら)へ到着。朝鮮通信使はこの厳原を経て、藩主宗家の先導で江戸に向かった。鎖国時代の日本における海外の窓口は長崎だといわれているが、当時対馬は朝鮮と大陸とを結ぶ重要な窓口として栄えていた場所だった。

朝鮮通信使の宿でもあった西山寺に宿泊。とても風とおりの良い気持ちいい建物。西山寺は、室町時代からも深く朝鮮と関係しており、豊臣秀吉の出兵によって悪化していた日朝関係を修復し、平等な友好関係を維持する役割を、この寺の僧が果たしていたらしい。
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アリラン祭

8日、対馬で開催された厳原港まつり「アリラン祭」にBankARTの別メンバーが取材。地元の方や韓国の学生らおよそ300人が参加。華やかな音楽や旗、舞踊、衣装。一回の朝鮮通信使の当時の規模は、500人の朝鮮通信使、日本人の4,000人の警護団、接客チーム、300日の往来、800億円といわれる予算。その片鱗を少しばかり感じることができた。

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釜山の2日目

釜山の2日目は、朝鮮通信使の歴史が展示されている釜山博物館へ。
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通信使の重要な研究者、辛 基秀氏が収集した資料も展示されていた。日本語が堪能な学芸員の柳 純女さんにご案内いただく。
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当時の王室の衣装を実際に着させてもらえた。

今回のプロジェクトにも関わってくれるアートスペースBandeeに向かう。代表のKim South Younさんからお話を伺う。
これまた今回参加してくれるやはり釜山に拠点があるアートスペースBaeのKim Dae hongさんたちと合流。
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朝鮮通信使が日本に向けて旅立つときに航海の安全のために海神祭を行なった永嘉台へ。
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次に、倭館があったといわれる龍頭山公園へ。倭館は当時10万坪を誇った日本人の居留地。対馬藩の人達(男性)などが約500人、交易や朝鮮通信使の接待の為に住んでいたそうだ。現在は、石碑があるだけで何も残っていない。公園として緑豊かな敷地となっている。
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そのあと釜山の巨大な市場を見学。&食事。本当にこれぞアジア。
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ソウル日本文化センター(国際交流基金)で、所長の本田氏とミート。釜山の友人たちと

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ソウルアートファンデーションのOh jinny氏 他、さらなる参加メンバーとも合流。

KTXでソウルから釜山へ。2時間50分で到着。釜山のアートスペースBaeという組織が主催している、釜山駅近くの病院跡を使ってのイベントのオープニングに参加。日韓の多くの知り合いが参加しており、飲み会へ突入。

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続・朝鮮通信使 ソウルからスタート

いつもは金浦空港ですが、チケットがとれずに今回はインチョン空港。
空港からの車窓から。
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まるで韓国の将来を予感させるような広大な広がりを眺めながら市内に向かう。漢河を越えるとソウルの中心地。日本から3名でお迎えに。西橋ホテル泊。夜、早速今回参加してくれるソウルアートファンデーション(BankARTと協定を結んでいる)のメンバーと食事会。今回ファンデーションの関係者は4人参加する。
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続・朝鮮通信使

いよいよ「続・朝鮮通信使」のプロジェクトが始まります。韓国のソウルをスタートに、釜山、対馬、下関、瀬戸内を通って、大阪、横浜、そして新潟妻有が最終地点の予定です。
「よしみ(信)をかわす(通)」の意で、江戸幕府が二百数十年間、招聘し続けた朝鮮半島からの500人規模の文化使節団『朝鮮通信使』。BankARTでは、新たに「続・朝鮮通信使」というかたちで、今年はそれらが通ってきた道筋をトレースし、各地域との交流のネットワークを拡げる試みを行います。
今日は、そのスタートとなる出発式を開催。
スタジオニブロールの矢内原充志さんデザインの衣装と川瀬浩介さんの音楽でめぐり歩きます。旗も白井美穂さんや牛島智子さんらの作品をなびかせます。
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BankARTの『続・朝鮮通信使』は随時ブログ等でお知らせしていきますので、お楽しみに。
それでは、いってきます!

越後妻有大地のお祭りスタート

昨年の越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」に引き続いて、今年は「大地のお祭り」がスタート。開催にあわせて、BankART妻有桐山の家もオープンしました。今春の大雪から一転、緑も生い茂り蝉の声が響きます。

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既に、バスツアーの方や海外からのお客様もいらっしゃっています。
プールに水を張って暑さしのぎ。
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この夏の期間、8/31までオープンしています。
冷たいお茶を用意してお待ちしています。ぜひ遊びに来て下さい。

多摩美術大学芸術学科 「~展」開催

「~展 NAMI EXHIBITION」がスタートしました。BankART Mini ギャラリーを会場に25名のアーティストの作品が展示されています。展覧会タイトルの「~」は、何かをリアルに伝える波動のようなものを表現しているとの事。
この展覧会は、多摩美術大学芸術学科の授業の一環として行われ、作品の展示はもちろん、キュレーションも学生自身がおこないました。また、学生の中には、韓国からの留学生もたくさん参加しています。

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7月31日にはオープニングパーティを開催。担当の海老塚耕一さん、上田雄三さんのご挨拶があり、多くのお客様が来場されました。
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展覧会は、オープンスタジオと同様、8月5日までの開催となります。