アーティストたちが開く、BankART Station 最後の展覧会 「アライブ!展」

アライブ!展 @ BankART Station
2025年3月22日・23日
photo:中川達彦

以下、アライブ!展実行委員会の山本愛子さんより

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アライブ!展に関わってくださったすべての皆さま
本当にありがとうございました。
たくさんの方に足を運んでいただき、
おおきな事故もなく、
無事に2日間の会期を終えることができました。
 
実行委員会へ、
「感動した」「歴史的な日」「ありがとう」
といったお言葉が多数届いております。
すべては関わってくださった皆さま
1人ひとりのお陰です。
はじめて参加してくださった方々もありがとうございます。
 
BankARTが愛されていることが目に見えました。
池田修さんも見守ってくれていたと思います。
 
わたしの至らない点も多く、
ご迷惑もたくさんおかけしてしまいましたが、
初めてのことだらけのなか、
BankARTの細淵さんと津澤さんに全面協力いただき
勉強の連続でした。
BankARTじゃなければ実現できませんでした。

今回の経験は、これから作家としての自分も
変えていくものになったと感じています。

 
現在2日間の総売上を集計中です。
収益の50%以上を、
次年度のBankARTの運営資金として活用いただきます。
また、記録映像・写真などのアーカイブも
編集いただいております。
4月以降また皆様にご報告できるように進めます。

最後に、アライブ!展の企画運営に携わり、一緒に作り上げてくださった皆さまの名前を記させていただきます。
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アライブ!展実行委員会
 
新城順子 磯野玲奈 今井さつき 今井菜緒 岩瀬圭司 牛島達治 北風総貴 セキナオコ 高橋紀子 津澤峻 葉栗翠  細淵太麻紀 野老朝雄 中川達彦 野地真隆 藤川琢史 松岡未来 丸山純子 宮森敬子 村田真 山本愛子 

岩竹理恵 折原智江 片岡純也 川口ひろ子 木村有貴子 栗原元 さとう りさ 杉崎栄介 鈴木雄介 滝沢葉子 田草川紘一 似て非WORKS ハマベユミ 深沢アート研究所(カブ)

BankART1929 細淵太麻紀 津澤峻 桑原健太郎 アルバイトスタッフ
 
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【横浜市台北市交換AIRプログラム2024】Zheng WenHao(チェン・ウェンハオ)氏、滞在制作中!

今年は鄭文豪 Zheng WenHao(チェン・ウェンハオ)さんが横浜に滞在します。鄭さんは1994年台湾の桃園で生まれ、現在は台北を拠点に作家活動を行なっています。

これまで彼は様々な素材を使い機械仕掛けの作品を制作してきました。ささやかに時に大胆に起動する動きや、静謐な空間に時おり響く様々な音は、日常生活に散りばめられ、見過ごされた身体感覚を呼び起こします。

横浜滞在では「老い」をテーマに制作を行います。人間の「老い」は機械の「故障」と似ていると語る鄭さん。滞在期間中は老人介護を経験された方や介護関係の方との交流から得たアイデアを元に作品へと昇華させていきます。

鄭さんにとってはじめての海外での長期レジデンスです。3月の成果発表ではどのような作品が展開されるかご期待ください。

滞在期間は2025年1月4日〜3月31日 。
3月19日(水)からExPLOT Studioにて成果展を開催予定です。

インタビュー終わりに。右:伊東誠さん(伊東純子さんのお父様)左:鄭文豪

東京造形大学写真研究所 学外展「ミクロな視点とマクロな視点」開催中!

昨年に引き続き、東京造形大学 写真専攻領域の学生展をBankART KAIKOにて開催しております。会期中には、シンポジウムや、作品鑑賞会、公開講評会などのイベントも盛りだくさんです!

みなさまのご来場をお待ちしております。

以下、主催者より

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東京造形大学写真研究所 学外展「ミクロな視点とマクロな視点」

会期:2024年11月22日(金)〜11月28日(木)

11:00-19:00(最終日は16:30まで)

会場:BankART KAIKO

無料

東京造形大学写真研究所の学外展「ミクロな視点とマクロな視点」が開幕いたしました。

東京造形大学写真専攻領域では、自己の表現を「研究」という視点から捉え直すことで、客観性と社会性を獲得することを目指しています。学生は1年時から各自のテーマを持ち、それぞれの手法で日々研究をしています。3年生を対象にした研究指標科目「写真表現研究」では、その成果を学外展を通じて広く発表しています。今年は「ミクロな視点とマクロな視点」をキーワードに、横浜・BankART KAIKOで、日頃の研究成果を展示します。

本展の特徴は、学生たちによる多様な作品が一堂に会する点にあります。学生たちはそれぞれの異なる世界への視点を持っています。アイデンティティー、ジェンダー、自分の暮らす地域、記憶、他者、写真の物質性、音と視覚芸術の関係、事件写真、etc.。テーマも手法も目指す成果もさまざまです。この展示では、それらが共存する場となります。

展示空間には、身近な風景や個人的なことを〈小さな言葉〉で掘り下げた「ミクロな視点」と、広い世界や社会的な出来事を〈大きな言葉〉で見渡した「マクロな視点」が、繋がったり反発しながら共存しています。訪れる方々に新たな発見や何かを考えるきっかけをお届けできたら幸いです。

会期中には、「教育と美術」をテーマにしたシンポジウムや、作品鑑賞会、公開講評会などのイベントを行います。

・シンポジウム「諸外国の美術教育事情」(連続シンポジウム「美術と写真を考える」の第二回)

11月24日(日)15:30~17:00

美術・写真・教育を考えるシンボジウムの2回目となる今回は「諸外国の美術教育事情」をテーマに、韓国やイギリスで学んだ経歴を持つ方々をお招きし、「美術」の社会的位置付けについて日本と比較しながら、その可能性について探ります。

バネラー:金仁淑(アーティスト)、山本浩貴(文化研究者)、北野謙(東京形大学 特任教授)

可会進行:鷹野隆大(東京造形大学 教授)


・鑑賞会「写真を見る・聞く・話す」

11月24日(日)の12時と14時の2回

定員:各回5名/所要時間:45分/対象:中高生、一般参加者の皆さんと学生が一緒に、作品についておしゃべりをしながら展示作品を鑑賞します。各回5分前に受付にお集まりください。

・公開講評会

11月28日(木)13:30~16:30

東京ステーションギャラリー学芸員の若山満大氏をゲストに、一般に公開の形で学生の作品の講評を行います。大学の授業をどなたでも見学していただけます。

キム•ハク「MY BELOVED」開催

BankART Stationで11月2日から17日までキム•ハク「MY BELOVED」を開催しております。以下、主催者の方より本展の魅力をご紹介いただいております。

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MY BELOVED: Kim Hak
会期:2024年11月17日(日)まで開催。 11:00-19:00 
会場:BankART Station [神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅 B1F ]かねてよりご案内しております、カンボジアの写真家、アーティストのKim Hak(キム・ハク)の写真展「MY BELOVED」が、11月2日(土)より開幕しました。
初日には、カンボジアよりKim Hakが来日し、ギャラリートークと彼の友人でもある、クメールロバム・ボラン舞踊家のSok Nalys(ソック・ナリス)と クメール古典・現代音楽家のRos Sokunthea (ロス・ソクンテア)をカンボジアよりゲストに迎え、スペシャルパフォーマンスを開催。日本に在住する、カンボジアにルーツを持つのコミュニティからも、母国のクリエイターたちの活躍を見に、たくさんの方々がご来場くださりました。

本展は、Kim Hakが生まれ、現在も活動拠点とするカンボジアを、彼自身が10年間に渡り旅をしながら、アナログフィルムで撮影した風景の記録、56点を一同に展示しております。クメール・ルージュの崩壊から2年後の1981年に生まれたKim Hakは、幼少時代から、紛争当時の話を両親から聞き育ちました。紛争後に生まれた世代として、母国の新しいイメージを伝えること、母国に関係する物語について、自身の声で語り表現することを、アーティストとしてのテーマとしています。
実際に彼は、2020年に、神奈川県内のカンボジアにルーツを持つ方々のコミュニティに滞在し、制作活動を行い「ALIVE Ⅳ」という作品を制作しています。

©️Kim Hak

©️Kim Hak

彼にとって日本で発表する2作品目の展覧会となる本展は、1980年代以降、大きく発展、変化する都市部や、自然、人の営み、時の流れによってつくられた普遍的で穏やかな景色を、精密にフレーミングし、一切加工しない色で、カンボジアの風景の豊かさと多様性を繊細に照らし出しています。

「MY BELOVED」はKim Hakの母国、カンボジアに当てたラブレターです。また、本展初日に発刊された、同タイトルの写真集は、展示された作品を含め、159点が収録されています。表紙は、カンボジアの伝統的な布「クロマー」を用い、シルクジャガード10色、コットンチェック10色、計20種類で展開しています。
装丁は、多くのアーティストや建築家などの作品集のデザインも手がける、アートディレクターの林琢真が担当しました。

会期まであとわずかとなりますが、会期中、ぜひ、ご覧くださいますようお願いいたします。

また、本展のスペシャルサイトでは、オープニングの様子から、Kim Hakへのインタビュー映像などを順次掲載しております。合わせてご覧いただけましたら幸いです。

特設website: https://kimhak-mybeloved.com/

Kim Hak  |  キム・ハク
Photographer, Artist
1981年生まれ、カンボジアの北西部に位置するバッタンバン市出身。クメール・ルージュ政権崩壊の2年後に生まれ、両親から当時の記憶を聞いて育つ。クメール・ルージュ政権前後のカンボジアの社会史を記憶・再生・再解釈するプロジェクト「Alive」 をはじめ、土地や建物の記憶や変化する祖国の風景を撮影して記録し、カンボジアの政治的文化的構造に関連するテーマを探求している
https://www.kimhak.com/biography/

■  エキシビション概要
会期:2024年11月2日(土)〜11月17日(日)11:00-19:00
   会期中無休
会場:BankART Station [横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅 B1F ]   
    https://www.bankart1929.com/venue/station/index.html
主催:Rei Foundation Limited
協力:株式会社テレビマンユニオン、有限会社ルフトツーク 、BankART Station
キュレーション:林 琢真
会場音楽:畑中 正人
テクニカルディレクション、会場構成:遠藤 豊

■  Rei Foundation Limitedについて
Rei Foundation Limited(公益法人レイファンデーション)は、すべての人のウェルビーイングを育む世界というビジョンを持って、2012年に公益法人としてニュージーランドに設立されました。ニュージーランド、日本、トンガ、マラウイ、カンボジアで活動するさまざまなパートナーと連携し、それぞれが自分らしく生き、お互いの価値を認め合うことのできる社会創りに貢献するためのプロジェクトに従事しています。
Rei Foundation Limitedは、この作品が皆さんにとって新たな視点や気づきをもたらすきっかけとなることを願っています。さらに、日本に暮らすカンボジアにルーツを持つ子どもたちが、カンボジアの美しさとそこに宿る誇りを知ることで、新たな「自分らしさ」に目を向け、より自由で力強い生き方を模索するためのきっかけになればと願っています。
https://reifoundation.com/

特設webサイト:https://kimhak-mybeloved.com

トップ画像クレジット©️Kim Hak

『不確かな記憶の栞』Photographer 松本茜 33名によるExhibition

本日よりBankART KAIKOにて、写真展『不確かな記憶の 栞』が始まりました。主催者の松本茜さんは、「カメラのきほん練習帳」の著者で山岳写真家でもあり、全国津々浦々で写真教室の講師もされている方です。今回は、教室に通う生徒さん33名が、それぞれの内面との対話を結実させた写真が展示されています。半年間にわたって練り上げられた、個性豊かな作品群をぜひご覧ください。

会期:2024年11月5日(火)〜10日(日)
会場:BankART KAIKO
入場料:無料
主催者:松本茜

文・写真:秋山直子

「タイカレーの店 ピー」のマスターを偲んで

BankART Studio NYKやBankART Homeの時代、カフェパブの定番メニューといえば、「タイカレーの店 ピー」から届くグリーンカレーでした。2016年までは吉田町、以降は横浜橋商店街で営業する「ピー」から毎日カレーを配達してもらい、多くの方に楽しんでいただきました。しかし、残念なことに、今年6月にピーのマスターが病気で亡くなられたことを最近知りました。

「ピー」との縁は2006年にさかのぼります。食とアートをテーマにしたプロジェクト「食と現代美術 part2—美食同源」では、BankART周辺の関内・関外地区にある個性的な飲食店に、アーティストの作品を設置させていただく「横濱芸術のれん街」を展開しました。当時、スタッフ総動員で飲食店をリサーチし、結果として23店舗での展示が実現しました。その中で、吉田町エリアで営業していたピーには、眞島竜男さんの作品を展示させていただけることになりました。元々、BankARTパブの店長でデザイナーの北風さんの事務所がピーの向かいにあったこともあり、眞島さんの展示も実現し、そこからの関係も深まりました。

その時から、ピーのグリーンカレーをBankARTのカフェパブで毎日提供させてもらえるようになり、BankART Homeの営業が終了する2020年11月まで、水曜日を除く週6日、配達していただきました。

カレーを作っているのはタイ人のママさんですが、毎日の配達はマスターや娘さんが担当してくださいました。また、2014年の横浜トリエンナーレと連携した展覧会「BankART Life4 東アジアの夢」では、マスターがBankARTのテラスに出張し、カレーやパッタイを提供してくれ、多くの来場者で連日にぎわいました。

見た目は少し怖そうにも見えるマスターでしたが、誰にでも気さくに話しかけ、好きなことにはとにかくのめり込む素敵な方でした。

現在、「タイカレーの店 ピー」は横浜市営地下鉄・阪東橋駅近くの横浜橋商店街でママさんと娘さんで営業を続けています。11月5日には酉の市も開催される予定ですので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りいただき、ピーの味を楽しんでいただければと思います。

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タイカレーの店 ピー
営業時間:11:30〜20:00
定休日:月曜(※水曜日はランチ営業のみ11:30-15:00)
急な休みがある場合もありますので、ご来店の際はお電話での確認をおすすめします。
電話番号:045-251-2644

写真:中川達彦

ピーのマスター

BankART Studio NYKやBankART HomeのCafeにて販売していたグリーンカレー

014年BankART Life4「東アジアの夢」にて

現在ピーは横浜橋商店街で営業中

吉田町からアットホームな雰囲気は健在

グリーンカレー

カレーを作っているママさんと娘さん

お店には看板猫のしろちゃんもいます

坪内あつし パーカッション6時間即興×4日間『進化』3日目10/13

現在BankART Station ではパーカッショニスト坪内あつしさんと彫刻家の橋本雅也さんのライブパフォーマンスが行われている。10月11日から14日までの4日間の毎日、二人の即興が5時間みっちりと織りなされる。

坪内は演奏時、自身の独創的な世界の中で、情熱の限り楽器を鳴らす。彼が作る音楽は部族が奏でるもののように独特な音色を持っている。用いられている楽器は見慣れた太鼓やシンボルの他に、あまり見かけない鉄製の楽器があった。

会場に響くリズムに合わせ巨大な木を削る橋本雅也さんの手の動きは、その音楽に呼応するように激しさを増すかと思えば、今度は静かに楽器の音と調和する。

全身を使い木を揺らすその姿は一見荒々しくも、耳障りな音は一切ない。打楽器と彫刻という見慣れない組み合わせではあるが、この二人にしか作り出せない繊細な空気が時間を持て余すことなく会場内を満たしていた。

また、各日20時からは、坪内・橋本にゲストが加わり、さらにもう一時間パフォーマンスが行われる。そちらもぜひ、合わせてご覧いただきたい。

文:中村、桂
写真:中村