土方巽の「病める舞姫」を読み解くプロジェクト第2弾です。畳1畳の空間で、田辺知美、川口隆夫それぞれ二つのソロが展開します。畳1畳という限定された空間に、最小限の照明が灯されるなかで、土方巽の凝縮された世界が見えてくるかのようです。観客は畳をぐるりと取り囲み、互いを見合わすように、ここに起きる出来事の証人として、作品に参加します。このようなあり方も土方ワールドを彷彿とさせます。田辺さん、川口さんはもちろん土方巽を直接知るわけではなく、その著作から作品を構想していますが、土方の強力なイメージが、時代を超えてアーティストを刺激するインスピレーションとなり、新しい作品を生み出している感じがします。ダンスのスピリットはこのような方法で受け継がれていくのかもしれません。